ジョージアのワインと僕たちの伝統

僕はいま、ジョージア東部のカヘティ地方Kardenakhiという村に滞在しています。
目的は新著『僕たちは伝統とどう生きるか』を書き上げるため。

この本の重要なパートである大きな壺でつくるワインの現場を見に来ました。
Elizbar Talakhadzeという、昔の砦を移築したワイナリーの二階にホームステイさせてもらっています。オーナーのELIZVARさんは60個の壺(クヴェヴリ)でカヘティの伝統的なワインを醸造しているスーパーこだわりの醸造家。ワイナリーの周りは見渡すかぎりのブドウ畑で、オフシーズンなので滞在客は僕ひとり。

ELIZVAR夫妻以外は人間の気配がないので、犬と遊び、馬と日向ぼっこし、猫と一緒に寝ていました。

どの宿に泊まっても、ウェルカムワインがボトル単位で出てくる。これがジョージアのワイン庫、カヘティスタイルか…!もちろんどれもクヴェヴリワインで卒倒しそうに美味しい。
 
 
ワインを仕込む壺、グヴェヴリ工房にもお邪魔することができました。イカルトという小さな村で150年つくり続けられてきたクヴェヴリは、薪火で10日間かけて焼かれます。沖縄の荒焼のような民藝スピリッツを浴びて、脳みそクラクラしました。
 
ジョージアの食は、西アジアと東ヨーロッパの両方の要素が融合していて面白い。昨日泊まったテラヴィという街で食べたのは、ヒンカリというまんま水餃子な名物料理。この街はクラフトビールも名産で、なんとこんなところで餃子ビールにトライするとは思いませんでした。
 
ちなみに写真のヒンカリの具材は、グダというローカルチーズ。これにはちみつソースをかけて食べます。合わせるお酒はビールよりサペラヴィという地ブドウの赤ワインのほうが美味しかったな。
ちなみに地元では有名なこのヒンカリレストラン、ハウスワインの値段は1リットルで1100円。もちろんクヴェヴリ製法のめちゃ美味しいクオリティでした。サイゼリアより安いってどうなってるの??
さて。
このジョージアの旅の目的は、新著『僕たちは伝統とどう生きるか』の取材です。ジョージアの人たちのものづくりにかける愛着や、どう過酷な歴史をサバイブしてきたかが本書のハイライトの一つになります。どうぞお楽しみに!

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小倉 ヒラク

発酵デザイナー。1983年、東京都生まれ。 「見えない発酵菌の働きを、デザインを通して見えるようにする」ことを目指し、全国の醸造家や研究者たちとプロジェクトを展開。下北沢「発酵デパートメント」オーナー。著書に『発酵文化人類学』『日本発酵紀行』など多数。