ホームがあるからこそ、旅を続けられる。

写真はこないだインタビューを受けた英語WEBメディアIgnitionから。こんな感じのとこに住んでます。

 

ホームがあるからこそ、旅を続けられる。

今日から年内最後の「こうじづくり講座」の募集を開始しています

12/5と12/6の2回。この記事を書いている時点で半分埋まっているので気になる方は速攻でのご予約をオススメするぜ。

さて。

今年1月から恐る恐るスタートしたこのワークショップ。当初「こんな物好きな講座に誰が来るんだよ」と思っていたら、なんと300人以上にこうじづくりメソッドを伝授しておりました。

おお、おおおお〜。

こんなに一つの物事を粘り強く続けたのは、ヒラクの人生史上初かもしれないぞ。

だってね。デザイナーの仕事って「プロジェクトありき」じゃない。だから、一つのプロジェクトが終わると、その次、その次へとどんどん「新しいこと」にトライすることになる。

「色んなことやりたい」「色んなこと知りたい」という好奇心を満たしてくれるように(いっけん)見えるけど、実はその代償として「プロジェクトの責任を追うことができない」ということがある。

デザイナーは旅の渡り鳥として「じゃあ、あっしはこのへんで…」と言って、飛ぶ鳥跡を濁さずの運命にあるのだね。

いい年になってくるといつまでも「色んなことやりたい!」とだけ言っているのも進歩がない。1つか2つか「自分が責任を持って続けるプロジェクト」があってもいいと思うんだけど、まあそれが「こうじづくりメソッドの普及」なんだよね。

ちょっと話は変わって。

山梨の山奥に居を構えたのも自分にとって良い転機になったなと思う。東京にいると、無意識のうちに「いつどこに行くかわからないから、東京にいよう(←便利だし)」というマインドセットになる。それはデザイナーが「色んなことやりたい!」と新しいことを追いかけるあまり何かに地に足つけてコミットすることができない事とよく似ている。

あちこち旅した後、飛行機や電車やバスを乗り継いて僕の集落にたどり着いた瞬間に感じるのは心からの「ただいま!」だ。

僕はホームがあるから旅を続けられるタイプで、それは「微生物」というホームがあるから色んな領域で仕事し続けられる「発酵デザイナー」としてのあり方でもあるようです。

(たまには日々の雑記でも。)



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Published by

小倉 ヒラク

発酵デザイナー。1983年、東京都生まれ。 「見えない発酵菌の働きを、デザインを通して見えるようにする」ことを目指し、全国の醸造家や研究者たちとプロジェクトを展開。下北沢「発酵デパートメント」オーナー。著書に『発酵文化人類学』『日本発酵紀行』など多数。