「弱さ」を相談できる場所を作りたい。

 写真中央は、++オフィスのお隣の和菓子「紫屋」の旦那。年越しのお餅をもらいました。

明けましておめでとうございます、ヒラクです。

今年の年越しは、「特別っぽいことすると、身体にこたえそう」と思ったので、インターネットもテレビもラジオもつけず、10時に寝て起きたら年が明けてました(←初日の出見る!とか意気込むと熱出そうだから日が登り切るまで布団から出ず)。
思えば、東京で年越しを迎えるのは10年ぶり。一人で過ごすのは物心ついてから初めてかも…という体験だったんですけど、この淡々とした感じ、けっこうイイなと(年末はイベントが多かったしね)。

てなわけで。
年越し布団のなかで考えていたことをノートします。

仕事において「弱さ」とどのように向き合うか。の続き

このエントリーで取り上げたトピックスなんですけど、「弱さ」をどうやって「社会生活の前提」にするのか。
(「えっ…?当たり前じゃん」と思うかもしれませんが、仕事においても人間関係においても「弱さ」は前提になっているとは言いがたいのよ)

えーと。
分解してみると「弱さ」と定義しているものにはいくつかレイヤーがあります。

1つは、病気だったり怪我だったり、「いつもの状態に復帰できない」というコンディションの問題がある。
で、別の要素として「自分がどうすべきかを明確かつ即座に決められない」という意思決定の問題がある。

前者は、「人間生きてりゃそういうこともあるよね」という不可避的なコンディションを指します。
で、後者は「自分の道は自分で決めたまえ」的な正論が飛んできそうな、その人の人格の強弱を指す傾向がある。

ざっくり言えば,仕事においての「弱さ」ってコンディションと人格/意志の複数の要素があるわけです。

でね。

この2つ目の「自分がどうすべきかを明確かつ即座に決められない」という状態を自己責任としなくてもいいんじゃない?とヒラクは思うんですよね。
だって、人生の行き先ってけっこう「来た球打つ」で決まるんだもん(←特に自分)。

ここ数年で、ずいぶん働きかたの幅も広がりました。
起業するなり専門家としてフリーランスになるなり、企業のなかで自由に振る舞える雇用契約も増えてきた。

そういう状況になると、ある程度仕事の裁量を自分で決められるので、「コンディション」を自分でコントロールできる。
今日は具合悪いからお休みしよっと、とかね。
(↑を読んで「それは逆だろ、正社員で守られているから風邪で休んでも給料が出るし」と言う人、それはもしかしたら一面的な見方かもよ。「今日熱で会社行けないんです…」ということを「申し訳ない」と思ってしまう時点で精神にダメージを喰らっているのですよ)。

でも、そういう働き方って結局「つよい意思決定ができる人」、「専門技術がある人」しかできなくない?
ってな話になる。

意思決定は自己責任なのか?

人は長い人生のなかで、身体的にも精神的にも不調に陥る。自分が不調に陥らなくても、親やパートナーや子どもが不調になったときに、そっちにウェイトを置きたい時期がある。

そういうものを「是(=自分のキャリアに織り込める)」とできるのは、意思決定に優れた「つよい人に限る」という状況は根本的な問題解決にならないな〜と思うんですよね。

昨今の「働きかたブーム」は、意思決定力のあるセルフスターターな人たちに火を付けたかもしれない。
自分で自分の仕事をつくる人たちがミドルメディアで頻繁に取り上げられるので「時代は変わった」的な空気が醸成されているかもしれないけど、そういう人たちが20〜30代の80%を占めるようになったかというと、全然そうでもない。

僕にとっての「弱さとどう向き合うか?」という問いは、「どうやって自分の夢を叶えるか?」みたいな自己実現系のイシューではなく、「好不調の波がある人生のなかで、いかにして幸せにサヴァイブするか」という現実的な話なのです。

「アントレプレナーシップ」とか「次世代のリーダー」をどうのこうの…という話に僕はあんまり興味が持てない。ポイントは、格別強くも弱くもないボリュームゾーンの問題にどれだけ解像度高く向き合うか、ということなのだと思うのよね。

自分で独立したり起業したりしたいわけじゃない、という人において、「弱さ」をどのように前提とするのか。

『自分の好きなようにしたければ、強くなりなさい』という説教ではなくて、「ではどうしたらいいのか」という相談ができる環境はどうやったら作れるのだろう…?と最近もやもやと考えたりしているのです。

「導く」じゃなくて「相談する」ですよ。

というわけで結論。
今年ヒラクが取り組みたいと思っているのは人の意思決定を助けるチームプレイのあり方です(←さっさと結論を言えよ)。
コンディションの問題はもちろん、「ワタシはどうしたらいいのか」という意思決定の問題も相談&解決できるコミュニケーションの土台を考えてみようかなと。

それはなぜかというと、ヒラクが正に「困ったら、人に聞く」性格なのがひとつ。
あとは、「生来のリーダー資質じゃない人の力を引き出す」ことが、チームのブレークスルーを引き出す鍵なんじゃないか…という直感です。

その時のポイントなのが、「答えを導く」じゃなくて、「相談する」ことね。
「答えはよくわからんが、論点を一緒に考えてみよう」というやり方。

僕の持論。
人は自分の行き先を自分で決めることができる。
でもそれは、自分ひとりですることではなくて、誰かを自分の「合わせ鏡」として使うことで、答えを出せる。

だから、「どう思う?」と相談できる場所をつくることが、「弱さ」と良い感じに向き合えるチャンスを作ることになる(と僕は思う)。

 

(モヤモヤした新年のエントリーになっちゃったけど、さらに次回に続く!)