昨日のコーチを受け、早朝から坂本くんとお店の売り場をリニューアル。ごちゃごちゃだった商品棚の膝から下を片付け、推したい商品をピックアップして棚ごとに並べ、店内を歩く導線に沿って配置する。目より上には大きなPOPを貼ったり吊るしたりして遠くから目に付きやすいように、という基本を徹底したら、めちゃ楽しい店内になったではないか…!

ボキャブラリーが貧弱で恐縮だけど、この「なんか楽しげ」こそが良いお店の核心だ。売り場が「なんか楽しげ」、働いてる人が「なんか楽しげ」だと、お店に遊びにきて500円のお醤油一本買っただけで自分の暮らしも「なんか楽しげ」になる。

マニアックな商品の発見とか、商品の背景を知った学びとかも大事ではあるけれども、僕が最も重視するのは「なんか楽しげ」感、もっと言えばワクワク感だ。

20代、週三で夜遊びしていた時代、DJのマネごとをしていたので良くレコード屋さんに通っていた。玉石混交の棚の箱のなかからレア盤のヴァイナルを引き抜いた時の興奮、ジェットセットレコードやCISCOで新譜を探すワクワク感、こういうのを発酵で再現しようとしているのが発酵デパートメントなのであるよ。

坂本くん、売り場づくり番長としてしばらくお世話になります。

お昼過ぎに山梨に戻って、うちの集落で動画撮影。アウトドアおじさんPurveyorsコバさん、発酵おじさん五味醤油の六代目&僕のおじさん三人で開発した『アウトドア納豆』という謎すぎる発酵ブツの紹介動画をつくることに。去年の初夏に、コバさんから「発酵とアウトドアは絶対相性がいい!」と力説され、久々にキャンプ遊びを再開した。キャンプに不慣れな五味アニキがキャンプに納豆パックを持参して大不評(パックで納豆をかき混ぜるのがキャンプっぽくない、ニオイが気になる等)だったのだが、キャンプでも納豆を食べたい!という需要は一定数あるのでは…?というインサイトからノリで開発されたのが『アウトドア納豆』なのである。納豆に醤油とみりんとだしを混ぜ、チューブ状に押し出して使う、食材と調味料の中間のような携帯食だ。UL(ウルトラライト)系のソロキャンパーがリッチにカップラーメン食べられる…というコンセプトで生まれたのだが、いざ出来上がってみるとお吸い物スープにしたり、焼きそばの味付けに使ったり、卵かけご飯にしたりと意外に万能に使える。気になる人は動画ご覧ください。おじさん三人がはしゃいでるよ。

夕方からオンライン取材。日本フラワーデザイナー協会の広報誌から。僕はなるべく業界の専門誌とか広報誌の取材は積極的に受けるポリシー(僕自身がニッチ業界の人なので共感の意も込めて)。なのだがまさかフラワーデザインとは…!

フラワーデザインは日本の花道というよりは、欧米の花のアレンジメントを取り入れた表現の仕事だそうな。

「小倉さんの”発酵デザイン”とフラワーデザインを結びつけるとどんな共通点がありますか?」との質問に目を白黒。”発酵デザイン”は既成のカテゴリーになっているのかしら(僕自身発酵デザインとはどのような領域であるのか定義できてない)。「自然を対象にしたデザインですね。人間世界だけで完結するデザイン以外の可能性を表現できる良さがあるのでは」と口からでまかせながらなんか良さげな答えを返す。「現代を生きるデザイナーに必要なスキルはなんですか?」との質問

に「表現技術があるのはもう前提なので、そのうえで事業的/社会的なリスクを追ってプロジェクトのオーナーになる覚悟とお金周りの知識じゃないでしょうか」と答えたら「耳が痛いです」との答え。クライアントワーク的な仕事がメインだとしたら、そりゃそうだよね。でもプロジェクト主体になって、表現者としてではなく人間として試練を受けたほうが社会的に意味のある仕事ができるもの。デザイナー/クリエイターは「表現者だから」と過保護なぬるま湯に甘んじるより、人としての辛酸をぺろぺろしたほうがいい、と思う(自戒を込めて)。

インタビュー終了後に協会の人と雑談をしていたら、近年どんどん協会員の高齢化が進み、コロナ禍で数少ない若者がみんな会費が払えず脱退してしまったらしい。協会はそもそも相互扶助としての組織のはずだが、どちらかといえば扶助される駆け出しの若い人からどんどん離脱しがちが現象が各業界で見られる。コミュニケーションの世代間ギャップや、長年の組織運営で固定化してしまった既成概念が嫌われるのだろう。日本社会はあちこちに公共性のある資産があるのだが、コミュニケーションの目詰まりによってその資産が適切に分配されないのがやるせない。

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