ミシマ社の雑誌『ちゃぶ台』発酵×経済号に全力で寄稿しました。
個性的すぎる本づくりで各地のブックラバーに愛されているミシマ社さんが年に一度刊行している雑誌『ちゃぶ台』最新号、発酵×経済特集の号に寄稿しました。
…と書くと、ちょっとしたコラムのように思えますが、なんと二段組20ページ超え約15,000字の超ロング寄稿です。今年春に開催されて雑誌制作のキックオフとなった京都恵文社のイベントで、代表の三島さんと仲良しのRe:S藤本さんの三人でトークをし、さらに初夏に三島さん藤本さんと秋田を訪ね…と、まるで三島さんと一緒に雑誌をつくっているかのようなディープコミットでできあがった労作です。
「今号の『ちゃぶ台』はヒラク号といっても過言ではありません!」
見本誌に同封されていた一筆箋にはミシマさんからのアツいコメントが…!
お世辞だとしても嬉しいデス。わーい!
(しかも巻末の著者紹介では、僕の『発酵文化人類学』が「この号の支柱的一冊」とまで褒められている。光栄…!)
さてその内容はというと。
秋田五城目にある老舗酒蔵、福禄寿酒造(一白水成)の再生の物語。昭和の大量量産システムをやめ、五城目でしかできない「土と水と菌に向かいあった醸造」に挑んだ結果、これまでのものづくりのセオリーを覆すようなミラクルが起きる…!
…という「発酵文化人類学のその後」のストーリーになっています。
紙の雑誌では普通ありえない長尺の記事なので、じっくり読んでもらえたら嬉しいデス。ていうかめちゃ七転八倒しながら書いたので読んでね!
そして。
ある意味今回の雑誌制作の裏のフィクサーであるRe:Sの藤本さんや、タルマーリーの渡邉夫妻、今度山梨にも遊びに来てくれる独立研究者の森田真生さん、一緒に関西森歩きの会をやっている三浦豊さんなどなど、僕のリスペクトしてやまない人たちも登場しまくっています。
どの記事も熱量が高く、しかも内容が一貫しているようでけっこうカオスなのもミシマ社さんらしい痛快さ。本の最後を飾る平川克美さんのインタビューがとっても味わい深いです。
ちなみに帯の『黄金の10年がやってくる!』というキャッチコピーは、なんと新政の杜氏の古関さん。三島さんと一緒に訪ねた鵜養の田んぼで放たれた名言が、今回の発酵×経済を象徴する言葉になっています。
本に登場する新政の古関さん、福禄寿の康衛さん、タルマーリーの格さんはじめ、全国各地の僕の大好きな醸造家たちは、いつでも前を向いて未来を信じている。
社会の流れが反民主主義的に傾き、テクノロジーの急激に発展に起きざりにされ、人口がどんどん減っていく。たくさんの不安に取り囲まれて「どうやって生きていこう?」と不安になった時に、なぜか田舎の片隅の小さな蔵のなかに揺るがぬ未来が見える。
ありとあらゆる苦難を乗り越えて、何百年も続いてきた発酵文化には不思議な安心感とポジティブなエネルギーの渦があります。微生物と人間がともに作り出すその発光に僕の人生は導かれてきました。
前を向いて未来を信じる。黄金の10年間を自分の手で育てていく。
そんなメッセージがビシバシ伝わるミシマ社の雑誌『ちゃぶ台』。速攻でゲットしてね。あと面白かったら僕にコメント下さい。
ミシマ社の皆様、Re:Sの藤本さん、秋田の醸造家の皆様、お世話になりました!
後藤正文さん『凍った脳みそ』と『ミシマ社の雑誌 ちゃぶ台vol.4 「発酵×経済」号』が発売になった喜びで、脳が溶けて発酵してアフロが生えてきた営業ボーイズ。ゴッチさんごめんなさい。https://t.co/PCPm72fIaQhttps://t.co/mAK7UjGKTs pic.twitter.com/hcCWtGYhWv
— ミシマ社 (@mishimasha) October 19, 2018
余談ですけど、日本の発酵のシンボルであり僕の研究している麹菌(ニホンコウジカビ・Aspergillus Oryzae)は、顕微鏡で見るとアフロヘアをしています。
お米からピヨーンと胞子が伸びていって…
先っぽはこんな感じのアフロボンバーヘアになっています(二枚ともヒラク撮影)。発酵するとアフロになるのは当然!ということを補足しておきますね。
ミシマ社の雑誌『ちゃぶ台 vol.4』が入荷しました。特集は菌をもっと、やわらかな経済。「毛細血管のように、体の、日本の隅々にまでめぐり、菌のように体内外の、地球上の、あらゆるところでこっそり役にたつ。『ちゃぶ台Vol.4』は、そんな雑誌でありたいと思っています。」編集部より。ぜひ。(山下) pic.twitter.com/DzEaHw8CaT
— 青山ブックセンター本店 (@Aoyama_book) October 19, 2018
みんな最寄りの本屋さんにダッシュだ!