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できないこともクリエーション。

こないだ会社勤めしてた頃よく通っていた下北沢の都夏でgreenzプロデューサーのおのっちさんと飲んできました。
「箱をつくる=プロデュース」と「箱の中身をつくる=クリエイション」の整理について相談にのってもらったんだけどさ。仕事の規模が大きくなる時の難問のプロデュース業務について最近めちゃ悩んでいるのさ。

箱の中身と外側は同時に考えられない

けっこう長くクリエイティブ界に関わって仕事してきましたが、そのなかで常々思うのは、「一人の人間のなかで箱の中身と箱の外側を同時に考えるのは不可能」ということ。実際になにかをつくることと、それを運用していかに価値化するかはクリエイターとプロデューサーで分業するのが基本。

つくるものの規模が大きくなってこの切り分けしないとデスロードが待っている…!

僕はもともとデザインの世界ではプロデューサー寄りの「箱の外側考える」タイプとして仕事していたのですが、微生物の世界に入って「箱の中身をつくる」タイプの仕事をするようになると、前できていたはずのプロデューサー思考がぜんぜんできなくなります。立場が変わると能力がトレードオフになるんですね。

求められる成果が大きくなればなるほど、クリエーションとプロデュースの両翼のバランスを考える必要性が高まっていく。そうしないと価値という機体が墜落してしまう。

「できない」からチームをつくる

独立の立場で仕事しているクリエイターは、能力がある人ほど時として何でも自分自身で抱え込んでしまう傾向があります。能力があるだけに現場はある程度回ってしまう。なんですが、頑張ったわりには結果がイマイチなことがほとんどなんです。

こういうの続けていくと、自分の職能が増えていくのと反比例するように仕事の質が荒れていく。なんでもやる精神も大事ですが、ここぞの局面ではチームをつくって自分のできないことを委ねる決断しないと自分の未来が詰む…!

考えるに、なんでも自分でできる必要はなくて。
「自分ができないこと」をなるべく正確に把握することのほうが重要だと思うんですね。「自分ができないこと」を明確化した時に「必然性のあるチーム」が生まれる。

「自分ができないこと」が「他の人ができること」を引き出す。
「できないこと」もクリエーションです。

なんでも自分でやると「なんでもできる自分」を表現することができますが、社会に価値を生む仕事としては部分最適、つまりイマイチです。目指すは全体最適、チーム全体で「できること」と「できないこと」を組み合わせて良い結果を出すこと!そのスタートが「自分の限界の提示」なのではないかしら?

何かを成したければ、自分のできないことにフォーカスすることが肝要。
無理やりできるようにしたらもったいない!

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