BRUTUSの最新刊『危険な読書』で僕のインタビューと選書3冊が掲載されています。
なんと、特集巻頭の最初の記事で。マジですか!?
思想を込めたアクションは可能なのか?
ニートブロガーのphaさんや家を背負って歩く現代美術家の村上慧さん、謎のファッションブランド「途中でやめる」の山下陽光さんとならんで「ポリティカルな読書のススメ。」というコーナーに登場しました。お題にあわせてハードコアな三冊を選書したぜ。
詳しくは本誌を読んでほしいのですが、僕の言いたかった事を要約するとだな。
民主主義的な啓蒙によって政治が動く国家とそういう前提を持たない国家の両方があり、後者においては思想(言論)そのものでは政治を動かすことができない。ではどうするかというと、生活感に根ざした具体的な実践に「メタメッセージとして」思想を込めるという方法論になるのでは…という見立てです。そのためにドラッカーによるファシズムの分析と、人間中心の思想が生まれた気候風土と食糧供給の問題、そしてインドの独立運動の3つをあわせて論じました。
僕個人の所感でいえば、日本の現状は全体主義に染まった戦中のヨーロッパよりも同時代に傀儡政権の矛盾に苦しんだインドに近いのではと思っています。僕たちの世代がローカルで挑戦している生き方は「思想を込めたアクション」になりうるのでしょうか?
改めてBRUTUSスゲぇ!と思いました
内容が濃すぎて全部を読み込めてはいないのですが、特集全編に渡って濃すぎる企画がてんこ盛り(個人的には春日武彦さんの記事がツボでした)。そもそも僕のようなイロモノのインタビューが巻頭にくるあたり「おおお、めちゃ攻めてる…!」と感銘を受けました。
いまどきカルチャー誌なんて何の意味があるのかしら?とシニカルになっていたヒラクですが、今回のBRUTUSの特集には脱帽するしかねえ。みんなお正月にこたつ入って熟読しよう。
あとね。取材にあたって編集チームが山梨の我が家に来てくれたのですが、編集の伊藤さん、カメラマンの田付さん、ライターの井手さんそれぞれ素晴らしい仕事ぶりで感動したぜ。とりわけライターの井手幸亮さんのライティングは、取材後に僕の選書3冊をきちんと読み込まないと書けない構成で、プロの心意気を感じました。
いい雑誌を読むと、アタマに気持ちのいい風が吹いてきます。BRUTUS編集チームの皆さまどうもありがとうございました。
朝イチで12/15発売のBRUTUSの読書特集の原稿確認。おおお…自分が「こういうこと言いたかったんだ!」という文章が僕の話したことよりも僕っぽい感じでまとまってしかもちゃんと構造化されてる。編集部とライター井出幸亮さん、雰囲気ありすぎの写真を撮ってくれた田付勝さんに朝から激リスペクト…!
— 小倉ヒラク (@o_hiraku) 2017年11月30日
【追記】ちなみにCASA BRUTUSの新号『生きた方を変える本』にもレビューが掲載されているようです。おおお…!