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事業承継という「普遍的課題」。受け継ぐってのは難しい。

いや〜、あづいですねえ。
こないだ、暑気払いもかねて多摩信用金庫の長島さん主催の「事業承継を語る夕べ」に顔を出してきました。

そういえば、ヒラクの仕事ってば「事業承継」に関わることが多いじゃんよ。

きっかけは、長島さんとの世間話。

「いまね、地場産業の現場で超重大な問題はね、事業の代替わりなんだよね」

「へえ〜。親父世代から息子(娘)世代にバトンタッチができないと」

「うんうんそうなのよ。うちでも後継者塾とかやってるんだけど、なかなか難しくてさあ…」

「………」

「よく考えてみれば、ヒラクくんの仕事って『事業承継』に関わるの、多いよね」

おぉ、そういえばそうだなあ。五味醤油しかり、美学校しかり、そして最近はAUGUST BEERもそうだ。発酵物産展も、そもそもは「若旦那の新商品開発の場にする」という意図があったりした。

僕は、大都市圏から離れた地方の、「老舗のローカル企業」から仕事をお願いしてもらうことがよくある。で、いろいろ話を聞いてみると、「下の世代にバトンを渡す」というプロセスで悩んでいるケースがなんと多いことか。

なんでそんなに「受け継ぐ」にが難しいのよ?

ってことだよね。これは分解してみると、3つくらいにレイヤーが別れるのです。

1.世代の気持ちのすれ違い。ex:「あいつにはまだ仕事を任せられん」「親父はアタマが固すぎる!」

2.「家業を継ぐ」ということが当たり前じゃなくなった。ex:「オイラ、東京の大学出てヒルズ族になるっちゃあ!」

3.ローカル企業を取り巻く環境が激変しまくっている。ex: 発注元の大企業が、東南アジアに工場を移した or 潰れた

これに対して、ではどうやったら事業承継がなされるかというと。

1.親が弱る。病気になる。子世代が研鑽を積んで人格者になり

2.東京で過労&うつ病っぽくなって「やっぱ実家の空気を吸いてえ…」と戻ってくる

3.これが難しい。センスの良い後継者がデザインを一新して、従来の下請けビジネスから小売のB to Cビジネスを始めて注目を浴びたりすると、地域のナントカコンサルとか自治体のナントカ振興課が「これが地方経済における正しいイノベーションでなんちゃら…」と吹聴してまわるけど、センスというものはノウハウ化が難しいので他のみんなは「いいな〜」と指を加えているか、相続の問題が深刻すぎてそれどころじゃなかったりするケース

確かに考えてみれば、「事業が受け継がれる」ことの背景には様々な障害が潜んでいるのだね。
長島さんいわく、日本全国津々浦々、この問題は山のように山積している(←過剰重複表現)。そこで、地方金融機関とか、民間の団体なんかが「この問題って、もはや当人だけでは解決できなくね?だとしたら、ウチらがおせっかいするしかなくね?」と、気付き「お金とノウハウを持っている篤志家たち」が、親子間のわだかまりを解決するために日夜走り回る…という状況が生まれつつあるのだよ。

いやはや。日本の地方経済ってのはそういうとこ本当に「共同体的」で面白いよな。

で。
こないだは、そういう篤志家の集団である「事業承継センター」のみなさまにお会いしたのでした(世の中にはそういう機関があるんだね。「日本発酵推進機構」の人たちに会った時依頼の衝撃だったぜ)。

でもって。お会いした後どうすんのよ?という話ですが、何か一緒にプロジェクトをやるぞ!みたいな感じになっているのよ。
重大な問題ほど、空気のように見えなかったりする。でも、一度そこが見えるようになると、色んな可能性が見えてくる。「事業を受け継ぐのがムズカシイ」という課題には、実はたくさんのチャンスがあるのかも。

それでは事業承継センターのみなさま、近々ブレストいたしましょう〜。

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