「まだやってたのかおじさん」になりたい。

直近の2〜3ヶ月だけ取ってみても

・発酵×密教(高野山飛鷹全法さんと)

・発酵×経済(ミシマ社三島さんと)

・発酵×コミュニティ(コルク佐渡島さんと)

・発酵×精神医学(星野概念さんと)

などなど、異種格闘技戦にも程がある…!な状態になっているんだよ。

「これは一体どうしたことだ?」と思いつつ、発酵好きを越えてたくさんの人が微生物の世界に興味を持ってくれていることはほんとに嬉しいことです。

で。こういう流れがしばらく続くと考えた時にだな。

僕は、まだやってたのかおじさんになりたいなと思うんですね。

「えっ、どういうこと?」

例えば僕に「発酵×◯◯企画やりましょう!」と声をかけてくれた人は、その企画が終わったらまた自分の領域に帰るなり、また別のコラボできるところへ移っていくわけじゃないですか。

それで10年以上経って、その人がある時ふと

「そういや昔、発酵×◯◯ってやったなあ…」

「あれ、一緒にやった小倉ヒラク君って今何やってるんだろう?」

と思い出して僕のことを検索してみた時に、

「やってた!ヒラク君まだやってたのか〜!!」

という存在になれたらいいなと。

これがつまり、まだやってたのかおじさん

世間の興味も流行も移り変わっていくじゃないですか。毎シーズン、たくさんのトレンドワードの船があっちこっちの海を渡っていく。

そのなかで僕は発酵&微生物という「港」でいれたらいいなと。

しかもその港はスーパー開かれていて、いつでも各国からの船から人や荷物が降ろされてくる。歴史が積み上がっているので「あの港から見える景色を一度見てみたいもんだ」と噂される。そういうの最高…!

ということで、僕はまだやってたおじさんという港になります。

ちょっと奥まったところにあるけど、見晴らし良くていい風吹いてるよ。

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小倉 ヒラク

発酵デザイナー。1983年、東京都生まれ。 「見えない発酵菌の働きを、デザインを通して見えるようにする」ことを目指し、全国の醸造家や研究者たちとプロジェクトを展開。下北沢「発酵デパートメント」オーナー。著書に『発酵文化人類学』『日本発酵紀行』など多数。