ラジオでお話ししたこと

こんばんは、ヒラクです。

本日は++のスタッフ3人揃ってFMたちかわへ。「東京ウェッサイ」というラジオ番組に出演してきました。1時間の番組なのに、ゲストトーク枠がなんと40分。前半の20分はヒラクが、後半20分は安田さんがおしゃべりしてきました(スタジオについたら友達の則さんがいてビックリ。たまにコメンテーターのようなことをやっているそう。世の中狭いな)。

さて、安田さんのパートについては、今日明日中にまた本人からアップされると思うので、ヒラクが話したことを(ラジオで話せなかったことを補足しつつ)ブログに記しておきます。

?なぜ「地営業」が必要だと思うのか?

これについては今まで体系的にお伝えした事がなかったので、良い機会となりました。

「地営業」についての基本的な定義はこちら。で、要は何をもたらす働き方/経済のあり方を指すのかというと、「その人が朗らかに生業に精を出すと、ついでに社会的問題が解決していく」ということです。生きがいを感じて地営業を頑張ると、生態系及びローカルな共同体に対してポジティブ・フィードバックがかかっていく。だから「働く」ことに対してウソをつかなくていいし、ウソをつかないあり方に対して、自然と応援が集まっていく。そうやてインタレストが集まっていくところに必ず流通と利益の流れが集まっていく。そういうあり方と、ネットワークに「地営業」という名前を与えて、状況をマッピングしてみたかったのですね。

そのありかたは、別に「まちづくりに関わる」とか、「起業する」とかでなくても良い(あっても良いけど)。毎日宿の掃除に精を出したり、田んぼに水を張ったりすることでいい。何代も前から続く味噌屋や材木屋を継ぐ旦那衆だってそうだし、暦の研究家だったり、金融マンだったり、流浪の旅芸人だったりすることもあり得る。必ずしも「社会を俯瞰してふるまう」ことはしなくても良い(しても良いけど)。自分の日々の営みが、その営みの対象となる土地や共同体にどのように良い作用を及ぼしていくのか、それが自分の前の世代から続き、そして自分の後の世代に引き継がれていく。そういう「その人が日々、実感できる範囲」のなかで前進していく。そういうあり方は増えていくと、誰が全体像を把握していなくても「動的均衡」が保たれていく。

「勝つか負けるか」の二項対立の図式ではない「第三の経済圏」。

地営業的な世界観が指し示しているのは、そういう新しい船の可能性なのです。前にも書いた通り、それは優劣の仕組みで動く「貨幣経済」の目減り分を、共感の仕組みで動く「贈与経済」でカバーする、過渡期特有の「ブレンドされた」形態を取って、今、この瞬間にすでに動き出しつつあります(その消息を聴いて回っているのが、フリーペーパーの「地営業通信」なのですよ)。

僕たちは、そういう予兆を「地営業通信」や「SMALL WOOD TOKYO」のプロジェクトを通して具現化しようと挑戦しているところです。「なぜ第三の経済が必要だと思うのか」「なぜ非効率的で、価格競争の土俵に立たないものを選択するのか」。それに答えるために、僕たちは今までと違う「アカウンタビリティー」が必要であろうと思っています。そのためのボキャブラリーを、色々なプロジェクトを通して獲得しようとしている。今合同会社++は、そんな過程にいるのです。

?これからの展望は?

今日のラジオ放送で始めて公言しましたが、来年僕たちは「お店」をつくります。

DIY商品のセレクトショップです。半完成品の商品がラインナップされていて、お店にきたら「自分でつくることができる」。そして、DIYして生活のなかに取り入れると、社会や生態系の「問題解決」をしてしまう。そういうお店をオープンします(と宣言すると、実現するのだ)!

…とまあ、今日はそんなことをお話ししてきました。

聞き上手のパーソナリティ酒井さん、則さん、どうもありがとうございました。

安田さん小田原さん、頑張りましょうね。

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小倉 ヒラク

発酵デザイナー。1983年、東京都生まれ。 「見えない発酵菌の働きを、デザインを通して見えるようにする」ことを目指し、全国の醸造家や研究者たちとプロジェクトを展開。下北沢「発酵デパートメント」オーナー。著書に『発酵文化人類学』『日本発酵紀行』など多数。