『豪族2.0』〜中央を離れ、理想のクニをつくる実力者が生まれる

▶︎ 読みもの, 発酵あれこれ, ▶︎ よく読まれている記事,

ふらりと山梨の我が家に遊びに来たタルマーリーの格さん。豪族2.0の代表格。これからの社会のカタチについてワインを飲みながらたくさん話しました。

greenzの取材を受けました。
いつもの「発酵」の話でもなく「ソーシャルデザイン」の話でもなく、「これからの日本のカタチ」というスゴいお題。僕なりに「これからの日本は動乱の時代になる」ということを予測したうえで「脱中央化」と「自分で何でもつくる」ことの重要性を話しました。

以下、取材してくれた平川さんの編集のネタ出しも兼ねて、僕なりに思っている「これからの社会のカタチ」をノートしておきます。ふだんは「当たるも八卦当たらぬも八卦」的スタンスで未来予測をしているが、今回のは「かなりの確率で当たる」モデル。
それではお時間あるひと、どうぞご一読あれ。

天下泰平から動乱の時代へ。

まず前提として「天下泰平の世」が終わりを告げます。
そして「動乱の時代」に移っていく。今僕たちがいるのはこの二つの「移行期」です。

天下泰平の時代は「一箇所にみんな集める」と「分業化する」というモデルが標準になります(←1つのモデルを最大化する)。対して動乱の時代は「分散化」と「自分で何でもやる」が標準になる。

なぜそうなるか。理由は主に2つ。
一つはエネルギーや水や空気、安心して食べられるものやセキュリティなどのコストがものすごく高くつくか、あるいは自分で用意するしかない状況になる。
もう一つは、経済や共同体をマネージメントしていくための仕組みを作り直す必要が出てくるのだけれど、狙い撃ちで成功するわけないので、いっぱいトライアルをやる必要がある。

「分散化」は生きるためのインフラを確保するために、「自分で何でもやる」は全体性を備えた小さなモデルをいっぱいつくるための最適解になる。

キーワードは「豪族2.0」だ!

ということで。
東京の港区や渋谷区あたりがシンガポールみたいにメガロポリス化していくのを例外として、人やモノが地方に向けて分散化していく。それは「丁寧に暮らしたい」とかいう「ライフスタイルの問題」じゃなくて「生き延びる道を試行錯誤する」ための最適解なのね。「素敵に暮らす」以前の「なんとかしてサヴァイブする」という事と真剣に向かい合わざるを得ないのが「動乱の時代」の特徴です。

今この状況で、地方に行って事業を立ち上げるというのは「自分らしく暮らしたい」とかではなくて「理想のクニを作りたい」ということ。なので、「自分探し」をしたい人は地方に行くべきではなく、東京や大阪でマネージメントができる優秀な人こそ「自分の旗を掲げる」ために地方へ行くのがいい。
(会社の中の組織作りにかける情熱とスキルを、地域にぶっこんでクニをつくる)

大きな政治は「グローバルスタンダードな勝ち組国家」のモデルを推進しようとしますが、壮大にコケるでしょう。対して地方から「他にはマネできないユニークなサービス/プロダクト」の発信があり「日本全体としては下り坂だが、局所的には盛り上がる」現象が頻発します。これが地方豪族の進化系「豪族2.0」と呼ばれる人たち(←呼ぶのはヒラクしかいないが)の台頭です。
イチ企業にとどまらず「クニ」というものを経営するというチャレンジに情熱を燃やす青年たち。深い懐と幅広い人種に共感することのできる「真の実力者」は、中央から離れた場所からあらわれてきます。
(そして東京では、特定の拠点を持たないIT企業が国家の規範をはなれた形態で世界に飛び出していく「海賊」として力を持つ)

かつてゲストハウスをやっていた時の経験からわかることは、「ローカルな価値は他国のローカルとつながることができる」ということ。ローカルは双方向性(インタラクティブ)なのです。対してグローバルスタンダードには「勝者による価値の押付け」しかない。単方向性なのです。単方向性の勝負において日本にはチャンスは無い。僕たちのサバイバル術はローカルに徹すること。

多様性とは「すべての人がすべてのことを理解し許し合う社会」ではなく、「理解を超えた現象が連発する」ということであって、とてもウィキッドな状況です。僕たちがこれから直面する現実は多様性を良しとする社会ではなく、大量のノイズのなかで生き延びる方法を他者とともに発明する時代なのです。

…と考えていくと、これから僕たちが目指すのは、豪族か海賊か。
おお、なんか楽しそうな世の中だな。

© 2023 All Rights Reserved