改めまして、山梨の山の上の我が家はこんなとこ〜自力で家をつくるという根源的な楽しさ
山梨県甲州市の山の上に引っ越して半年が経ちました。
家の改装もいったん落ち着いて、生活のリズムもできてきて、ようやく「山梨のひと」になったなあ、という心持ちになれました。
ローケーションに一目惚れだったとはいえ「ほぼ廃墟の家を住めるようにできるのか?」という不安は、引っ越し一ヶ月後くらいにはカンペキに消え「家つくるのってたのしー。やっほー!」という喜びに変わっておりました。
我が家のお隣さんの家も、ログハウスを自分で手作りしたもの。
僕の住む集落の住人は、畑をやったり、地下水の汲み上げシステムをつくったりと、とにかくなんでもDIYしてしまう。
引っ越して改めて感じたのは「人間は放っておくと何でもつくる生き物」だということ。
都会育ちの軟弱なヒラクも、気づいたら妙にDIY力が向上していたわけです。
ということで、改めてこんなとこに引っ越したよ
テラスから見た景色。右手に見える2軒の家はいづれも住み手が自力でつくったらしい(構造とかはさすがに大工さんに手伝ってもらったそうですが)。
我が家へと続くアプローチ。民ちゃんいわく「やかまし村」のようだそう。
アプローチの途中に、週末だけOPENするカフェ『BUN BUN Bear』があります。
オーナーの高橋さんは、集落での暮らしをアドバイスしてくれる「頼れるお姉さん」にような存在です。
全部で13軒しかない小さな集落になぜかある個性派カフェ。毎週末県外からのお客さんもたくさん来て賑やかです。
白く塗られた外装に、養蚕の名残だと思われる大きな屋根裏スペースがこの集落の家の特徴。戦争で焼けなかったので、明治ぐらいに建てられた家が残っています。
廃屋が見事に蘇りました
で、我が家はこんな感じになりました。
元は二間だった和室の仕切りを壊して、大きなリビングスペースにしました。
スタートはこんなところから。大工さんに床下の土台を作り直してもらったあと、床を貼って間仕切りを壊していきました。
ぶち抜いた天井もキレイに補修。
近所に住む大工の棟梁、日原さんにレッスンを受けました。すごーく面白かった!
友だちも手伝いにきてくれました。みんなでDIYやるの楽しかったなー。
我が家に遊びにくる率no.1の友人、WEBサービスの開発をしているWOODY代表の中里氏。
リビングを逆側から。壁は一面本棚になりました。今まで分散していた蔵書を一箇所にまとまるのが夢だったのよ。
僕(一応)デザイナーなので、インテリアを選ぶのも楽しい。
照明は東京メタル工業 の工事現場用ランプ。イスはTHONETで、暖簾は宮城の裕子さんからの引っ越し祝い。藍染め作家さんの素敵な作品。我が家の雰囲気にピッタリでした。
ちょっと散らかっているけどキッチン。床・壁・天井全部内装を入れ替えました。
引越前に相談したR不動産のリノベーションサービスtoolboxにだいぶお世話になったぜ。
最初はカンペキ山小屋でした。前の家の5倍くらいの広さになったので、発酵食品の仕込み作業が超絶ラクチンになりました。
あと、最近ワインサーバーと業務用の冷蔵庫も導入。リビングの一角が「発酵ラボ」になっています。これで念願の菌の低温培養ができるぜッ…!
広めの廊下は、オフィススペースにしました。このエントリーもここで書いています。
東京の家の三倍くらいの大きさになったので、書斎専用、仕込み専用、仕事専用とスペースの目的を区切って使えるようになりました。
「家を買う」という概念が変わったぜ
「こんなにいじりまくって大家さん的にOKなの?」
という声が聞こえてきそうですが、この家は賃貸じゃなくて持ち家です。今回の引っ越しを機に家を買ったんですね。
隠し立てなく言うと、総額500万円ぐらいでした。
東京に住んでいた頃の家賃がだいたい10万円くらい(←三鷹の小さな戸建)。で、都合4年住んだので、計算してみると賃貸物件に480万円+敷金礼金を払っていたことになります。
おおお…! 買っても借りても一緒じゃん!
ということに気づいた瞬間、それまでの「家を買うのはタイヘン」という概念が吹き飛びました。例えば10倍の五千万だったらローン返すのに20年ぐらいかかるけど、500万年だと数年で精算できる。しかも広さ3倍+100坪ぐらい空き地がついてる。しかも好きなだけDIYしても誰も文句言わない。
最高ッ…最高だよブラザー!
ということで喜びいさんで家を買うことにしたのですが、しかし少額とはいえフリーランスが銀行にローンを頼むのはめちゃくちゃタイヘンでした(←その話もそのうち書く)。
引っ越した後もしばらくは「家の中でキャンプ生活」とか「下水道が通ってないけどトイレどうすんの問題」などなど、色々ハプニングもありましたが、そういうのも自分のDIY力が上がっていくとともにだいたい解決しました。
東京はじめ都市圏だと何でも「借りる」という意識になりますが、そこを離れると「自分で持つ」「自分でつくる」というマインドセットになります。
このマインドセットになると、冒頭の「DIY本能」が発露し、何でもつくったるぞアドレナリンが分泌されて楽しい生活になることがよくわかったぜ。
色々めんどくさいこともありますが、山梨の山の上の生活、けっこう気に入ってます。
朝早起きしたら、こんな景色が見れるしね。
それでは今日はこの辺で。
ではではー!(←鳥井くんのマネ)