潜在意識は、中長期の均衡を見越して働く〜忙しすぎる時に人はどう行動するか考察してみた
GW前の非情なスケジュールがだんだん収束してきた。
3月の引っ越し前後から一ヶ月、自分が何をやっていたか詳細に思い出すことができない。今までも多動症的にプロジェクトを並行させてきたが、今回はもう一個人の限界を明らかに超えていたぜ。
さて。よくある「忙しい自慢」の話ではつまらないので「忙しい時に人は何をするのか」ということを考察してみる。
ここ1〜2週間、僕は色々なモノを紛失したり壊したりした。車とかスマホとか服とかその他いろいろ。これは当然、「テンパっている」から起こることなのであるよ。そしてさらに考えてみると、実はこの紛失及び破壊は「いけにえ」であることがわかる。
何のかというと、「仕事で事故る」ことへの「いけにえ」だ。
古代文明が神の怒りを予防するために人柱を捧げたように、大過をリスクヘッジするために小過を戦略的に納品するのではないか(たぶん)。
僕は常々「人間の潜在意識は思ったよりクレバーである」と思っている。普段の自分の意識は意外に「目の前のことをミスらない」とか「目先をなんとか取り繕う」ということにフォーカスしがちだが、潜在意識は「中長期で見たときの最適解」を選ぶ。
「じゃあ、その最適解ってのは何なんスか?」
説明しよう。
まず仕事の集中力と、日常の集中力をトレードオフする。そのことにより、仕事はなんとか上手くいく。しかしその代償としてモノを壊したり失くしたりする。
しかしだ。
この「壊したり失くしたり」というのも、「意図してやっていること」なのだよ。
今度は「仕事が成功した対価」と「モノの損失を補填するコスト」をトレードオフにする。このことにより何が起きるかというと、「いっぱい稼いだから半年バカンスだぁ」という事態の予防だ。マルクス的にいうと「貨幣の退蔵」を許さないのだな。
とすると。
僕の潜在意識は「仕事=お金を稼ぐ」という認識をしていない可能性がある(稼いだ分だけ失くしたり壊したりしたら意味がない)。では何を意図しているかというと「仕事を介して社会におけるコミュニケーション量を増やす」ということに重きを置いている可能性がある。
この仮説を取ると、「報酬と補填コストのトレードオフ」の説明がつく。報酬が積み上がっていくとバカンスに行ったり温泉めぐりに熱中してコミュニケーションの流通量が減る。であれば、稼いだぶんだけ損失を出させることで「社会に対して意味のあるアウトプットを納品し続ける義務」をヒラクに課している。このスパイラルのなかで何が発展していくかというと「アウトプットの質」であり、何が蓄積されていくかというと「良いアウトプットをする人としての信用」である。
つまり、僕の潜在意識が何を言っているかというと「汗水たらして働いて、いいモン作って、信頼される人間になりなされ」と言っている。おお、すげー単純だ。
「ははは。それは思い違いというものだ。こんなことをカミングアウトしたら『ヒラクは不甲斐ない野郎だ』と思われて仕事が無くなってしまうではないか」
ぐはははは。読みが甘いね。実はそれすらも計算ずくなのがわかるかな?
「不甲斐ないヤツフィルター」をかけることで仕事量の調整をしているのだよ。そして「不甲斐ないヤツ」から仕事をスタートした場合、印象を良くしていくことはカンタンだがその逆は大変だ。「自分が不甲斐ない」ということがバレないように仕事をするのはメンタルヘルスに支障をきたす。つまり「己の不甲斐なさのカミングアウト」は、短期で言うと損かもしれないが、中長期で言うとコンディション維持に役だっているのさ。潜在意識というヤツは、そこまで先を読んで行動するわけよ。
「お、おう」