ピークタイムのその後。

人を動かすモチベーションってなんでしょう?

第一に「これから起こる、ワクワク」がありますよね(不安とか恐れとかもあるかもしれませんが)。

新しい環境へ飛び込む。新しいことを始める。新しいサムシングをつくる。

その瞬間、その最中を想像すると、モチベーションが上がって行動するための決断をしていきます。

それって「これこそがわたしの人生だ!」と思えるような素晴らしいことです。

なんだけどね。

そこでよくある落とし穴が、「盛り上がりが終わったとき=ピークタイム以降」の自分のモチベーションについてしっかり考えないということ。

人生は映画のように、物語の絶頂でエンドロールへ…ということは無いので、一度自分のモチベーションが燃え尽きたあとの事も想像することが大事だとヒラクは思ったりするんですよね。

恋人と付き合ったりするのもそうだし、何かのイベントや組織をつくるときもそうだし。

「それに辿り着くわたし」、「それを作り上げるわたし」だけにフォーカスを合わせて行動すると、辿り着いた後、作り上げた後に「はい、仕事おしまい」となって、せっかくこさえたものに関わる熱意をもてずに「次の燃えられるもの」を探す…

よくありそうな話ですよね。

僕も十二分にその気があって、つい「ゼロ→1」の瞬間に興奮してしまうわけです。

でもね、オトナってそうじゃないのですよ。「仕事」という観点でいうと、瞬間的なモチベーションに向かってやみくもに行動するのは、実はけっこう虚しかったりするんですよね。

「ゼロ→1」で喜ぶのって、原則自分だけなんですよね。

「1→100」の過程で、ようやく周りの人に喜んでもらったり、役立つものが育てられる(ついでにお金も)。

なので、ヒラクは最近「ピークタイムのその後」に意識をフォーカスしてモノを考えるようにしているのです。



【余談】ジャズサックス奏者のアイク・ケベックの超名盤「bossanova soul samba」はイケイケっぽいタイトルとは裏腹に、めちゃ渋くて静かな演奏がカッコいい。アイク・ケベック曰く「夜更け過ぎのダンスホールみたいな音楽」をイメージしていたらしい。「ピークタイムのその後」のイメージ力、見習いたいぜ。

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小倉 ヒラク

発酵デザイナー。1983年、東京都生まれ。 「見えない発酵菌の働きを、デザインを通して見えるようにする」ことを目指し、全国の醸造家や研究者たちとプロジェクトを展開。下北沢「発酵デパートメント」オーナー。著書に『発酵文化人類学』『日本発酵紀行』など多数。