昨日は「ファンディングヘッドライン」というWEBメディアからの取材。
こうじのうたクラウドファンディングを成功事例として取り上げたいとのオファーでした。
クラウドファンディングの次のステップは「マイクロ化」だ!
ここ1〜2年で急激に認知されたクラウドファンディング。
「みんな気になっているが、事例は少ない」という状況では、当然アーリーアダプターを紹介するメディアが登場する。ということで、けっこうあちこちのメディアから取材依頼を受けているのですね。
さて。
昨日のインタビューのなかで「これからクラウドファンディングに何を期待しますか?」という質問がありました。
お答えしましょう。
ヒラクの考えるクラウドファンディングの未来は「マイクロ化」なのです。
最近は、大企業が参入しはじめて、調達額の「マクロ(大型)化」が進んでいるが、これは商品開発のコストをアウトソーシングしようとする旧来の産業の理論をクラウドファンディングにあてはめたモデルなので、別にダメとは思わないけれど、ワクワクもしない。
僕が期待するのは、その逆。「極限までのマイクロ化」なのですよ。
現状、「編集力」がハードルになっているよね
なぜそう思うのか。
数十万〜100万超えのプロジェクトを立ち上げるのは「編集力」が必須になる。
プロジェクトの経緯を説明し、事業の魅力やミッションを伝え、ユーザーに対するメリットを説く。それを1ページに「ストーリー化」する必要があります。これが大きなハードルになる。
技術的なハードルが下がると、名目では「誰でも参加」できることになる。
しかし、現状の仕組みでは「編集力」がハードルになって誰でも参加はできない。
「じゃあ、編集力を育てればいいんじゃないかね?」
うん。その通りなんだけど「編集力を育てる」というのは「思いやりの心を育てる」と同様の「みんな言うけど、みんなできない」類のスキルであるので、まあ難しい。
となれば、「編集力」を迂回しても成立するようなクラウドファンディングの方法論が必要なのですね。そしてその鍵となるのが「マイクロ化」なわけよ。
「お金を払う」という行為をコミュニケーション化する
ネット技術の進化によって変わりつつあるのは「お金を払う」という行為が、「いいね!」ボタンを押す行為と限りなく近づき始めている、ということです。
これからネット上での支払いシステムが洗練されていくと、1円とか10円とかの単位でお金がサクッと払えるようになる。
であるならば、マイクロファンディングも達成金額と支援金額をどんどん細かくしていく。
例えばだな。
家の壁の色が気に入らないので、みんなでナイスな色に塗り直すというプロジェクトを立てます。目標達成金額は、8畳の部屋の壁を塗れるペンキやDIY道具の15,000円とする。で、支援メニューは「壁塗りのDIY技術を教えてもらう=1,500円」とする。つまり、壁塗りを手伝うことで、スキルを学ぶという考えかたです。これが10人集まると、サクセス。プロジェクト主催者は「タダで楽ちんに自分の部屋の壁の塗替えができる」ということになり、支援者は「安価でDIY体験ができる」ということになります。
あるいはビンテージのボルドーワインをみんなで飲むというプロジェクトでもいいかもしれません。例えば、ワインとおつまみを買う金額が20,000円。で、支援メニューは「高級ワイン試飲&みんなでワイワイ=2,000円」。これだけだったら、キャッチ画像一枚とタイトル、場所と日時くらい揃えばプロジェクトがスタートできる=編集力のハードルを超えられる!
要は「ふだん日常でやっていることをクラウドファンディング化する」という発想ですね。
ちょっと話は変わるけど。
アメリカのクラフトビール文化が超進化したのは、実は「ホームブリューワリー」のDIY文化がベースにありました。自分でビールをつくってみると「手づくりっていいよな」と同時に「あ、やっぱプロってスゴいわ」ということに気づいて、地元のクラフトビール屋さんが盛り上がるわけです。
それと同様に。クラウドファンディングを文化にして裾野を広げるためには、限りなくハードルの低い「マイクロクラウドファンディング」が普及していくといいな、と思います。
makuakeさん、どうですか?