もうすぐ引越し。

こんばんは、ヒラクです。

来月設立2年目を迎える合同会社++、引越しをしようと企んでおります。

で、近所の地営業な不動産屋「北海商事」さんの番頭、安藤さんに引越し先を探してもらい、内見に行ってきました(安藤さん、気配りの行き届いたコーディネート、ありがとうございました)。

いくつかのタイプの物件を見てきたのですが、オフィスの引越しって奥が深い。

特に深い考えもなく「イケてるところに引っ越すぞ!」と言ってはいたのですが、いざ実際に物件を見ると「そもそも自分たちにとってイケてるオフィスの基準とは?」ということを考えざるを得ないわけです。

それでですね。ヒラクが現時点でポイントだなと思う要素は3つ。

①大きさ

まずこの要素が家の引越しと全然考え方が違うのですよ。

手狭になってきたから引っ越すわけなので、今のオフィスよりも大きな場所を探すのは当然なのですが、じゃあどれぐらい大きければ丁度良いのか?というのが難しい。

「今の僕たち」を見るのではなくて、「半年後の僕たち」「1年後の僕たち」のように、未来の組織像をイメージすることになると、当然「どれぐらいのスピードで、どんな風に成長するか」という経営計画と「大きさ」がリンクしてくる。最初は持て余しているけれど、1年後にはジャストサイズになっていて、2年後には手狭になっていて…と、物件を見ながら未来のシナリオをなるべく具体的に描くようになる。

②エリア

次の要素がエリア、つまり立地です。どの駅から、どんな風に歩いて行って、商店街なのか、住宅地なのか。賑やかなのか静かなのか。この選択によって、オフィスの「性格」が決まってきます。

駅近の商業ビルに入るならば「王道系オフィス」、商店街の一角に構えるならば「地元密着型店舗」、住宅街の一角の一軒家を改造するなら「こもり系アトリエ」という風になっていきます。

ここで「僕たちはどんな人たちを相手に、どんな風に仕事をするのか」ということが決まってきます。信頼感や便利さを取るか、不特定多数のお客さんをウェルカムするか、はたまたあえて隔絶された場所でひたすら集中するか…

うーん、悩ましい。

③好きになれるかどうか

ヒラク的にはこれが結構大事だったりします。

その物件、そのロケーションで働いている自分が素敵そうか。良い風が抜けているか。

そういう「感覚的にフィットするか否か」という要素はとても重要です(だって、僕たちクリエイティブ業だし)。一日のけっこうな時間を過ごす場所を過ごす場所は、モチベーションが高まり、同時に適度にリラックスでき、誰かを招いたときに「あら良いところじゃない」と喜んでもらえるようなところがいいし、きっと仕事の効率も質も高まっていく。

鍵を握るのは、「そこが好きになれるかどうか」です。

予算、アクセス、契約条件…

全てがパーフェクトな物件はありえない。とすると、「なぜこの物件を選ぶか」という基準が必要になってくる。その基準は、上記の3つについて納得できること、プラス、なぜ納得したか他の人に明確に説明できるか否かです。

「ちょうど良い大きさだと思う。なぜなら1年後には…」「エリア的にも良いんじゃない。だって、僕たちはこういうお客さんと一緒に、こんな風に働くわけだし…」「物件も良いよね。なんか窓開けた時の景色とか、ホッとするじゃん…」

なんて感じで説明できれば、引越し先としては悪くないかしら、と思います。

でもそのためには、実は未来の自分たちのイメージを再度ビルドアップする必要があるわけです。①は成長イメージ、②は事業のフォーカス、③は組織のモチベーション。

…うーん。

というか、引越しってのは、事業ビジョンをアップデートする機会なのかもね。

夢と現実を天秤にかけて、飛躍への投資をするのだ!!

Published by

小倉 ヒラク

発酵デザイナー。1983年、東京都生まれ。 「見えない発酵菌の働きを、デザインを通して見えるようにする」ことを目指し、全国の醸造家や研究者たちとプロジェクトを展開。下北沢「発酵デパートメント」オーナー。著書に『発酵文化人類学』『日本発酵紀行』など多数。