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「今日の自分はイマイチだ」と早めに見切りをつけるのも芸のうち。

長い一週間だった。

月曜の早朝に東京を出発して千葉神崎の寺田本家へ。そこで現代の世話焼き番長但馬さんやソトコト編集部のあずあず達と一緒に「オトナの合宿」。翌日は飛行機に乗って吹雪で真っ白の山形鶴岡へ。デザインを手がけた「かわらチョコ」のお披露目会や次のプロジェクトの打ち合わせ。鶴岡出身のセンスフルな料理家マツーラさん宅でおいしいご飯を食べて、今度は宮城加美町へ。民ちゃんのお母さんの裕子さんが主催する「里山文庫」の新しい企画の話をして、東京へ戻った週末は、「こうじのうた」実写版PVの撮影@サイバーエージェントオフィス→映画「リトルフォレスト」の上映記念トークイベントの司会@かぐれ表参道。

つつつ、疲れたぜ。
普段から旅慣れはしているけれど、ここまで色々連続することはあまりないので、グッタリ。

さて。
ハードワークな一週間の最後は映画「リトルフォレスト」のトークショーだったのですが。
実を言うとあんまりうまく司会ができなかったのだな(かぐれの皆さま、出演の森監督、風土農園のまゆみさんすいません汗)。

その前の鶴岡のトークイベントで全力を出し尽くして、若干「山王工業戦後の湘北高校」みたいになっておりまして。普段は「こういう論点で、こういう質問の切り口で、こういう風に出演者の発言を掘り下げて…」と何手か先を読んで話を進めていくのだけれど、昨日はどうしても思考に靄がかかってしまって、通常の解像度での司会進行ができなかった。これはひとえにフィジカルコンディションの不調が原因でした。

にも関わらず。
やはり僕は司会芸人として成長しているなと思ったのよ。

なぜかというとですね、イベントが始まって数分後には「今日の自分は不調である」という状況を客観的に把握して「次善策」に切り替えていたからね。
昨日出演した森監督と風土農園のまゆみさんの二人は、話が面白いのはもちろん「質問するのが上手い」タイプの人だったので、途中から二人の間で話の掘り下げが起きるようにまるっとコミュニケーションを委ねる作戦に出たのでした(出演者自体が「インタビュアー気質」だったからできたことなんだけどね)。

ちょっと前の自分だったら、パフォーマンスが不調なときは「どうやったらパフォーマンスを不調でなくせるか」とジタバタあがいていた。しかし、不調というのは、何をやっても事態が好転しないから不調というわけですよ。だから正解は「不調である事を早急に認め、不調の状態でも選択できるセカンドオピニオン」に急いで切り替えることなんだよね。

これがね、ようやくできるようになった。
なぜできるようになったかというと、場数を重ねて「自分のできる限界値」を正確に割り出せるようになったから。ボーダーが割り出せるようになると、自分の能力に対しての「過度な期待=これは本当のオレじゃない!」や「過度な卑下=どうせやるだけ無理だし」に陥らず、ちょうどいい塩梅の振る舞いをすることができる。

で。そういう振る舞いをすることにどんな意味があるかというと、「好調不調に関わらず80点以上はキープできる」ということで、つまり「パフォーマンスが安定している」ということになる。パフォーマンスが安定していると、座敷に安定して呼ばれることになり、それが芸人が芸人たるゆえんなのだな。

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