浮上するためには、じっと潜って待つ。

浮上するためには、じっと潜って待つ。

4月に入ってから、スタッフが増えて、組織のなかでの僕の立ち位置も変わって…と、仕事が新しいフェーズに入ったかな〜と感じています。

で、どんなフェーズよって話ですが、なんて言うんでしょうね。

ググっと深くまで潜って、息を止めている

という感じなんですね。

ここ最近、僕がこの組織のなかでやろうとしているのが「ビジネスモデルを確立する」こと。

要はSMALL WOOD TOKYOなんかの「自社サービス」でちゃんと稼げるようにするぞってことですね。

じゃあ今までどうやって稼いできたのさって話なんですけど、それはスタッフの「個の能力」で仕事を成立させていたわけなのです。

(デザイナーや編集者の集まりなので、モデルがなくても個で仕事ができる)

なんだけど、これには限界がある。特に「モノ」を動かしたり、「逆風が吹いている業界」を変えようとすると、絶対に組織による「仕組みの力」が必要になる。でないと、安定的にモノが売れない(危なっかしくて)。

さて。ということで、今までの頭や時間の使い方を変えることになります。

「いかに良い企画書を書くか」とか「美しいデザインを追求するか」の代わりに、「手間がかからない見積書類の発行の仕方」とか「合理的な梱包の仕方」とか「使ってくれた人が納得できるちょっとした言葉使い」みたいなことを延々考える。

これがね、なんというか、本当に「暗中模索」な感じなんですよね。

地道に仮設を積み上げて、コツコツと作業を進める。クライアントからの催促も無ければ、「プレゼン通った!」みたいなわかりやすいマイルストーンも無い。ひたすら毎日やることリストを消化していく。で、その結果を解析して、またリストをつくる。の繰り返し。

ん〜、「潜って息を止める」っていう感じなんだ、これが。

しかし。この「潜って我慢する」というプロセスを経ない限りは、次にはいけない。

アイデアやデザインの土台にある、「基礎体力」をしっかり鍛えないと、浮かび上がることはできない

恐らく僕たちはあと数ヶ月、じっとこの「潜っている状態」を続けることになる。

手っ取りばやい成功や認知は狙わず、浮上した時に高くに飛んでいけるよう、水面下で地味に鍛える。

これだ!

(と、自分に言い聞かせる意味を兼ねてメモ)

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小倉 ヒラク

発酵デザイナー。1983年、東京都生まれ。 「見えない発酵菌の働きを、デザインを通して見えるようにする」ことを目指し、全国の醸造家や研究者たちとプロジェクトを展開。下北沢「発酵デパートメント」オーナー。著書に『発酵文化人類学』『日本発酵紀行』など多数。