濃厚な色味の「ストック」としての味噌汁

【味噌】八丁味噌6・麦味噌4

【出汁】いりこ

【具材】芽ひじき・人参・玉ねぎ

味噌汁について、常々思うことがあります。

もっと色、濃くてもいいんじゃない?と。飲食店で出てくる味噌汁は、だいたいきつね色の淡白な味噌汁(米みそ&昆布出汁でつくってある)。

こういうお味噌汁は、その佇まいとテイストからして自然と「脇役」になる。

戦隊モノでいうと、イエローである。主役のレッドや、影のあるブラック、キャラ立ちのブルー、紅一点のピンク、そしてイエローってどんなヤツだっけ?

もちろんそういう「脇役」としての味噌汁も否定しない(というか好きだ)。けれども僕はもっと「主役」としての味噌汁にスポットライトを当てたいのだな。

ということでポイント。まずは色です。濃厚な深い茶色は「滋養ありまっせ」というメッセージを感じる。味噌の調合は八丁味噌と麦味噌の混合。コク×旨味のハードパンチである。

味と見た目に奥行きを出すために芽ひじきを投入し、器は北欧の器第二弾。ポットの形状をセレクト。

ここまでやってみると、脇役としての味噌汁ではなく、スープの濃縮系である「ストック」的な何か見えてくる。ここに白身魚なんかを投入したら、これは完璧に食卓のメインになりえそう。

濃い色の味噌汁の可能性、もうちょっと追求してみたいぞ。

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小倉 ヒラク

発酵デザイナー。1983年、東京都生まれ。 「見えない発酵菌の働きを、デザインを通して見えるようにする」ことを目指し、全国の醸造家や研究者たちとプロジェクトを展開。下北沢「発酵デパートメント」オーナー。著書に『発酵文化人類学』『日本発酵紀行』など多数。