全国の発酵新世代が、山梨に大集合!で盛り上がった『こうふはっこうマルシェ』。
どれぐらい盛り上がったかというと、規模でいうと1万人超!
※イベント運営のYBS調べ。北口発酵会場だけの統計なので他会場含めると約15,000人
そして。
参加した人数以上に印象的だったのが、会場に集った人のピースフル感…!あまりにも楽しすぎたイベントの様子をレポートしたいと思います。
※このイベント、発酵だけでなくクラフトや甲府の歴史文化をテーマにした会場もあったんですが、今回レポートするのは発酵のマルシェイベントについてのみ!なのでご了承を。
まずはイベントの経緯のおさらい
レポートの前に経緯を簡単に。
イベント開催の経緯は、なんと五味兄妹と僕の三人でやっているYBS山梨にラジオ番組『発酵兄妹のCOZY TALK』がきっかけ!
番組の放送局であるYBSが自治体(甲府市)と一緒にお祭りを開催することになり、ラジオのプロデュースチームが発酵兄に「一緒にお祭りプロデュースしませんか?」と打診。
山梨随一のお調子者である五味のアニキに、プロデュースパートナーなるVIPすぎる肩書を任命。その流れで僕も五味兄と一緒にイベントの企画に関わることに。
実は今回の『こうふはっこうマルシェ』には前段がありまして。2011年から三年間連続で開催した『甲州発酵物産展』という酔狂なEXPOを五味さんと僕の二人でプロデュースしていたのでした。スポンサー集めから自分たちでやるという完全手弁当スタイルで身に付けたイベント運営ノウハウが役に立ってる…! pic.twitter.com/iq4sLVCIYC
— 小倉ヒラク (@o_hiraku) March 2, 2018
せっかくこのメンバーでやるのなら、サイコーにご機嫌なイベントにするしかない…!と全国から僕たちの友人の発酵仲間に声をかけたら予想以上にとんでもないイベントが爆誕してしまったのでした。
このイベントの位置付け
実際は運営上でいっぱい反省点もあるし、コンテンツが多すぎてみんなに伝えきれなかったこともあるのですが、たくさんの人に楽しんでもらえて出店者も売り切れ続出だったのでとりあえず成功!とした上で、このイベントをやってみて気づいたことを振り返ってみるとだな。
HAPPY & COZY! ←ハッピー&コージー略してハッコー!
まず「楽しい=HAPPY」「居心地がいい=COZY」を大事にしたこと。これは今までの活動で一貫して考えてきたことです。まずは体験して楽しいこと、そして間口が広くてフレンドリーなこと。
知識や業界内の知り合いが増えてくると、つい「アタマ良く見えること」をやりたくなっちゃうんですね(エラい人呼んでシンポジウムとか)。だけど遊び来てくれる人が楽しいのは青空の下で友だちと美味しいもの食べてくつろぐことだったり、愉快な人やモノが集まった場の雰囲気を肌で感じることだったりする。だから愉快8:知性2ぐらいの感じで配分するとちょうどいい。
(こういうのを素でわかっている五味兄はスゴい)
醸造家がDIYで盛り上がる!
そもそも企画を主導しているのが味噌屋の旦那で、場を盛り上げるパフォーマンスをするのも醸造家たち。センスが良くて芸達者な発酵の実践者たちが自分たちでお祭りをつくりあげていくプロセスがとても今っぽいなと。プロデュースサイドとプレイヤーが分かれずに、プレイヤー自身がDIYでイベントをカタチにして楽しんでいるのが(僕も含めて)とってもエキサイティングで面白かった。醸造家たちが最高に楽しめるお祭り、ナイスすぎる…!
地元と外の人の化学反応!
ふだんの山梨のローカルイベントよりも今回のマルシェは県外からたくさんの人が遊びにきてくれました。わざわざ遠くから来てくれるので楽しむ気バッチリのお客さんたちの熱気が、なんとなく遊びに来た地元の人たちの気持ちを盛り上げていくのを感じたぜ。
例えばものすごく尖ったクラフトチョコを、地元のおばちゃんがどんどん買っていくのを見て「おお…!地元と外の人の化学反応がめちゃいいカタチで起きているぞ!」と嬉しくなりました。
こういうハッピーなカタチのお祭りが、自治体や地元企業と一緒にできたことは本当に幸運なことだったと思うぜ。多謝…!
それではイベントレポート!
ということで前置きは終わり(長くてすいません)。
いったいどんなイベントだったのか?写真とともにレポート!
ナイスな写真 by 忠地七緒、 まあまあな写真 by ヒラク
全国から「甲府に遊びいきまーす!」と連絡をもらっていたものの、前日まで「みんなネット上で盛り上がってるだけで蓋を開けたら誰も来ないんじゃないか…」と不安MAXでしたが、当日10時の開場とともにお客さんがたくさん…!嬉
▶各地の発酵関係者&プロダクトが集結…!
全国各地から集まった発酵仲間たち。左から二番目は三河みりんの三角さん。お世話になりまくりの愛知りんねしゃ、「こうじづくり講座」を一緒に運営した料理家の森本桃世さんも急遽参戦!
発酵食ラバーにおなじみの本格調味料がズラリ。僕も愛用している三河みりん。 醤油チーム。糸島のミツル醤油の城くん。醤油のキュレーター、職人醤油の万太郎くん。 入り口近くでめちゃ目立ってた『もの凄い鯖』の堀田くん。 鯖の焼ける匂いにつられて大行列!240枚持ってきてお昼には速攻で売り切れ! 飲食ブースの目玉の一つ、東京カリ〜番長の発酵食材をたっぷり使った発酵カリ〜。 カリ〜番長チーム、なんと前日入りで200食近いカレーを仕込んでくれました(もちろん売り切れた!)。
人生に味噌とお酒とラーメンを。 . 魅惑的なテーマを掲げる大阪の味噌ラーメン屋・みつか坊主さんが、創業100年以上の老舗、甲府の五味醤油さんのお味噌を使って作られた、1日限定のコラボ味噌ラーメン . この味噌スープがすごくよくて、さらさらとまるで味噌汁のように飲めながら、大豆の風味と奥行きがきちんと感じられてて、絶妙な軽さと重さのバランス . 大阪の店舗では、酒粕と味噌のつけ麺や、燻製味噌のラーメンなど気になるメニューが目白押し✨ __________ #みつか坊主 #ラーメン #味噌ラーメン #五味醤油 #味噌 #発酵 #発酵食品 #発酵食品マルシェ #こうふはっこうマルシェ #こうふ開府500年 #noodles #ramen #misosoup #fermentation #kofu #yamanashi #Japan @ menyu0201がシェアした投稿 –
大阪からやってきたみつか坊主の甲州味噌ラーメンも大好評。
オーナーのナイスガイ、斉藤さん。今回のために大豆と味噌尽くしのスペシャルメニューを開発してくれました。こちらも速攻で完売!
かもめブックスの柳下さんプロデュース甘酒屋台。
おなじみ千葉の寺田本家チーム。チベット出身のシェフとデンマーク出身のソムリエと一緒に参加してくれました。当主の優さんはステージにあがってトークもしてくれました。
地元山梨チームももちろん参加。ワイナリーや飲食店有志のワインツーリズムチーム。
山梨の様々なローカルワインをテイスティングしまくり!
みんな大好きパンブース。終始人だかりがスゴかった…!
マルシェ会場近くのD&Departmentで限定発売のタルマーリーパンをゲットする人たち。
山梨といえばブドウ。ブドウの加工品がいっぱい。
僕も大好きなクラフトビールの老舗、アウトサイダーブルーイングの参加でめちゃアガる〜!
▶フォトジェニックな会場&パフォーマンス!
天気は最高の快晴。お祭り感ハンパない…!
ハイセンスな出店者が集まってくれたおかげで会場はとってもフォトジェニック。
ここはハンモックでリラックスできる休憩スペース。
長野からブックバス(移動式本屋)がやってきた!この日限りの発酵ブックフェアも。
おや、軒先で何かやっているぞ…?
ソトコト等で活躍中のイラストレーター木下くんが、
「調味料似顔絵」をやっているのでした。
この日のために結成された「はっこうマルシェバンド」が演奏しながら会場を練り歩き。リーダーはマルサン葡萄酒のワイン醸造家、若尾くん。
醸造家たちが踊る「てまえみそのうた」! 今回はじめて会ったメンバーなのにめちゃクオリティ高かったので、急遽メインステージでも演奏することに。ちなみに左のベースと右のトランペット奏者は拙著『発酵文化人類学』の編集チーム、ソトコトの早野さんと橋本さん。みんな芸達者だねえ…! マーチングバンドの前で観客を煽る謎のアジテーターは… 尾道からやってきたチョコレートピエロこと、USHIO CHOLATLの宮本くん。行く先々で行商スタイルでクラフトチョコを売りさばく斬新なスタイル…!
チョコを売り切った後は、DJブースでパフォーマンスをかますチョコピエロ。
ある意味今回最もフォトジェニックだった醸造家の一人。笑
会場を盛り上げるDJブースの企画は、勝沼のワイン醸造家チーム。発酵関係者には音楽好きが多い!
「てまえみそのうた」の振り付けをしてくれたダンスユニット flep funce!も駆けつけてくれて、子どもたちと一緒にダンスパフォーマンス。
普通こういうのって子どもたちが無理やり踊らされる感じなのですが、この日はやたら盛り上がりました。(ちなみにステージも可愛いでしょ)
▶めっちゃ大盛況&売り切れ続出!
お昼のピーク時の様子。老若男女で大盛況!
会場全景。ふだん静かな甲府駅前が大賑わい。
お昼すぎにはあちこちでSOLD OUT!在庫多めに持ってきてくれたところも多かったのですが、それでも足りなかった…!買えなかった人、すいません。
会場でご機嫌の発酵弟&妹。みんな来てくれてありがとう〜!
こうふはっこうマルシェ、超よかった。
お昼過ぎには飲食ブースで完売続出。大阪『みつか坊主』の味噌ラーメン、味噌汁みたいにするっと身体に優しい味…。おいしい…。 pic.twitter.com/MEM7nK84wD— ナカノヒトミ@3/7-8新潟 (@jimonakano) March 3, 2018
打ち上げも盛り上がりました。日本酒、ビール、パン、味噌、みりん、醤油、チョコレート、お酢、ワインなど多種多様な醸造家たちで話がエンドレスに弾みまくり。
僕たちが活動を始めた10年前は、発酵というと「日本の伝統」とか「健康にいい!」的なおじちゃんおばちゃん達の趣味、というイメージでした。
でもいまや、発酵はカッコいい「カルチャー」に新陳代謝してきている!と改めて実感しました。伝統を継ぎつつ、でもスタイルは新鮮に。志は高く、でもハードルは低い。
それでは最後にお知らせです。
『こうふはっこうマルシェ』、大好評につき来年もやるよ!
次回はさらに愉快でハッピーに、そして日本各地の発酵カルチャーの多様性を味わえるナイスなイベントにするぞ!
五味兄「お兄ちゃん頑張るから、来年もみんな山梨に遊びにきてね」
【追記1】マルシェ会場近くのYBS会場で東京塩麹のライブやタルマーリーの格さんのトークイベント、映画『いただきます〜みそをつくる子どもたち』の上映もあったんだけどドタバタしてて記録が間に合わなかった〜!残念。
【追記2】ほかにもここに載せきれなかった素敵な出店やイベントが盛りだくさんでした。皆様お疲れ様でした。
【追記3】甲府市とYBSの皆さま、どうもありがとうございました。色々ご迷惑おかけしましたが、来年もどうぞよろしくおねがいします。