ワインのローカル進化系。甲州ワインを巡る旅<2016初夏>

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今週平日は、東京から友だちを招いての甲州ワイン巡りツアー@勝沼&塩山。
参加者は、蔵前の玄米レストラン『結わえる』のオーナー荻野さん&田口さんペアと、味噌とこうじの絵本をデザインしてくれた亮子さん、そして僕の発酵ユニフォームをつくってくれたファッションブランドenricaの町田さん。

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ワイン好きが集まったので、お昼からワインをしまくり。ちなみに僕は運転手なので飲みませんでした。

甲州ワインの面白さ

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甲州のスモールワイナリーの理想形の一つ、キザン洋酒。

山梨で僕が引っ越したのは、勝沼・塩山エリア。
ここは日本一のワイン産地で、人口27,000人くらいの街に60件くらいのワイナリーが集まっています。

僕が山梨に通い始めるようになって驚いたのが、ワインが文化として根付きまくっていることでした。夕方、知り合いの家を訪ねると、ステテコ姿のおじちゃんがナイター見ながら湯のみでワインを飲んでいる。そして酒の肴はマグロのぶつ切り(山梨は海がないコンプレックスのせいかマグロを消費しまくる)。

老若男女が日常的に飲む「葡萄酒」の文化が根付いているおかげで、値段もめちゃ安い。
特徴的なのは「一升瓶ワイン」で、ワインボトルがない明治時代に日本酒のビンに詰めた歴史がいまでも残っています。で、安いヤツだと一升瓶で1,500円とか。チリワインもビックリのコストパフォーマンス(←しかもちゃんと美味しい)。

で、甲州ワインの特徴は昔から地元で栽培していた食用ブドウを使ってつくること。甲州(白)やマスカットベリーA(赤)など、海外のワインではお目にかからない品種を使ってワインを醸造します。その結果できあがるのは山梨の郷土料理によく合うワイン

仲良しのマルサン葡萄酒の若尾くん曰く、「白ワインはもちろん和食に合うし、赤ワインはそうねえ、焼き鳥とかと合わせて旨いように作ってる」とのことでした。なるほど…!

フランスやイタリアのワインを模倣するのではなく、あくまで自分たちの食生活にフィットするように進化したユニークかつカジュアルなお酒、それが甲州ワインなのですね。

家族経営のワイナリーの哲学

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四代続く家族経営のワイナリー、三洋醸造で試飲天国。醸造家の山田さんのキャラがいい!

東京で手に入る甲州ワインのほとんどは、比較的大きめのワイナリーのもの。
勝沼・塩山地域には家族経営でやっている生産量50,000本以下の小さなワイナリーがけっこうあって、僕がふだん飲んでいるのはこういうの。

家族経営のマイクロワイナリーは、基本的に地元で消費されるのを前提としているので、ローカルの食文化に最適化している。山梨は食に関してはけっこう保守的で、昔から食べられてきたものが食卓に並ぶ。

つまり何が言いたいかというと「普段飲んでいる海外のワインとまっっっったく違う味わいのワイン」ということなんですね。150年の歴史を持つ甲州ワインは、もうすでに「山梨のローカル文化」になって、独特の進化を遂げているわけです。

ぶどう畑の広がる景色を眺めつつ、郷土料理と一緒に甲州ワインを飲む。
「ワタシもそれやりたい!」という人は、勝沼・塩山地域にどうぞお越しください。

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朝日洋酒(ソレイユワイン)の鈴木さん夫妻と。たまたま余っていたワイン樽、『結わえる』に引き取られることになりました。楽しかった―!

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