下北発酵デパートメントへ初出勤。朝イチからチャイハネはじめエスニック雑貨店を運営するアミナコレクションの進藤さんと、アウトドアショップのPurveyorsのコバさんが来店して打ち合わせ。僕の母方のルーツである呼子で立ち上がっているクラフトビールのブルワリーの計画の相談。

「立ち上がっている」と他人事のように書いたのだけど、発端は実は僕で、呼子に帰った時に地元の旦那衆からまちづくりのアイデアを聞かれて「ご当地ビールつくったら良いのでは?」と深く考えずに答えてしまったら、そこから具体化に向けての話が始まってしまったのだった。

アミナの進藤さんのお父さんは、民俗学者であり実業家という不思議な人で、世界の民俗雑貨を調査で集めまくっているうちにお店になったのがきっかけになって「エスニック雑貨」というマーケットを生み出されてしまったらしい。進藤父のルーツが唐津(佐賀東部の海岸部)ということで、晩年の願いが自分のルーツでクジラの曳き船をつくることだったらしい。その悲願を受けついだ進藤息子がブルワリーのアイデアを聞きつけて、今回の話になった。

コバさんはアウトドア事業のかたわら、去年にブルワリーを立ち上げた。実はそのブルワリー(FARCRY BREWING)の立ち上げにも僕が関わっていたりしたので、呼子のブルワリーのレシピの監修をお願いしようとしている。

僕が呼子に関わっている理由は ①母方の実家を相続しようとしている ②クジラ文化に興味が湧いて調査をしている(たぶん母型の家系に関係がある) の二つ。要は30過ぎるまで知らなかった僕自身のルーツを知りたくて関わっている。あくまで個人的な事情で関わっていたのが、気づいたら事業としても関わることになりそう。

アイデアだけ出して、あとはみんな楽しくやってね!となるほど世の中は単純でなく、結局何かを言い出したら実行まで責任を持たないといけないのがオトナのルール。そしてこの「着想から実行まで責任を持つ」ことに仕事というものが発生するものなのだ。また仕事が増えたよう。とほほ…

午後には文藝春秋編集部が来店。文芸誌『オール讀物』の連載書籍化の作戦会議。東アジアの多民族エリアを発酵のルーツを求めて旅するハードコアな連載で、前半を折り返して、後半戦あともう一回旅に出なければいけない。中国に入るのがかなり難しそうなので、ネパールあたりから入ってコルカタまで入るルートを画策。甘酒とスパイスが共存する食カルチャーの境界線に行きたいのだけど、さて今年の夏くらいには国境を渡ることができるのだろうか?

旅の段取りを相談した後に、編集部のお二人に最近オススメの文芸作品を聞く。さすが文芸の編集者だけあって若手の全然知らない(けどめちゃ面白そうな)著者をどんどん教えてくれる。なかでもYさんが教えてくれた『みんな水の中-「発達障害」自助グループの文学研究者はどんな世界に棲んでいるか 』が興味深い。

文春は週刊誌文芸誌ともに編集部の皆さまと仲良しで、いつ会っても目がキラキラ(ギラギラ)して「ノッてる」感じがして気持ちがいい。大局では斜陽産業だとしても、どよーんとして仕事するより、ギラついて仕事したほうが仕事相手の僕としてもやる気が出るよ。

夕方売り場づくりをしていたら、アーティストの市原えつこさんが突如あらわれる。お店の隣のギャラリーで週末展示をするそうな。年末に書いたブログの感想をもらい、コロナ禍でのアーティストのインスピレーション枯渇問題について話し合う。朝から一日ゲストが多い仕事初めだったぜ。

Pocket

Back to Top