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東京が「ノスタルジーの街」になる近未来。

『発酵文化人類学』の出版ツアーで全国行脚するために仕事の8割を4ヶ月くらいお休みにしてしまったので外に出る用事がないとけっこう時間があります。ヒマな一日は朝からBBCニュース見てバイオとかフィンテック関係の記事を読んで、昼に本を読んだり辞書引いたりして夜にyoutubeとかamazonプライムで映画や動画見たり、のんびりしているようでわりとたくさん情報をインプットしています(あと発酵の仕込みも)。

直近の目的のないインプットは後でわりと役に立つ、はず…!

・ヒマが大事だ!誰よりも自由なネズミについて

東京から距離を置いた場所で暮らして、かつ海外に仕事で行く機会が増えてきたいま思うのは「東京は最先端の街ではない」ということ。東京はヨーロッパやアジアの地方都市とだいたい横並びな感じになってきたのではないかと感じます。何か新しい情報や出来事は東京を経由しないて海外のどこかの街で直接出会うことになる。

この実感は地方に住むとより強くなります。

「東京が最先端の街じゃなくなった」ということは「東京に暮らしていたら自動的に新しい情報がインプットされる」というメリットが減少しているということかもしれません。東京で忙しくしているより、地方でのんびり暮らしているほうが何か新しいことを学ぶにはいいのかもね(東京で暇な人はある意味最強だけど。クラシコム青木さんとか)。

こないだもブダペストの学会に行ったら、アジアからの若くて元気で感じのいい街場のボーイズ&ガールズな研究者がたくさんやってきて、レベルの高いプレゼンテーションをしていました。日本は僕が一番若いくらいで、大半がおじさん…!
東京が象徴的ですが、日本全体で新しい世代の芽が育たない現象が起きているかもしれない。

・二極化する20歳の世界観。早稲田大学で三年間講演をしてわかったこと。

1970年代のタルコフスキーの映画『惑星ソラリス』のなかで未来のメトロポリスとして描かれた東京も、コンクリートが黄ばんで劣化していくとともに、どこか古ぼけた景色になっていく。東京のストリートカルチャーをいっぱい吸収して自己形成してきたヒラクとしては寂しいことだけど、東京は「ノスタルジーの街」になっているし、これからその流れはさらに加速するのだろうね。

でもさ。
何か新しいことに興味を持てば自然に視点が外に開くわけじゃん。そしたら元気に未来へ向かっていくアジアはじめ他の文化に学ぶことがたくさんあるということだから、なかなか楽しい時代が始まっていくのだとも言えそうデス。

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