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垂直構造と水平構造〜社会の移行期に起こるであろう混乱について考える

こんばんは、ヒラクです。

昨日は、greenzのナオさんと、ブラウンズフィールドの磯木さんと一緒に五日市の沖倉製材所へ。
で、帰り道に、こないだ書いたナオさんの本の読書評の話もあって「リーダー」と「組織」の話が盛り上がりました。

「垂直組織」と「水平組織」。

今まで、組織や社会は「垂直構造」で動いてきました。
垂直構造ってのは、言い換えると「憧れ」で物事や人やお金が動く仕組みです。

例えば、カリスマ的なリーダーがいたり、権威を持っているエラい人がいて、そういう人に心酔したり、オレもなりてえなあ…という「憧れ」。
で、こいつが「垂直運動」を起こすわけですよ。上から命令とかおこぼれがトリクルダウンしてきて、下はそれを預かって働く。へいこらするのがイヤな人は、頑張って上に登る。で、ポストを奪われた人は寝首掻かれて下にいく。
その上下運動が、井戸水のようにエネルギーの移動を促します。

で、僕たちの見解では、最近は「水平構造」で社会が動き出す気配があるなと。
水平構造ってのは、言い換えると「共感」で物事や人やお金が動く仕組みね。

まあ組織でいえば「フラット」ってことだし、明確な指揮系統があるよりは、フラット上に並んだメンバーの自律的な行動でプロジェクトが動き、成果が出る。
じゃあこうなった時に、リーダーは必要なくなるかというと、そうではなくて「みんなを引っ張る人」から「ファシリテーター」に役割が変わる。
つまり、自律的な動きが組織の中で一貫した束になるように、目指す先や意識の流れを調整していく。そして、自律的な動きができるような「学びのプロセス」を設計していく、という役割を担うわけです。
このモデルって、必ずしも利益を上げることが目的でない組織・コミュニティ(わかりやすくいえばNPOとか地域共同体とか)にとっては有効だと思うんですよね。だって「給料とか肩書」をエサにして合意形成ができないんだもん。

でも。
水平構造は、とにかく手間と時間がかかるし、コミュニケーションの絶対量を増やさなければいけないからめんどくさい。
なんだけど。もし一度確立されると、そのチームは相対的にタフになるんでないか…と予想しつつ僕たち++もかなりフラットな組織運営をしているのですが。

垂直構造に疲れた人にこそ、垂直構造が染み付いている。

独立してから、仕事について悩む人たちの話をたくさん聞きました。
そしたらさ、「垂直構造のパワーゲーム」にうんざりしている人って、たくさんいるんだよねえ。

給料の低さとか、労働時間の長さよりも、エネルギーの流れそのものに感じるストレスが転職や独立を考える原因になる。

「自分のやっている仕事に意味を見いだせない=ちゃんとした説明無しに上から降ってくるから」

「人間関係に傷つく=勝ち負けや比較で関係性が決まるから」

なんですよね。
まあその気持ち、わからなくもない。

けども。
恐るべきことに、そういう「垂直構造」の中でキャリアの初期を過ごした人は、実はその構造から抜け出すことが難しい。傷ついていればいるほど、なおさらその構造から抜け出せなくなる。

それはなぜか。傷ついたりストレスを感じたことに対しての「意味」を見出そうとするのがひとつ(辛いまま数年を過ごしたことを「無意味だ」と決めつけることは普通できない)。
もうひとつは、垂直構造は、思考停止状態でもサヴァイブできるというメリット(意味がわからなくても仕事は降ってくる)。

この2つはたいがい複合技になります。
思考停止状態でも仕事は進む。ストレスを感じつつしかし時間は経過する。そして思考停止状態の数年間を自分の人生にどう位置づけて良いかわからない。
結果、「垂直構造から抜け出したいけど抜け出せない」という状態が発生する。

垂直→水平の移行期に混乱が起こる。

さて。これから水平構造の社会が少しづつ増えていったとして。
移行期に混乱が起こります。つまり、「垂直構造にうんざりした人が水平構造に行ってもそこに馴染めない」という現象です。
自分が見捨てたはずの仕組みを、水平構造のなかでも望むことになる(ルールに縛られたいとか、自分の仕事を細かく振ってほしいとか)。
思考停止状態は維持したいけど、ストレスは取り除きたいという願望ですね。

でもね、たぶんそれ上手くいかない。
だって水平構造の仕組みが必要な理由って「関わる全員が自律的に行動するため」なんだもん。

で、話は戻ります。
フラットな組織のなかで求められるリーダーの資質として、「垂直構造に慣れた人を、じわりと水平構造に誘導する」みたいなテクが必要とされるかな、なんて思ったり。

……まあ、今までの話はあくまでの僕の主観であって、現実どうなのかはこれから証明されます。

ここ、合同会社++で(ドキドキ)。

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