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知的基礎体力。ものごとを続けるために必要な力。

「知的基礎体力」というものがある(と仮定しよう)。

「知的である」ということを評価する時によく使われる表現として「頭の回転が速い」とか「頭が切れる」なんかがある。これって、車でいうと「時速300キロ出る」とか「加速が超すごい」みたいな感じ(僕、車運転できないけどね)。

けれども。
実際日々の生活のなかで評価される車の性能というのは、「速さ」だけではない(運転できないけど勝手に断言)。実際的に大事なのは、「いつも安定して走る」とか「故障しないで20万キロぐらいいける」とか、「あんまり揺れない」とかじゃなかろうか。

では話を戻して、「知的基礎体力」が何かというと。
「考える」ということにおいて「安定している」から、したがって「長い距離を走れる」ので、結果「遠くまでいける」し「継続的に役に立つ」ことができる力だと思うんですね。

事業を続けることは、「知的基礎体力」を鍛える

えーっと、何の話かと言いますと、クラシコムという会社をやっている青木さんという人のこと。
GWのはじめにオフィスに遊びに来てくれたのですが、話しだした瞬間、この人すげー基礎やってきたな!!とビシバシ感じさせる人だったんですよ(若輩者のヒラクが言うのもアレなんですけど)。

聞けば、青木さんは自分の会社を起こして8年ほど。
北欧、暮らしの道具店」という素敵なECサイトを運営しつつ、最近はさらに新しい事業を展開しようとしているそう。やっていることのセンスフルさからは及びもつかない「骨太経営者」だったわけですが。

意外に思われるかもしれませんが、「頭の回転の速い人=一見して頭の良い人」はたくさんいます。
なんだけど、「長いあいだ思考の基礎を鍛えてきた人」はあんまり出会えない。

この違い、どこで分かるかというと「引き出しの過剰さ」と「しつこさ」なんですよね。
ポイントは「偏執的なまでに過剰であり粘り強い」というところで、「これぐらいのバリエーションを持っておけばリベラルアーツ的に合格っしょ(←わっ、ヘンな日本語)」な優等生的バランスを逸脱しているところです(逸脱しているんだけど、物腰は柔らかいので本格的に話しだすまではバレない)。

なぜこのような資質が形成されるかというと、恐らく2つの条件がある(と仮定)。
一つは、小さい頃からの読書なり、知的基礎体力の高い大人との対話なりを積み上げてきた経験。もう一つが、その知的経験を自分の仕事に実践としてフィードバックすること。この2つが合体することにより、「小さい頃から積み上げたものごとを考え続ける能力」を存分に自分の仕事にぶっ込むので、自分の仕事の成果から発生する現象について「この成功は何を意味するのか」「この失敗は何に起因するのか」ということを24時間考えまくる。
そういうことを何年も何年も繰り返しているうちに、いつしか常人ならざる者になっている(と、他の人には見える。基本スポーツ選手とかと一緒だよね)。

速攻で結果を出すことよりも、継続しながら高みを目指すほうが難しい。

こういう人と話していると感じるのが、「どれだけ飛躍した話をしようとも、実は無駄なパーツがない」ということなんですね。
いや実際は無駄球も投げているんだけど、話全体を通してのテーマがブレないから、どこかのタイミングでその無駄球が返ってくる(←抽象的な例えですまない)。普通は「ここまで逸脱したら、もうあきらめて別のこと考えよっと」となるところを、安易にあきらめない。で、折を見て話の本筋をつかまえて最初の論点に戻ってくるわけですよ。当初より斜め上のクオリティーで。

単に「頭の回転の速い人」は、ものごとを高速でジャッジしたりまとめたりするのは得意なんだけど、こういう「じわじわとスパイラル状に論点を高みに持っていく」ことはできない(しつこくないから)。

……と書いたところでわかった。
やっぱりこの「基礎体力」って、事業を続けていくのに大事だわな。
いやほら、事業をやるのって、継続力が大事なんですよ。「秒速で1億稼ぐ!」のもスゴイけど、実は「じゃあ1億稼いだあとどうすんの?」ということが問題になってくる。

会社を立ちあげてみてわかったんだけど、例えば「稼いだお金の使い道」って、答えがないんですよね。
人に投資するのかモノに投資するのか、はたまた未来を見据えて新しい事業に投資するのか。誰も正解を教えてくれないし、そもそも正解なんてない。だから、考え続けることから逃げられない。

となるとだ。速攻で答えが出ないことを考え続けるには、わからないことを考え続けること自体が遊びだった「ちっちゃいころの自分」の力を借りるのが良いのかもしれんね。

青木さん、どうもありがとうございました。とっても刺激的な出会いでした。近々僕のほうからも「企みメール」を送りますね。

 

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