地域起こし協力隊が、ブログを頑張った方がいい理由。
最近、地域おこし協力隊の皆さまからメッセージが届く。デザインの仕事で地方に出張する時も会いに来てくれたりする。
「地域おこし協力隊業界」において、なぜかニッチに知られているらしい、自分。
さて、全国あちこちで活動している地域起こし協力隊の皆さま、自治体によって活動の範囲は様々だと聞きました。行政の理解とやる気によって、まあできることは変わってくるよね。
でね。土地の環境の良否に関わらずみんなが実践できる有益なことを提案したい。
それはブログを頑張ることであるよ。
その土地で暮して感じたことを、表現する。あるいは、ここでしかないような不思議や風習や料理や祭りのディテールをアーカイブする。土地ならではのコミュニティのあり方や人間関係のしがらみを考察してもいい。
もうすでにやっている人も多いと思うが、「ただやる」のではなく「本気でやる」というのが大事。なぜならあなたのブログはその土地にとって貴重な「風土記」になる可能性があるからだ。
僕は日本全国あちこちでデザインのプロジェクトをやってきた。プロジェクトの前段はかならずリサーチになるのだが、小さなまちだととにかくテキスト資料が圧倒的に少ない(なので建築や食、祭器、郷土玩具などから文脈を読み解く)。その土地がどういう土地柄なのかは、数日の滞在ではわからない。聞き書きも大変な手間がかかるので、やっぱりある程度風土記、地誌が残っていることが望ましい。もし資料があったとしても、まず探し当てるのが難しかったり、判読不能なことがよくある。
日本における郷土文化の風化が進んでいくのは、アーカイブが整備されていないことが原因なのであるよ。
さてそこに登場した地域おこし協力隊の諸君。
せっかく一定期間その土地に住むのであるから、ぜひバラバラに散在しているアーカイブを編み直して、モダンな地誌=ブログに仕立ててほしい。それを読みたがっている人は、けっこういるんだよ(例えば僕とか)。
「地域おこし」というと、地場産業や観光の底上げ、という目的になりがちだけど、僕はもうちょっと長期射程のアクティビティがあってもいいと思う。その土地らしさという、文化的DNAを記録し、未来の誰かに向けてプレゼントする。
そういう「自分が生きているうちにリターンがあるかどうかわからないこと」に投資をしてみるのもまた大事な文化的営みなのだと僕は思う。
(それだけ長期的な取り組みなら、ほら、今生きてる人の利害関係にも関係ないしさ)
【追記1】地域おこし協力隊の皆さまからよく仕事の依頼のメールが来るのだけど、残念ながら今の僕にはそれにお応えできる余裕がありません(>_<)。ごめんよ。でも皆さまの活動はいつも応援してまーす。頑張ってね。
【追記2】「どうやってブログを頑張ったらいいか」については僕はお教えできないので(ブロガーじゃないから)、鳥井くんとかヒビノさんに聞いてください_| ̄|○