SMALL WOOD TOKYO のあのロゴ。

こんにちは、ヒラクです。たまにはデザインの話をば。

合同会社++と、森の番長率いる沖倉製材所でやっているSMALL WOOD TOKYO。

その商品に必ず付いている↑のロゴ、実はちょっとしたストーリーがあります。

SMALL WOOD TOKYOは、シビアな現状に置かれた東京の森を「再生」させるためのプロダクトです。そしてこのロゴは、「再生した未来の森」の姿をデザインして作られています。

SMALL WOOD TOKYOのプロジェクトが成功し、50年100年と時を経た東京の森―。

それを空高く鳥の目から見てみると、このロゴのような森があらわれてくるはずです。

細くて小さい植林されたばかりの木から、ご神木のような太くて大きい木。

スギやヒノキだけでなく、ブナやコナラ、栃の木のような広葉樹も生えて、明るい太陽(真ん中のオレンジのサークル)が森全体を照らしている(←明るい未来)。

びっしりと植林されたスギ・ヒノキが日本中の山々を覆い尽くしたのは、ここ数十年のこと。

その前は、その土地の風土にあわせて、個性豊かな森の生態系をなし、そのなかで人や動物たちの営みが育まれてきました。

ところがどっこい。

放ったらかしのスギ・ヒノキだらけの森は、緑が茂っているように見えて、一本一本の木がマッチ棒みたいに細くて、地面に陽が当たらず草も生えない。そして地面は保水力を無くして、森が水を育めなくなる(←いまここ)

「いまここ」を飛び越えて、一足先に「明るい未来」を見えるようにすること。

これがヒラクの考える「良いデザイン」の定義です。

たかが板、たかが床かもしれませんが、そこには僕たちが豊かに暮らしていくためのインフラを作りだす可能性が秘められている。

一個のキューブにも、一枚のフローリングにも、「未来の素敵な森」の可能性が宿るようにと、一つ一つ手作業でこのロゴを焼印しています。

すでにSMALL WOOD TOKYOの商品を取り入れてくれたみなさま、これから取り入れる予定のみなさま、このロゴが目に入ったら「未来の素敵な森」をなんとなーくでも想像していただけたら幸いです。

 

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小倉 ヒラク

発酵デザイナー。1983年、東京都生まれ。 「見えない発酵菌の働きを、デザインを通して見えるようにする」ことを目指し、全国の醸造家や研究者たちとプロジェクトを展開。下北沢「発酵デパートメント」オーナー。著書に『発酵文化人類学』『日本発酵紀行』など多数。