「てまえみそのうた」は、僕の著書ではありません。☆絵本誕生のストーリーを公開します!☆

 

SHIBAURAハウスで行われた出版記念「みそみそワークショップ」の様子。キュ、キュートすぎる…!

絵本「てまえみそのうた」が出版されました。

関連イベントやワークショップでドタバタしていて実感が湧かなかったんだけど、じわっと喜びがこみ上げてきています。嬉しいぜ〜!

でね。この絵本、著者として「小倉ヒラク」と入っているのだけど。

この本は、僕の著書ではありません。

著者名に「小倉ヒラク&コージーズ」とありますが、本体は「コージーズ」なのですよ。

というわけで、今日のエントリーは、絵本のできる経緯を改めてメモ。

始まりは、全国の保育園や小学校、食と農業に関わる人たちの願いから。

北杜市の保育園でのイベントの様子。いい年こいた大人たちは暑くてバテましたよ…

今から2年前に味噌屋の五味さんやシンガーの森ゆにちゃんと自主制作したアニメ「手前みそのうた」。

そのアニメを知った山梨県北杜市のスーパー市役所マン、浅川さんが北杜市の保育園や小学校で「うたっておどるみそづくり」の食育プログラムを実現させてしまったことから今回の絵本出版のストーリーが始まります。

北杜市での授業がはじまってからしばらくして、NHKの「今日の料理」で大きく取り上げられ、それを見た別のディレクターさんが今度は「おはよう日本」で特集し、今まで超ローカルコンテンツだった「手前みそのうた」が色んな人に知られることになりました(ヒラクの中学の同級生から連絡来たりしました)。

※ちなみにそこまでの経緯は、去年書いたこのエントリーから。「おはよう日本」の現場レポートもあります。

 

 ……さて、それからどうなったかというと。

「プルルルル…、プルルルル…(←電話のなる音)」

「うちの保育園でも、手前みそのうたのワークショップをやりたいです!教材はありますか? 」

「えっと、ありません。自主制作なもので」

「そうなんですか……」

「もしよろしければ、CDかDVDを焼いてお送りしましょうか?」

全国の心ある保育園や小学校、農業団体の皆様の願いに応えなければ!と、自前でアニメのCDとDVDと楽譜を内職して、一つひとつ手作業で発送することを始めたんですが、けっこうな件数の問い合わせに対応しているうちに、

これは本気で教材にするしかない。(しないともう限界…)

という結論に辿り着いたんですね。

農文協との出会い

それが去年の春ごろのこと。

で、ちょうどそのタイミングで「農文協」という出版社とのタイムリーな出会いがありました。

浅川さんが北杜でぐいぐい展開しまくっていたプログラムを「のらのら」という雑誌で特集にしてくれたんですね。

で、取材中の空き時間に

「あの〜、実はかくかくしかじかで、教材にしたいと思っているんですが」

と編集の加賀美さんにつぶやいたところ、

「じゃあ、企画書持ってきてください」

ということになり、でも本の企画書なんて書いたことないし…

と途方にくれていたところに、++の共同代表安田さんと仲良しの絵本編集者、岩井さんがあらわれ、いつの間にか企画ができあがり、いつの間にかその企画が通り、いつのまにか「本を出すぞ!」という流れになっていました(いやあ、ビックリだよね)。

味噌屋の旦那が、「うちのみそより、手前みそを伝えたい」と男前に宣言した件。

てなわけで、編集の岩井さん&デザイナー亮子さんの辣腕で気づいたら怒涛のように絵本の制作が始まっていたわけなのですが。

本って、著者名を付けなきゃいけないじゃないですか(詠み人知らずというわけにもいかないし)。

でね。「手前みそのうた」って、チームプレイでできているわけだし、かぐれ表参道のイベントにちなんで「コージーズ(←麹にかけてる)」という任意団体を著者にしようとしました。

なんですけど、「個人名が入らないと売りづらい」ということになり、困ってしまったんです。

可能性は3つ。

五味の旦那(企画監修)か、ヒラク(企画制作)か、ゆにちゃん(作詞作曲&うた)。

で、ゆにちゃんはあくまでのこのアニメはサイドワークだから無し。

となると、順当にいけば五味さんかな…と思ったんですが、

「僕の名前が前に出ると他の味噌屋が使えない」

と言って若旦那は辞退したわけですよ。

いやあ、カッコいいよね。

そんなわけで、最終的に「小倉ヒラク&コージーズ」に着地したわけです。

「…で、ヒラクくんは何が言いたいんだね?」

「はい。僕の名前はあくまで『代表として』ということで、僕の著書ではないんです」

「それじゃなにかね、この絵本はチームプレイと出会いの産物ということかね」

「はい!そのとおりです( ー`дー´)キリッ」

おしまいに、「てまえみそのうた」の紹介とこれから。

では最後に、このうた&アニメ&絵本のライセンスと紹介について。

えーと。

まず、「手前みそのうた」のアニメと歌は「お味噌と発酵醸造文化、及び郷土料理の素晴らしさ」を伝える目的であれば、どなたでもご利用できます。

お味噌づくりのワークショップや、各種食育プログラムにご利用する場合は、事前の使用許可はいりません。どうぞ地域の郷土食と子どもたちの未来のために自由に活用ください。

※ただし、特定企業・団体の営利目的の利用については権利者と相談の上、可否を決めさせて頂きます。

絵本については、コピーライトがありますので、絵本の内容の無断転載等はお控えください(←でいいんですよね、加賀美さん?)

あとちょっと宣伝なんですけど、この絵本にはスペシャルDVDが付いています。

「みそダンス」を振付したダンスユニット、flep funce! による実写版「てまえみそのうた」の実演映像と、超丁寧な振付レクチャーが収録されています。

しかも!サビだけではなくてメロ部分も含めたコンプリートみそダンスの振付を網羅。

お遊戯会でもワークショップでも、このDVDさえあれば子どもたちと楽しく一緒に歌って踊れます。

さらにさらに!弾き語りもできる楽譜付き!コード譜もついていますので、ギターでもウクレレでも伴奏できます。

レクチャー映像と楽譜は、絵本のみの超絶スペシャル特典となっていますので、「ワタシも振付コンプリートしたい!」「ピアノ伴奏しながら子どもとうたって踊りたい!」という方は、全国の書店 or ネット書店へGO!(←ちなみに吉祥寺のパルコブックセンターには置いてありました。)

そして噂によると、10,000部の売れ行きが見えてきたら、続編もあるかも…(その際には、酒屋のTさんや、醤油屋のJくんも新たに協力してくれる予定)。続編も気になる!という方は、ぜひご協力ください。

通販もできる特設サイトはこちら

はい。

そんな感じで二年半の時間をかけて、たくさんの人の力が微生物のごとく集まって、「てまえみそのうた」が醸されていきました。

この絵本がきっかけになって、また子どもたち(&大人たち)に、郷土食と発酵醸造文化の素晴らしさが受け継がれ、実践されていけば幸いです。

関わってくれた皆さま、そして本を手にとってくれた皆さま、どうもありがとう!

Published by

小倉 ヒラク

発酵デザイナー。1983年、東京都生まれ。 「見えない発酵菌の働きを、デザインを通して見えるようにする」ことを目指し、全国の醸造家や研究者たちとプロジェクトを展開。下北沢「発酵デパートメント」オーナー。著書に『発酵文化人類学』『日本発酵紀行』など多数。