Published on 2018年4月17日
自分のなかに「良い読者」を育てる。
最近はずいぶん文章を書く仕事が増えました。
で、その時にいつも気をつけていることがあります。
「書く自分」の前に「読む自分」を育めているか。
何か文章を書いた時に一番最初にそれを読むのは自分自身。自分という最初の読書のレベルが自分の書くもののレベルを決める。だから上等なものを書くためには、自分のなかに「上等な読者」がいる必要があります。
でもさ、書く訓練より、読む訓練のが難しいんだよね…!
その理由としては、書くことには仕事として対価が発生する可能性があるのに対して、読むことには対価が発生しないから。
「読む」というのは「120%の好き」からしか発生しない。
でもほら、誰にも求められない「好き」って現代における希少資源だもんね。
見返りを求めない「好き」からしか表現のセンスを育てることはできない。
良いものをつくりたい!と思ったら、良いものにたくさん触れる時間を持つことが大事。日本はありがたいことに文章でも食でもデザインでも知恵を絞ればお金ない若者でもアクセスできる回路があります。数百円あれば、叡智が詰まった古典の本が買えるし、美術館や博物館のアーカイブにたっぷり触れることができるし、こだわりの飲食店の定食を味わえる。