Month: 1月 2020
2020年は、「信じる」を失わないための足元確認の年だ。
もう10年近く続けている恒例の書き初めブログ。 毎年「今年はこんな感じの1年になるのではないか…」ということを書いているのですが、年々書くのが難しくなっている。 それはなぜか。 社会の状況が不透明で複雑になっているのもあ […]
【47 Hakko Kagoshima】鹿児島のなり Nari 〜飢饉対策の切り札トロピカル麹の衝撃〜
飢饉対策の切り札トロピカル麹の衝撃 鹿児島の南、奄美諸島は台風や異常気象による飢饉が度々発生する。災害の備えとして、島に自生するタンパク質やでんぷんの豊富なソテツの身を、空気と水にさらして中毒成分を抜き、麹にする。この麹 […]
【47 Hakko Tokyo】東京のくさや Kusaya 〜もったいない精神がガラパゴス進化を遂げた珍食の代名詞〜
もったいない精神がガラパゴス進化を遂げた珍食の代名詞 伊豆諸島新島名物、スゴい臭いの発酵干物。江戸時代から絶えることなく継ぎ足されている秘伝の「くさや液」にアオムロやトビウオなどの青魚を浸し、野外で干す。最大の特徴は独特 […]
【47 Hakko Okinawa】沖縄の豆腐よう Tofuyo 〜秘伝の琉球宮廷レシピが名産品に南アジアの発酵チーズ〜
秘伝の琉球宮廷レシピが名産品に南アジアの発酵チーズ 泡盛とセットで楽しむ、甘くて美味くてお酒っぽいウォッシュチーズ状の発酵珍味。島豆腐を納豆状にしたものを、水のかわりにアルコールでつくった塩麹に漬けるという、中国南部から […]
【47 Hakko Aogashima】青ヶ島の青酎 Aochu 〜原料も微生物も自給自足火山島のおたのしみ〜
原料も微生物も自給自足火山島のおたのしみ 八丈島よりさらに南、人口わずか160人の青ヶ島には焼酎文化のルーツを感じさせる焼酎文化がある。麦にオオタニワタリという熱帯植物をかぶせて黒いカビをつけて麹にし、そこにサツマイモを […]
【47 Hakko Shiga】滋賀のフナのなれずし Funa Narezushi 〜琵琶湖の水で生まれた寿司文化の源流〜
琵琶湖の水で生まれた寿司文化の源流 フナの内臓を取り除き、米を詰めて長期間発酵させることで柔らかく溶かしていく発酵珍味、なれずしの代表格だ。単なる魚の塩漬けに、米を媒介とした乳酸発酵の酸味が加わり、保存性も強く風味も奥深 […]
【47 Hakko Nagasaki】長崎のせん団子 Sendango 〜千の手間をかけて芋を越冬させる、奇想の島発酵〜
千の手間をかけて芋を越冬させる、奇想の島発酵 土地のほとんどが山間地で、稲作が困難だった対馬ではサツマイモが主食として重宝された。しかし南国の作物サツマイモは対馬の冬の寒さに耐えきれず腐ってしまう。サツマイモを越冬させる […]
【47 Hakko Kagawa】香川の醤油 Shoyu 〜木桶の伝統が未来の多様性を生む小豆島の醤油文化〜
木桶の伝統が未来の多様性を生む小豆島の醤油文化 瀬戸内海に浮かぶ小豆島には、一つの島のなかに21もの醤油蔵がある。中世から盛んだった製塩業を発展させ、日本有数の醤油の生産地となった。大豆と麦にカビをつけた麹を塩水に漬け、 […]
【47 Hakko Ibaraki】茨城の水戸納豆 Mito Natto 〜鉄道開通とともに幕を開けた納豆大国の歴史〜
鉄道開通とともに幕を開けた納豆大国の歴史 茨城は水戸を中心に20以上の納豆メーカーが集まる納豆大国。その歴史は1889年、水戸鉄道(常磐線の前身)の開通とともに始まる。水戸藩士、笹沼五郎が仙台で納豆の製造法を学び、駅のホ […]
【47 Hakko Fukushima】福島の三五八漬け Sagohachizuke 〜麹大国のフェーバリット漬け床〜
麹大国のフェーバリット漬け床 福島の会津若松の郷土名物、塩3:米5:米糀8の割合で混ぜて漬け床をつくり野菜を漬けていく「麹漬け」の代表格。甘味や旨味がたっぷり、ぬか漬けほど手入れが難しくない三五八漬けは、各家庭で日常的に […]
【47 Hakko Kyoto】京都のしば漬け Shibazuke 〜山間に吹く風が育てた京の漬けもの〜
山間に吹く風が育てた京の漬けもの 京都市内を北に上った大原地区で伝統的につくられている、赤紫蘇の葉と大原で取れる夏野菜のナスでつくられる乳酸発酵食品。塩が少ないのでアッサリして上品な味、かつ赤紫蘇のピンク色が鮮やかな京ら […]
【47 Hakko Osaka】大阪の守口漬け 〜戦国大名が見出した、なにわのローカル漬物〜
戦国大名が見出した、なにわのローカル漬物 大阪のベッドタウン守口が中世、農村だった頃。淀川沿いの湿った土地で守口大根というゴボウのように細長い大根を栽培していた。苦くて辛いその大根を酒粕漬けにしたものを、ある日、守口村を […]
【47 Hakko Nara】奈良の奈良漬け Narazuke 〜古代から受け継がれる漬物文化の最高峰〜
古代から受け継がれる漬物文化の最高峰 日本史において最も早い時期に登場する由緒正しい漬物。平城京の時代から朝廷への貢物として重宝されていたようだ。ウリやナス、ひょうたんなどを酒粕のなかに漬け込んでいく。特筆すべきは、食材 […]
【47 Hakko Gunma】群馬の焼きまんじゅう Yakimanju 〜待つ喜びが詰まった、群馬のソウルフード〜
待つ喜びが詰まった、群馬のソウルフード 群馬といえばまんじゅう。このまんじゅうは甘酒を種とする立派な発酵食品だ。甘酒状の酒種を酵母でブクブク発酵させ、それを小麦粉と混ぜてパン種のようにし、焼くのではなく蒸す。フワフワのま […]
【47 Hakko Kanagawa】神奈川のくずもち Kuzumochi 〜川崎大師のめでたい発酵菓子〜
川崎大師のめでたい発酵菓子 川崎大師から葛飾にかけて珍しい発酵くずもちの文化がある。関西のくずもちはその名の通り葛粉を使うのだが、関東のくずもちは小麦粉を水にさらして長期間乳酸発酵させ、デンプンを取り出す。取り出したデン […]
【47 Hakko Hyogo】兵庫の清酒 Seishu 〜肉体労働の疲れを癒やす 力強く澄み切った酒〜
肉体労働の疲れを癒やす力強く澄み切った酒 麹を水に溶かした甘酒を発酵させたどぶろくが「日本酒」として革新を遂げたのは兵庫の播磨や灘において。①雑菌の少ない冬の時期に②野生の乳酸菌を呼び込んで腐敗に強い酒母をつくり③大きな […]
【47 Hakko GIfu】岐阜のアユのなれずし Ayu Narezushi 〜まるごと醸す、川のテロワール〜
まるごと醸す、川のテロワール 岐阜の長良川周辺の食のシンボルは鮎。鮎のなれずしは子持ち鮎を内蔵と卵を取り除かずまるごと漬ける。出来上がったなれずしには内蔵由来の臭みが無く、酸味が少なく澄んだ旨味が特徴。これは鮎は昆虫など […]
【47 Hakko Oita】大分のうるか Uruka 〜鮎でつくるブルーチーズ城下町のまるごと塩辛〜
鮎でつくるブルーチーズ城下町のまるごと塩辛 大分の天領(天皇の直轄地)、日田は瀟洒な川の街。付近で獲れる鮎を塩辛にしたものがうるかだ。通常うるかは内臓だけを使うのだが、日田では細かく刻んだ身も一緒に漬けこむ。発酵作用によ […]
【47 Hakko Hiroshima】広島の米須 Komesu 〜西の海運を制した尾道の産業基盤〜
西の海運を制した尾道の産業基盤 江戸時代までの伝統的なお酢づくりは、日本酒をベースにつくられる。酒に酢酸菌という微生物を増殖させてアルコールを酢に変える。魚などの保存食をつくるために日本全国で重用され、酢の生産の普及とと […]
【47 Hakko Mie】三重のたまり醤油 Tamari Joyu 〜旨味の首都の味覚を支える、縁の下の力持ち〜
旨味の首都の味覚を支える、縁の下の力持ち 豆味噌の桶から滲み出てくる液体分を取り出したもの。濃厚で野性的なフレーバーの、パンチある調味料だ。東海醸造のたまりでは、八丁味噌のように隙間なく石を積まず、かわりに酵母類などの微 […]
【47 Hakko Aichi】愛知の八丁味噌 Hatchomiso 〜味噌汁の味は、その土地のプライド〜
味噌汁の味は、その土地のプライド 岡崎市の八帖地区で400年以上継承され、愛知はじめ東海地方で愛されている個性的な味噌。蒸した大豆にカビつけして豆麹にし、そこに塩水を加え味噌に醸していく、韓国のテンジャンなどと共通する大 […]