さよならタイヒバンの桃さん。出会いが引き起こす非連続のジャンプ

昨日は吉祥寺のタイヒバンへ。
牛の堆肥が店の真ん中に詰んであるという不思議なレストラン『タイヒバン』の看板シェフで、僕の「発酵デザイナーのこうじづくり講座」をいっしょに運営してくれている料理家の森本桃世。
彼女が退職してしまうということで、醸造家の仲間たちが開いた「さよならパーティ」に遊びに行ってきたのだぜ。

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ホストの醸造家たち。愛知の三河みりん、角谷文治郎商店の若旦那のミスミさん。

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手前から、山梨のお酢屋さん、戸塚醸造の戸塚さん。千葉の造り酒屋、寺田本家の優さん。このブログではおなじみ、山梨の味噌屋、五味醤油の6代目。

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イケメンに囲まれてこうじダンスを踊る桃さん。

タイヒバンで様々な出会いがありました

ちょっと手前みそな話になっちゃうんですけど、タイヒバンは全国各地の醸造家や発酵ラバーが集まるきっかけの一端になったのは僕。

発酵デザイナーも登場する2014年のソトコト『発酵をめぐる冒険』の記事で知って、一度遊びに行ってみたら「なんかすげー元気で料理がうまい女の子がいるな!」とビックリしたのが、桃さんでした(ちなみにその当時住んでいた東京の家がタイヒバンの近所)。

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それからタイヒバンのオーナー、ソーシャルデザイナーの大先輩である池田正昭さんと対談イベントをやったのをきっかけに、なんとなく知り合いの発酵界隈の仲間たちが集まる店になり、そのうち超ロングラン企画『発酵デザイナーのこうじづくり講座』が始まり(なんと毎月2回開催が二年近く続きました)、そうこうしているうちに桃さんが日本中の面白い醸造家や料理家やクリエイターをどんどん呼び寄せて、「発酵界の秘密サロン」みたいになっていました。笑

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タイヒバンでの一コマ。
ミスミさんの右隣が桃さん。左隣はソトコトの特集に声をかけてくれた元編集部の山本あずさ嬢。生きてるかーい?

元々パワフルだった桃さんですが、発酵&微生物との出会いによってどんどんナイスな料理家へとブレイクスルーしていく様子は、間近で見ている身としては衝撃的に面白過ぎだったぜ。
最近タイヒバンでご飯を食べた人はご存知だと思うのですが、桃さんにしかつくれないユニークでグルーブ感溢れる食の世界がそこにはありました。

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ロフトワークのイベントで一緒に披露した発酵サイエンスプレート。アート…!

出会いの場と、飛躍の場と

えーとね。
僕にとってタイヒバンで遊んだ2年間はすごく大事な時期だったなと。
東京から山梨に移ってライフスタイルが大きく変わったけど、タイヒバンと桃さんのおかげでいつでも仲間たちに会えたし、新しい出会いもたくさんあった。

お店に行くたびにカウンターで桃さんと発酵食品の新しい使いかたを研究するのも楽しかったし、メディア取材の会場としても色々融通してもらった(オランダのテレビ取材まで来た)。

そんな感じで僕にとってもありがたい場所だったのもあるけど、たぶん桃さんにとっても大事な2年間だったんじゃないかなと。

思うに人の進化って非連続的で、ずっと継続的に右肩上がりなんてことはない。
停滞したり落ち込むある時期が経た後に、ある瞬間、思いがけない出会い、思いがけないインスピレーション、思いがけない自分の能力に気づいて、非連続のジャンプが起こる。

本当に大事なジャンプが起こる回数と機会はそんなに多くはない。
でもそのジャンプを経た後には、世界は違って見える。自分が何ができて何ができないか、前よりも「ジャストサイズで」見ることができる。

最初に出会った時から桃さんの顔付きはいくぶん変わったように見える。それはきっと、タイヒバンを通して「非連続のジャンプ」を経験したからなのだと思う。
(それか微生物が好きすぎて何かが壊れたか。汗)

 

桃さん、おつかれさまでした!次の舞台でも活躍してね。
…とその前に、今週末ラストの『こうじづくり講座』よろしく!

PS: この流れで「講座、若干の空きが出ました!」とアナウンスしたいところだが、今回はキャンセル待ちの人すらアテンドできなさそうな満員具合。最後にみんなで桃さんを胴上げしたいと思っています。

 

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