「良い話の聞き方」の秘密は「構造化」にあるという仮説。
今日のお話は「聞くこと」について。
ここ数年、「人前で話を聞く」という仕事をしている(司会とかファシリテーターとか)。
そしてパートナーの民ちゃんも編集者やライターとして「聞いた話を記事にする」という仕事をしている。
なもんだから、食卓によく「良い話の聞き方とはなにか」という話題が登ることになる。
「良い話の聞き方」とは何だろうか?難しい問題だ。
僕は「構造化」というキーワードがそのヒントになると思っている。
ふだんあまり気にしないかもしれないが「話」とは「情報の建造物」なのであるよ。
まず土地(=話題)があり、そのうえに基礎(=起承転結)があり、そのうえに外から見える建物(=トーン)があり、そしてインテリア(=魅力的なアクセント、ユーモア)がある。
話をするということは、どんなに無意識であってもこのような要素を統合しながら情報を組み立てるという作業になる(もしこの要素がバラバラになると「電車の隅でぶつぶつ呟いている独り言」になる)。
さて。
このなかでふつう一番意識化しづらいのが「基礎」なのだな。話の起承転結ね。
これを言い換えると「話の構造」となる。
基礎=構造がしっかりしていると、「家」でいうと安心して住めるし、「話」でいうと安心して聞くことができる。
「…で? ヒラクくんは何が言いたいのだね」
えっとぉ、つまり「構造化された話は聞きやすい」ということですぅ。
「なるほど。で、今日の話は『良い話の聞き方』だったはずだが?」
そうなんですぅ。つまり「良い話の聞き方とは、相手の話の構造を整理する」ということでありまして…
「それはつまりどういうことなのかね?」
はい、えー、そのー。
相手の話を聞きながら「きっとこの人はこういう論旨で、こういう構造で話したいんだろうな」という仮説を立てて、それを質問していくんですね。
「つまりヒラク君は『良い話し方から逆算することで、良い聞き方を導き出せる』とでも思っているのかな?」
まあ、その、恐縮ながら…。
「それは傲慢な考えというものさ。もっと修行を積んで出直してきなさい」
ほげー。