発酵は、21世紀の「民藝」や「禅」的ムーブメントだ。日本的思想の系譜。

最近、雑誌や新聞はじめあちこちで「発酵が単なる食を超えて社会的なムーブメントになっていますが、小倉さんはどう思いますか?」と聞かれます。ここ数年、自分が醸造家や色んなクリエイター達と協働するなかで発信してきたことが浸透していって嬉しいなあと思います。 で。 そんなタイミングなので、食や健康より広義の発酵、つまり社会や人の生き方に対する「思想としての発酵」の可…▶️続きを読む

『ごど』のつくりかた。青森県十和田の納豆×麹×乳酸発酵食レシピ

渋谷ヒカリエの発酵ツーリズム展で話題となった、青森県十和田地方のハードコア発酵食品、ごど。展覧会期中にこのごどをつくるワークショップを開催したのですが、終了後も「ワタシもごどをつくってみたい!」という声が相次いでいるので、レシピをブログにまとめておきます。 ごどのつくりかた こんな感じのお母さんたちが受け継いできた、十和田のローカル発酵食。 材料: 納豆:1…▶️続きを読む

記憶の方舟。展覧会オープニングイベントのスピーチ原稿

4/26から始まった渋谷ヒカリエの展覧会”Fermentation Tourism Nippon”。オープニングイベントで人生初のスピーチ原稿を用意しての挨拶をしました。「かしこまりすぎてみんな寝ちゃうんじゃないかな?」と心配だったのですが、思いのほか好評で原稿を公開してほしいという要望があったのでブログに掲載しておきます。興味ある方はご一読どうぞ。 記憶の…▶️続きを読む

デザインとデザイノイド

『ミーム(遺伝因子)』という概念を提唱したことで知られる生物学者のリチャード・ドーキンス。僕はドーキンスが大好きで、なかでも『デザインとデザイノイド』というあんまり知られていない概念に強く惹きつけられている(デザイナーだからね)。 環境と時間がデザインを自律化させる この概念は、生物がどのように進化して機能や形態を獲得していくかを紐解く時に使われる。 例えば…▶️続きを読む

感性の記憶。

ベトナムを旅してきました。用事のない、久しぶりにリラックスした旅らしい旅でした。 そんななかで、とても印象的なことがありました。 中部ののんびりした街、フエを散歩している時に5ドルで泊まれるバックパッカー宿の軒先のカフェでお茶している旅人がいて、「わっ、いいなあ。僕も2〜3ヶ月何くらい仕事も金も心配しないでアテのない旅したい!」と一瞬うらやましくなったんです…▶️続きを読む