Greenzの会員向け冊子の最新号に寄稿しました。
毎回めちゃくちゃ濃い内容のPeople’s Books、今回のテーマは『ほしい未来をつくる言葉』。
過去10年間の記事のなかから人気のあった名言を集めたアンソロジー。なんと、去年の「豪族2.0」の記事も取り上げてもらいました。
・キーワードは”豪族2.0″! これからは一旗あげるために地方へ行く。発酵デザイナー・小倉ヒラクさんが考える、今とこれからの日本のカタチ | greenz.jp
『今後はサバイバルする、生き延びるっていうことが僕たちの人生のテーマになっていきます。』
というのがピックアップしてもらった言葉。で、その補足として短い寄稿文を書きました。
続きが読みたい人は、ぜひgreenzの会員に申し込んでくださいね(←営業)。
そんでもって。
補足の補足をさらにブログにまとめておくことにします。
淡路はたらくカタチ研究島でもお話ししましたが、「これまで当然のようにあった公共のインフラやサービスが機能しなくなる」という時代がはじまりかけています。
その兆候として「富の再分配機能が激しく劣化する」という現象が起きています。戦後蓄積してきた国家の資本を、未来に投資するのではなく、むしろ未来を破綻させる方向につぎ込むという流れがしばらく続くのではないかと僕は思っています。
巨大な土木工事とか、エネルギープラントや軍需産業への投資とか、どう考えても無理ゲーな政策はOnce again 富国強兵!という『目的』より、再分配機能の劣化が引き起こした『結果』のように見えます。
green booksのコメントでも書きましたが「大きな経済の仕組みが崩壊してもなお生き延びるための知恵」がこれからの僕たちには問われてきます。「外部から生活を保証されない」という状況がもう訪れはじめていて、地方で生きるというのは一足早くその状況に飛び込んで鍛えるということです。
— 小倉ヒラク (@o_hiraku) 2016年2月24日
「あなたたち、死んでください」と統治者に宣告されて「そっか、じゃ死にます」と言うようなことは考えにくい。日本の近年の「富の再分配機能の劣化」と「高齢層への一方的な資産蓄積」というのはつまり「未来の世代=僕たちが死刑宣告を受けている」ということです。そんなんでも楽しく生きる知恵。
— 小倉ヒラク (@o_hiraku) 2016年2月24日
その状況のなかで、自分は何ができるのか?という話になるんですけど。
「前世代の残したものを、合理的かつローコストでリサイクルor解体するテクニック」の開発なのではないかと思っています(そしてその技術もまた、メインストリームからはずれた場所で未来の世代のために真剣に行動している親世代の先輩から受け継ぐものなんだよね)。
それを前提とすると、これから大事になるのは「自分でなんでもつくる」しかも「あるものをブリコラージュしてつくる」という力になるのではないかと思います(大都市圏以外のとこに住んでいるヤツは特に)。
・ボトムアップ型のDIYでつくりだす。なぜブリコラージュ的な発想が、いま重要になってきているのか? | 隠居系男子
僕の考える『豪族2.0』とは、優秀なビジネスマンであり、土木や教育や福祉のサービスをDIYできる「ブリコラージュの王」です。
今後、日本における優れた才能がこの「ブリコラージュの王」を目指して活躍していくのだと勝手に予想しているんですが、どうなんでしょうか > レヴィ=ストロース御大
【追記】他にも印象深い名言がいっぱい登場します。友だちのNPOミラツク代表西村さんの『コミュニティの鍵は、貢献にあります』とか、大阪のコミュニティ施設ココルームを運営する詩人の上田假奈代さんの『進む道には、孤独を味方につけたあたたかい灯がともっています』とか、味わい深いなあと思って読みふけってしまいました。ちなみに僕、4冊もっていますので欲しい人イベントの時にあげます。