発酵と豪族2.0とこじらせ〜2015年の記事11選〜

2015年最後の更新です。
5年のあいだあれやこれやと好き勝手なことを書いてきましたが、今年は本当にたくさんの人にブログを読んでもらえた一年になりました。ほんとどうもありがとう。

ということで、2015年の思い入れ深い記事を選んでみました。10とかに揃えるとキレイだったのですが、これ以上絞れなかった11エントリー。

年越し、時間があいた時にご一読ください。

2015年を振り返る11エントリー

・『豪族2.0』〜中央を離れ、理想のクニをつくる実力者が生まれる

タルマーリーの格さんとの会話から生まれた、「新時代の地方豪族」のアイデア。
greenzの記事にも飛び火し、日本各地に広まっていきました。鳥取の智頭や、岡山の西粟倉、高知の嶺北、兵庫の神戸、山梨の甲府、千葉の神崎やいすみ、岩手の遠野などなど、愉快な豪族たちが台頭してきた一年だったと思います。激動の時代にこそ傑出した才能があらわれてくる、というのはほんとだね。

・改めまして、山梨の山の上の我が家はこんなとこ〜自力で家をつくるという根源的な楽しさ

今年は生まれ育った東京から山梨県甲州市に引っ越しました。
廃屋同然の家を自分でリフォームしてみたのですが、それが予想以上にエキサイティングでした。人間はほっとくと何でもつくってしまう生き物なんだと再確認。

・そもそも麹(こうじ)とは何か? 和食のエッセンス、ここにあり!

和食のベースとなる不思議な菌のカタマリ、こうじの解説記事。
今年はとにかくこうじにハマりまくった。素人でもできるこうじづくりメソッドを350人の人に伝え、「こうじづくりムーブメント」が静かに始まっていった一年でした。

・ファシリテーションの落とし穴。「正解探し」のワナに陥らないようにするツボがある。

ここ2〜3年『ファシリテーション』の技術が広く普及していきましたが、「ファシリテートされているフリがうまくなる」という弊害もあるよね、というお話し。
ちなみに僕も色んなとことでファシリテーターを務めてきましたが、2015年をもって辞めることにしました(←才能ないから)。

・「面白いヤツ」のニーズが高まると、社員の概念が変わる【後半】

WEBにおけるコンテンツビジネスが隆盛し、「面白いヤツ」が資源として取引されるようになる。そして出てくる「菊池寛フラッグを誰が取るか問題」。糸井重里さんという「信長」がやがて舞台を去り、ドワンゴの川上さんとクラシコムの青木さんが数年内に頂上決戦をしそうな気がしております(結構本気の予想)。

・僕がオワコン化する理由。報酬は今でも未来でもなく、過去に支払われる。

2015年は色んな媒体で毎週一本のペースでコラムを書いていました。
途中かなり息切れし、「もう書くことなんてねえ」とやけっぱちになって書いたエントリー。自分でもビックリするぐらい共感を呼びました。みんな、気をつけないとすぐにオワコン化しちゃうよ。

・酒とファッションはよく似ている。トレンドという逃れられぬ宿命。

今年の農大の研究テーマは日本酒醸造。色んな土地でお酒を飲んでみて感じたこと。
酒は芸術でありファッション。唯一の正解はないが、時代によって移り変わる「好み」は確実に存在する。ちなみに今年は西の日本酒のエキスパート、「日本うらら」の道前さんという剣豪との衝撃の出会いがありました。日本酒道はマジで奥が深ぇ…!

・なぜ20歳の大学生の多くが「安定」を望むのか?そこにはちゃんと理由があった。

振り返ってみると、2015年はそれまでよく書いていた「働きかたに関するエントリー」が少なかった(おそらく発酵デザイナーという仕事が特殊すぎて何も書くことがなくなったのかも)。そんな数少ないエントリーのなかで最も読まれたもの。
僕の在籍当時、母校には野良犬みたいなヤツがいっぱいいましたが、まだ彼/彼女らは生存しているのでしょうか?

・朝日新聞の仕事の依頼が、あまりにも専門家を軽んじていた件について

専門家の知見は、どのように取り扱われるべきか?
目に見えないものに対する価値付けと、既存のメディアに対する認識の移り変わりを考察したエントリー。社会性の高い内容のせいか、普段僕のブログを読まないような人たちに拡散して一時問い合わせフォームのメールボックスが決壊しました汗。

・地域におけるゲストハウス経営の罠。向かい合うな、前を見ろ。

今年は日本各地でゲストハウスが生まれました。その事自体は喜ばしいことなのですが、実はゲストハウスはゴリゴリの仕組みビジネスなのでちゃんと作戦考えないと淘汰されるぜ、というお話し。かつて僕自身がゲストハウスをやっていた頃を思い出して楽しく書きました。

・なぜKEYくんは「隣り合って」座るのか?『東京タラレバ娘』の倫子さんが不憫すぎる件

今年書いたなかで一番気に入っているエントリー。
「ビジネス取引」に疲れて愛を求めるのに、そこでも取引のルールで振る舞ってしまう悲しいこじらせ女子のサガ。それを克服するためには、向かい合うのではなく隣り合って座れ!という文化人類学的考察。ぜんぜんいいね!とかリツイートされないかわりに、知り合いのタラレバ娘から個別にメッセージや相談が寄せられた「色んな意味でアツく、イタい記事」でした。

ということで。
振り返ってみると、発酵と豪族とこじらせの話に集約された2015年でした。
来年も発酵していきたいと思います。プクプク。

それでは良いお年を!

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