「ホメオスタシス」をハッキングせよ!
今日は「定例++ミーティング」の日。ふだんはあちこちへ飛び回っている++のスタッフが集まって「最近どうよ」という話をする(意外にも、もっとも事務所にいるのはヒラクで、安田さんは山へ、小田原さんは川へ…じゃなくて取材であちこちの街へ飛び回っている。)
議題は「合同会社++の経営」について。
会社を立ち上げてはや数ヶ月、あれやこれやと仕事をしてきた結果を踏まえつつ、「来年以降の売り上げ見込み」を吟味する。それがなんと、立ち上げの投資がかさんで苦しい年末を乗り切ると、ちゃんと事業計画通りの収益が上がることは判明。しっかりと「会社らしい経営」になりそうなのですよ。
フリーのデザイナーや編集者が集まった「個人事業主連合」が、名実ともにいよいよ「会社」になりそうなのです。これはけっこう感慨深い。思えば今年の3月、安田さんと会社の立ち上げを決意した頃、二人で事業計画らしきものを作ろうとなぜか代々木のカフェで延々話し込んだのが懐かしい。その時は「月100万円(二人で)ってどうやって稼ぐ?」みたいな感じでした(普通、個人事業主ってそんなもんよ)。
それが今やどうですか。個人事業主時代には考えられない規模・クオリティの仕事をばしばしとこなしている。短期間でどうしてこういうブレークスルーが起こったのか、そこにはおそらくシステム論的な理由がある。
「ホメオスタシス」という概念があります。これは日本語では「恒常性維持機能」といって、「自分がムリしなくて良い状態に均衡をとる」というシステムのこと。「フツーのひとが、ギャンブルや宝クジで大金を掴んだ後に破滅してしまう」というケースは「金銭欲にまみれて堕落した」ということではなく「自分のスタンダードを遥かに超えるお金」に耐えきれなくなって「ホメオスタシス」のレベルを通常値に戻そうとする作用である、なんて解釈されることもあります。そのシステムに従って考えると「30万円が必要」と思っていると「30万円を稼ぐ(稼げないこともあるけど)」。で「30万円のお金に見合った生活をする」。これが「均衡がとれている」状態なわけです。
でね。今思い返すと会社を立ち上げることで「ホメオスタシス」をある種「ハッキング」して限界レベルを押し上げた、というのが今の状態なのです(多分ね)。
リアルな話で恐縮ですが、「会社を経営する」って、「自分が生活するだけ稼ぐ」のでは足りないのです。なぜなら「未来のために投資するお金」をいつも作り出していかなければいけない。
「地営業」のプロダクトを流通させるお店をつくるために、場所を借りる資金をプールする。「地営業者」の経済を展開させていくために、人が働ける資金をプールする。その「未来をつくるためのお金」が自分のホメオスタシスレベルをぐぐっと押し上げていく。そうすると、今まで「こんなもんじゃろ」と思っていたスキルや思考のフレームがブレークスルーする。
「宝くじ」の場合は「過剰」のよってレベルを下げたわけですが、++の場合は「不足」によってレベルを上げた。そんな感じのことが結果的に起こったのではないかと思うわけですね(後付けだけどさ)。
僕はもともとあんまし野望がないから「自分のため」だと「ぼちぼちでよかろ」と思う。だけど、「未来の素敵なサムシング」とか「隣の誰か(一緒に働くひと)」という「自分以外のこと」のためだったら意外にやる気を出すんですよ(それも一周回って自分のためという話もある)。
それってなんか不思議だね、ということを書いて気づいたら「自分の必要とする以上に稼ぐ」なんて、昨日の記事と逆なことを書いちまった。うおォン。