こんにちは、発酵デザイナーの小倉ヒラクです。
普段から僕のブログ読んでいる人、はじめましての人に呼びかけです。

ヒカリエ8階のギャラリーで大きな展覧会やるから、協力してほしい〜!!

来年2019年の春から僕の企画で『47都道府県の発酵(仮)』という展覧会が始まります。
会場は渋谷ヒカリエd47 MUSEUM。全国から知られざるローカル発酵食を集めて体系化し、日本の郷土食の多様性の秘密を解き明かす…!という壮大な企画に挑戦するので、この場を借りてスポンサーを募りたいと思います。

☆そもそも僕は何者?という人はこちらをご覧ください

プロジェクトのあらまし

ではまずプロジェクトのあらましから。
そもそもなぜこんな壮大な企画をやるのか?

▶日本各地に根付く不思議な発酵食品
僕は発酵と微生物のスペシャリストとして全国各地の発酵文化を訪ねて歩いているのですが、しばしば「ななな…なんだこれは?」とビックリするような不思議な発酵食品に出会います。
それもひとつやふたつではなく、北から南、山間地から離島まで、人口わずか数千人の小さな村にびっくり仰天!な発酵文化が継承されているんですね。

▶酒や味噌だけじゃない!ユニークすぎる発酵文化の宇宙
日本の発酵食品というと、日本酒や味噌、醤油や納豆など日常の食卓になじみのあるものが思い浮かびますが、実は各地にあるローカル発酵食品の多くがスタンダード発酵には当てはまらない多種多様なミクロコスモス。土地の特色を活かした漬物や調味料、分類を超越したガラパコス発酵食品やなぜか古代や海の外のを受け継いでいる不可思議なルーツ発酵食品などなど、「日本の発酵とは◯◯である」という先入観を粉々に吹き飛ばす発酵ミクロコスモスが広がっているんだYO!

▶発酵から日本の郷土食の多様性が読み解ける?
拙著『発酵文化人類学』でもいくつか不思議なローカル発酵文化を取り上げました。そこから見えてくるのは、土地や気候の特性や人の暮らし、そしてダイナミックな歴史の変遷。発酵デザイナーの僕からすると、ローカル発酵食を紐解くことはその土地の気候風土、文化や経済を読み解くのに等しい。

ということはだよ。
全国のローカル発酵文化を紐解けば、日本の驚くべき食文化の多様性が読み解けるということではないかしら?

発酵から日本食の秘密にアプローチできるということではないかしら〜!!

…という気づきが今回の展覧会をやることになった最初のきっかけ。
その気づきからしばらくして、渋谷ヒカリエのD&DEPARTMENTに立ち寄った時に展示担当の黒江さんと世間話しているうちに、

「じゃあd47 MUSEUMで展覧会やりましょう!」

という流れになっていきました。
コンセプトもある。会場もある。協力してくれる人たちもいる。そして何より熱意がある。

これはもう、やるしかない…!
絶対とんでもなく手間と時間かかるけど、絶対に面白くなる自信がある…!!

プロジェクトの概要

それでは次にプロジェクトの概要を説明します。
展示をメインにいくつかのプロジェクトを組み合わせます。

▶渋谷ヒカリエ8階 d47 MUSEUMでの展示
47都道府県+離島からその土地に根ざした発酵食品を集め、展示します。
ただモノを展示するのではなく、製造方法、生まれた背景、系譜も編集&デザインしてプレゼンテーションします。で、僕的にこだわりたいポイントは以下の3つ。

・普段見聞きしない知られざる発酵食品を優先して取り扱う
ex: くさや、すんき、碁石茶、セン、松浦漬け、黒糖焼酎など
・ただのカタログで終わるのではなく、製法や系譜、微生物の扱いなどを分類・体系化
・海外の人にも楽しんでもらえるように英語表記&英語の広報もやる

【展示期間】2019年4月5日(金) ~ 6月10日(日)

▶関連イベントの開催
展示期間中に関連イベントを開催します。展示だけでなく実際に手にとったり味わったり生産背景がリアルにわかる機会をつくってよりディープに発酵の宇宙を感じてほしい…!

・各地域からゲストを招いてのトークイベント/バイリンガルの発酵文化ガイダンス
・各地のリアルローカル発酵ブツが手に取れるマルシェの開催(渋谷ヒカリエ8階)
・リアルローカル発酵食品を味わえる料理の提供(d47食堂)

▶書籍『47都道府県の発酵』の制作
今回の企画を書籍に編集します。カタログとしてはもちろん、日本の発酵の系譜と多様性を読み解ける楽しく奥深い本にする予定。展示開始にあわせて販売します。

…ここまでがヒカリエ8階で定番のパッケージ。
しかし!今回はもうひとつ、この企画ならではのスペシャルプログラムがあるんだよ〜!

日本各地を巡る「発酵ツーリズム」に出ます

今回の企画を完遂するためには、言い出しっぺの僕が展示する発酵食品の製造現場を全てまわらなければいけない。すなわち…

47都道府県の発酵を訪ねる旅=発酵ツーリズム

に出なければいけないということなんだよ。
ということで、僕は今年の夏過ぎから各地の醸造現場を訪ねる旅に出ます。

去年の『発酵文化人類学』の出版ツアーのごとく、通常運転の仕事をストップして日本全国をまわってひたすらアーカイブしまくる旅に挑戦するぞ〜!去年も4ヶ月で55箇所まわったし、多分イケる…やればできる〜!!

・【発酵文化人類学】全国縦断55ヶ所、2000人に本を届けた出版ツアーの成果発表!

旅の期間中、僕のWEBとD&DEPARTMENTのメディアを連動して「47都道府県のローカル発酵レポート」をガンガン公開していきます。そのアーカイブが編集されて展示と本になっていきます。展示本番はもちろん、旅の期間中にも応援してくれる皆様をディープな発酵の宇宙に誘ってしまおうという算段なのだぜ。

【旅する期間】2018年8月〜年内いっぱいを予定

スポンサー大募集!

各地から発酵食品を集めたり、全国旅したり、大規模な編集やデザイン作業も必要!
しかも日本のローカル郷土食をアーカイブできる千載一遇のチャンス、海外の人にも来てほしいから翻訳したり広報したりの手間も必要!つまりけっこうな予算がかかる!

ということで、スポンサーを大募集したいと思います。

第一弾の募集は、企業や行政、財団法人などのスポンサーを募ります。

・各地の志ある食品メーカー
・発酵で地域のPRをしたい地方自治体
・旅行や移住促進、地方の求人などを扱う企業/団体
・直接関係ないんだけどピンとくる人

用意したのは、以下の2コース!

☆☆発酵サイコー!コース:85(ハッコー)万円☆☆
・僕のWEBサイトでの取材記事の掲載
・展覧会公式ウェブサイトの掲載
・トークイベントへの出演
・公式書籍 広告ページへの掲載
・会場内、告知物への掲載

☆☆圧倒的名誉コース:250万円☆☆
・発酵サイコー!コースのメニュー
・イベントネーミング含め圧倒的名誉な特別メニューを一緒に考案
・チーム一同命が続く限り圧倒的に感謝し続けます

詳しいスポンサー募集用資料はこちらから:PDFへリンク

これが基本パッケージ。
それとは別に、僕が旅するのと連動してまちおこしやイベントをやってみたい!という人は別途ご相談ください。

最初に募集するのは5枠(うち圧倒的名誉コースが1枠)。
応募多数の場合は企画コンセプトと相談のうえお返事させてください。申し込みは以下のフォームからどうぞ。

【一次募集〆切】2018 7/20(金)23:59まで!

お名前

所属

メールアドレス

好きなご当地発酵食品

期待していること応援メッセージどうぞ

※事務局の窓口に直接メールが届きます
※個人情報は他の用途には使いません

▶個人スポンサーの募集について
「ワタシのもできることないかしら?」と思っているそこのアナタ!展覧会期間が近くなってきたら個人向けスポンサー募集もやるので、少しだけ待っててください。
必要!みんなの力も必要なんだ〜!!
(実はプロデューサーおのっちから「まずはB to Bから固めよう!」とアドバイスされた)

愉快なチームで頑張るぞ!

今回の企画を手がけるチーム体制について。
手前みそなんですけど、最強の体制になったのでちょっと自慢していいですか?


▶小倉ヒラク:ディレクター
企画&言い出しっぺは僕です。


▶D&DEPARTMENT:開催&事務局
ナガオカケンメイさんをヘッドに、展示担当の黒江さんが企画の開催&事務局を受け持ってくれます。お世話になりまーす。


▶小野裕之:営業&プロデュース
企画営業のプロデュースに大親友のおのっちさん。greenz.jpはじめ幾多の事業で培ったプロデュース力でこの企画を強力バックアップしてくれます(特にお金まわり)。
今回の企画で生まれるコンテンツを価値に変えてくれるプロデューサー、よろしく頼んだー!


▶藤本智士さん&チームRe:S:編集&クリエイティブディレクション
さらにサプライズきたぞーーー!!ローカルメディア界のレジェンド、藤本智士さん(Re:S / のんびり)が今回の企画のクリエイティブディレクターに就任します。これはもう絶対にハイクオリティすぎるものができるに違いない…!

まずはこの布陣で始めて、企画の進行とともにさらに新たな仲間がきっと加わる、はず…。
それでは皆様との良きご縁と支援を願いつつ、次なる愉快な発酵の冒険へ出発〜!

最後にヒラクの所感を聞いてください

最後まで読んでくれてありがとう。最後に今回僕が考えていることをメモしておきます。
ちょっと長いんだけど、読みたい人はお付き合いください。

▶発酵食は土地の記憶のアーカイブ
僕がもう10年近く発酵文化のことに関わっているなかで、どうやら日本においてこの発酵というものはその土地のシンボルであり、物言わぬ(けど食べれる)風土や歴史のアーカイブなんだということがわかってきました。

例えば東北のある小さな村に伝わるお漬物。それを紐解いてみるとその土地独特の気候風土はもちろん、わざわざ手間のかかる仕込みを通した村人たちのコミュニティ作りの知恵、さらには中世〜近世の日本の経済や海運などもわかってしまう。

「えっ、それは大げさじゃない?」

と思うそこのアナタ!いやほんとなんだよ。詳しくは僕の著書『発酵文化人類学』を読んでいただけるとよくわかるのだが、発酵食品は制限された環境のなかで生きていくしかなかった昔の日本人たちのサバイバル術が生み出した独自すぎる技術の宝庫。建築家なら建物を見て、民俗学者なら祭りを見てその土地の記憶を引き出していくのと同様に、発酵デザイナーである僕は地域の発酵食品を通してその土地の辿ってきた数百年をまるでドキュメント映画のように見ているんだ。

今回の展示では、僕がずっとやっているこの体験をみんなとシェアできたらいいなと思っています。たった一つのお漬物からこんないっぱいエピソードが出てきたスゴすぎる…!という感動をみんなと分かち合えたらいいなあ。

というのがまず動機の一つ。で、もうひとつ考えていることがあります。

▶発酵から生まれる未来のムーブメント
10代の頃からずっと海外を旅して、ここ2〜3年は海外での仕事も増えてきました。色んな国をまわるなかで、やはり日本の郷土食の多様性は素晴らしいなと実感します(もちろん日本だけが素晴らしいわけではないからね)。行政や経済界からも大きな価値を置かれてこなかった地域の食文化と農業が、いまだにその伝統と生態系を維持してこれたのは、実は発酵文化の存在が大きい。

発酵食品は加工することで付加価値をつくりだせ、しかも保存食なので遠い土地にも持っていける。その土地らしさを伝えるメッセンジャーとして江戸時代から地域のブランドをデザインしてきたわけです。現在でも、僕の友人の酒蔵や味噌蔵の醸造家たちがその土地の農業やコミュニティを応援する大事な存在として機能しているんです。

・小さな蔵が醸す農業と伝統の未来。発酵が生み出すローカルの可能性 | みんなのミシマガジン

こういう現実を見るにつけ、日本において発酵文化というのは美味しい、健康にいいという食の領域を超えて、地域の未来をつくる最重要ファクターであり、新しいムーブメントをつくるためのハブになりえるのではないか?と僕は思っているんです。

今回の企画ではめちゃローカルな内容を扱いますが、同時に表現方法としてはグローバル仕様でいきます。その理由は、僕が海外で出会って僕の活動を応援してくれている様々なムーブメントのオーガナイザーたちに見て欲しいから。

ローカルの価値は他の土地のローカルにこそ深く理解してもらうことができる。今日本で起き始めている発酵を巡る新しい流れは、日本だけでなく世界で起きている流れとつながっている。小さなものは大きなものに回収されて消えてしまうのではなく、小さなままどんどん増えて大きな変化を起こすことができる。まるで微生物のように。

この企画がこれから始まる未来の「発酵スターター」になるといいなと思っています。

小倉ヒラクより