遊び上手は表現上手。クリエイターにとって、暮らしと投資はイコールだ。
遊び上手こそ、表現上手。
いっしょに遊びに行って「お、センス良いな」と思う人は、良いものをつくる。
僕は各地の醸造家と遊ぶ機会が多いんだけど、同世代の醸造家たちは遊び上手が多くていつも感心する。醤油屋の城くんは日本酒通だし、味噌屋の五味さんはスケーターだし、ワイナリーの若尾くんはミュージシャンだし。
こういう「センスの良い遊び上手」のつくるお酒や調味料を買うと間違いないよ。
デザイナーでも料理家でも、小手先のテクニックや業界のトレンドよりも「美しいもの」「美味しいもの」の経験にいっぱいお金と時間を使うのがいい。つまり勉強よりも遊びに投資する。だって、自分が「今まで見た一番美しいもの」が、「これから自分がつくる美しいもの」の上限値になるからね。
よくジャムとかお漬物とか加工品をつくっている農家さんが「良い材料を使っているのになんで人気が出ないんだろう…」と悩んでいたりするが、それは彼が美味しいものを食べることに意識的じゃないのが理由だったりする。
デザイナーでも同じ。IKEAの椅子しか座ったことない人にイームズの椅子のような魅力的なプロダクトをつくることはできない。いくらデザインの技術があったとしても。
同業のデザイナーだとnosignerの太刀川さんは「良いものを知る」というのにすごく自覚的な人で、日々自分が食べるもの、身につけるものがすべからく「投資である」ということをよく知っている。クリエイターにとって、暮らしとは投資とイコールなのだ。
仕事のスキルよりも、高い判断基準を育てる方が長期的には役立つよ。そこそこのラーメンが素早く作れることより、世界中の美食を食べることの方が行列ができるラーメン店を作る近道。
普段見ている景色、使っているもの、居る場所を整えることで養われた判断基準が、デザインの質を上げるのだ。— NOSIGNER(ノザイナー) (@_NOSIGNER) 2017年2月8日
【追記】さてじゃあお前はどうなんだって話ですが。僕はお家で食べる焼きうどんとか湯豆腐とか納豆ごはんとかが一番好き。服もいつも同じだし、アクセサリーも雑貨も持たないし、高校生の時聞いてた音楽を今でも聴いてる。こりゃ困った。