発酵部@シューマッハカレッジ。食と農業についてマジメに考えてみた
シューマッハカレッジ滞在記、後編でーす。
サティシュさんと哲学的な問いに向き合った後は、ひたすら実践編。
食と農業について掘り下げる一週間でした。
シューマッハ発酵部結成?
カレッジに到着した最初のミーティングで「日本から来た発酵&微生物研究家です。よろしく!」と挨拶したら、なんとシューマッハカレッジのキッチンスタッフにも発酵好きがいて、「じゃあ発酵のワークショップやろう!」という成り行きに。
講義のない週末に、有志で集まって「こうじづくりワークショップ」を開催。
ブダペストで使ったプレゼンテーションが役に立ちました。
・こうじづくり講座@ブダペスト、大成功!ワークショップの様子はこんな感じ
蒸したお米(SUSHI用ライス)に日本から持参した種麹を振りかける様子。
日本のワークショップでもおなじみのハンディ顕微鏡でコウジカビを観察。
写真撮り忘れちゃったけどもちろんみんなで踊りました。みんなノリノリだったんだけど、ワークショップ以降僕の顔見るたびに「モコモコ〜♪」とからかわれる罠。笑
麹ができた後は、イギリスの豆で味噌を仕込みました。
左:在来豆のバジャ、中:ひよこ豆、右:アズキ。
「えっ?味噌って自分で作れるんだ―!」
興味津々の参加者。イギリスのオーガニックフード好きにおける味噌人気は鉄板。
頑張って豆を潰す様子。
お団子もつくります。
手前みそは国境を越えて盛り上がる!
在来豆で仕込んだ味噌。けっこうそれっぽくなった。
麹多めで塩少なくしたので、夏が終わる頃にはしっかり発酵しているはず(白味噌の原理)。
ちなみになぜ早く発酵させようかと思ったかというと。
カレッジにボランティアスタッフとして働いていた日本人のサチさんに味噌汁ワークショップを開催してもらうため(夏過ぎまでいる予定なので)。
持っていた種麹は全部サチさんに預けて、シューマッハカレッジのKoji Guardianになってもらいました(ちなみに彼女もかなりの発酵マスター。米の研ぎ汁からヨーグルトとか作れる)。
後日、朝食にサチさん作の甘酒が!みんな気に入っていたようですぐなくなってました。
サチさん、後は任せたぜ〜。
カレッジに麹文化を普及させておくれ。
農業の未来を探すフィールドトリップ
さて。二週間目に受講したEcological Food Systemsについて。
イングランド西部の農家の先進的な取り組みを訪問するフィールドトリップ×5日。
ひたすら外を歩き回っていたのでずいぶん日焼けしたぜ。
詳しく書くとめちゃ長くなるので今回は写真でアウトラインだけ。↑の写真はChag Farm。
学生たちのインターンも受け入れながら、農業とコミュニティづくりを合体させています。
カレッジの近くにあるコミュニティガーデン(地元の人で運営する小さな畑)。
農家じゃなくても農業が学べる機会になっています。
今回最も衝撃を受けたニューウェーブすぎる農場、Five Penny Farm。
セルフビルドな農舎。
限りなく放し飼いな牛たち、
の濃厚すぎる牛乳。めちゃ美味いー!
濃厚過ぎる牛乳からつくった濃厚すぎるチーズ。美味すぎて何も言えねえ…。
ワイルドな風味のシードルも作ってます。
色んな農場を回って思ったのが「サステナビリティと美味しさと経営のバランスを重視している」ということ。思想が前に出過ぎず、ちゃんと美味しくて、しかもビジネスモデルとしてもちゃんと生産性を確保しているという難しいトライアルを当たり前のようにやっているのが印象的でした。
実はサティシュさんの講座に負けず劣らずものすごく濃密な学びがあったのだけど、しっかりまとめようとすると大変なことになるのでまた別の機会に。
西の発酵マスターにパン作りを習ったよ
シューマッハカレッジは学び合いの場所。
なので、僕もイギリスならではの発酵技術を学ぶことにしました。授業が終わった後、夜な夜なキッチンで発酵講座を開催してみんなで盛り上がったぜ。
習ったのは、イギリス式ライ麦パン。
ライ麦粉と水だけでスターターの酵母をつくっていきます。激シンプルやぞ…!
四日間かけてスターターを育てていきます。
ライ麦パンは、普通のバゲットのように成形するのが難しいので、型に入れて焼きます。
しっかり焼けました。ドッシリしてめちゃくちゃ美味しい!
教えてくれたのは、カレッジの発酵マスター、ヴォーリー。
今回の滞在で一番ぐらい一緒にいて、色んな話をしました。僕のパンの先生になってくれてありがとう。もっといっぱい話したかった!涙
たった二週間なのに、ずっと長い間いたような気がするシューマッハカレッジ。
一番の想い出は、キッチンでみんなと手を動かしたりおしゃべりしたりしたこと。ここで学んだことを日本でもいっぱい活かしていきたいと思うぜ。
photo by サチさん&中村さん&ヒラク
【追記】トットネスでは、東京時代にお世話になったデザイナーの中村泰子さんに再会しました。世間は狭い!また日本でシューマッハカレッジオフ会やりましょう。