今日も一日東京で仕事。午前中お店の売り場づくりをして、お昼から神保町の集英社へ。文芸誌のすばるから依頼された対談の仕事。小説家の清水裕貴さんの新著『花盛りの椅子』についておしゃべり。
すばる編集部から送ってもらったゲラを事前に読んだら変わった小説でびっくり。小説は普通「物語」が主軸になるので、物事が展開していく「時間軸」が中心になる。しかし清水さんの小説は時系列のストーリーよりも、瞬間的に起こる出来事がセンシュアルに迫ってくる、非常に空間的な構造をしている。「清水さんは小説を書いていますが、物語より大事なことがあるのでは?」と質問したら(不躾ですいません)、「実は私もともと現代美術作家で、写真をやっていたんです」との答え。ななな、なるほど。「美術作品はマーケットの特性上半永久的に物質として残る体裁にしないといけないんですけど、その形式では取り扱えないもっと感覚的なもの、物質として留められないものを表現するために小説を書き始めた」とのこと。
で、なんで僕と対談することに?と思うじゃないですか。「目に見えないものが、人の感覚や記憶に影響しているのでは?という興味があって。とはいえいわゆるスピリチュアルなことではなくて、もっと現実に存在しえるアプローチを探していた時に発酵や微生物の世界が気になり始めた」だそうです。確かに俺ら発酵クラスタは日常的に目に見えないものに影響されて生きているしな…。で、対談の詳細は次号の文芸すばるに掲載されるようです。清水さんの新著『花盛りの椅子』面白いですよ。ぜひ。
集英社からダッシュでお店へ帰って、発酵サブスクのオフ会。去年からスタートしたサブスク #ただいま発酵中 のリアルイベント。もっとはやくにやりたかったのだけど、コロナ禍に翻弄され年明けになってしまった。そしてまたオミクロン株の感染急拡大のタイミングなので事前に「無理して来なくていいよー」とみんなに連絡したのだけど、結局14名集まった賑やかな会に。
ギリギリ密にならない規模でちょうどよかったぜ。集まってくれたみんなはフレンドリーで知的で好奇心旺盛。こんな素敵な人たちに支えられてるんだ…と感動でした。福岡からサブスクのパン回の講師である水瓶酵母室のあずみさんもわざわざパン持って遊びにきてくれて、みんなのアイドルになっていた模様。第一期のみんなに修了証書渡して和やかにおしゃべりして解散。めちゃ嬉しかったよ。またやるからね(それまでに落ち着けオミクロン株)。
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