『ヒップスター』はどのように文化をつくる?

週末、サンフランシスコのデザインファームIDEOが山梨の我が家を訪ねてきてくれました。
実は8月にも、今回来てくれた20代のメンバーの上司たちがプロジェクトの相談に来ていたので、けっこう濃いディスカッションを交わしたことになりました。

で。
今回、彼らから聞いた印象的なトピックスは「ヒップスター」の存在のこと。
訪ねてきてくれたメンバーのティムくんは、IDEOの前にカルフォルニアのブルーボトルコーヒーという界隈では有名なカフェ&焙煎所で働いていたらしく、「デザインとコーヒーに何の関係が?」と聞いてみたらば、

「ヒップだからさ」

との回答。ほほう。

ブルーボトルコーヒーを筆頭とするスペシャリティコーヒー(←産地や製法の裏付けがある本格派のコーヒー)が新しい文化としてスタンダードになったのは、それを始めた「ヒップスター」のアイデンティティに拠る。

じゃあその「ヒップスター」ってのは何だよ?ってな話なんだけど、ティム君から聞いた話を僕なりに分解すると「ギーク(オタク)」と「キュレーター」のハイブリッドであるよ。
もっと言うと「プロダクトのギーク」と「メディアのキュレーター」の複合系だ。

コーヒーに詳しすぎるオタクが、ワインのように様々な産地と製法のコーヒーをテイスティングする文化=メディアを拡散する。すると、今までカフェという空間の「付属品」だったコーヒーが、新しい「カルチャー」になる。

マイノリティな伝統やニッチに目をつけてそれをカルチャーに「する」。この錬金術を操れるのが「ヒップスター」であり、ニッチから一転してスタンダードになった文化を「ヒップ」だと感じるのであるよ。

「で、ティム君は何で僕のところに来たの?」

「発酵デザイナーって、ヒップじゃん」

おお。汗

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ヒップにコーヒーをドリップするティム君。また来てね。