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夏の読書感想文。21世紀の民俗学、数学する身体。私小説の未来について

ツイッターで散発的につぶやいた読書感想文をブログにまとめなおしておきました。
夏の終わりの読書の参考にどうぞ。

21世紀の民俗学

畑中章宏さんの『21世紀の民俗学』を読む。
セルフィーとざしきわらし、事故物件と闇インターネットサイト、宇宙葬と野尻抱影のロマン主義と時代を超えた事象が「民族の感情」という紐で結ばれていく。

特筆すべきは各章の読後感。自分の感情が虚ろな空間にすっと消えていく不思議な感じ。
この本を読むこと自体が、妖怪に遭遇したような、狐に化かされたような「なんともいえない妙に乾いた心持ち」になる行為。引用や事実公証を淡々と積み上げているのに、まるで昔の怪談を読んでいるような感じになる…って、そうか!杉浦日向子さんの漫画『百物語』の読後感によく似ているんだ

最終章で畑中さんが民俗学の再定義をしているのですが、最大の焦点は「民俗を過去形として語るか現在形として語るか?」。
「過ぎ去ったものを保存・体系化する」という民俗学のアーカイブ性から一歩抜け出して、民俗を「今まさに生成されているもの」と見なす。

この視点は、僕が『発酵文化人類学』を書いた時の視点とよく似ていると思いました。発酵文化を「守り継承していくべき日本の伝統」と捉えるか「今まさにダイナミックに変わっている現在進行系のカルチャー」と捉えるか。僕が興味あるのは断然後者。僕にとって発酵は現在進行系カルチャーで、畑中さんにとって民俗もまた現在進行系カルチャーなのでしょう。

無線音響技術が進化することで、無音の盆踊りが生まれる。それを「不気味」だと片付けるのではなく「これはこれで風情があるのではないか。ていうかそもそも盆踊りって静かなものだったし」と捉え直す。これが畑中さん特有の「アクチュアルな視点」。僕が畑中さんの本を読んでいつも感銘を受けるところです。

数学する身体

ずっと読みたかった『数学する身体』を読む。
思った通り、というかそれ以上に素晴らしい本でした。「数学を読み解く本」というよりも「世界を数学という方法論で読み解いていく本」。数学の系譜を辿りながら人間の心の起源が解き明かされていく。視点はもちろん文章から湧水のように溢れる感性が素晴らしい。

「数学について知りたい」というニーズを満たす数学の本はたくさんあっても「自分と世界について知りたい」というニーズを満たす数学の本は稀有なのではないかしら。普遍性を持ち得る専門書は、その専門領域の窓を開けた先に「自分と自分の生きる世界」の景色が見えます。

「本を読む」という行為を突き詰めてみると「知識を得る」のその先の「自分のことを知りたい」という根源的な欲求があります。
その道に至る方法は主に3つあってだな。① 哲学というドアから入る ② スピリチュアリティというドアから入る ③ 各種専門領域のドアから入る の3つです。自己啓発本の大半は①のフリをした②で、比較的量産が簡単なヤツです(本気の①と②は書くにも読むのも気合がいる)。

しかしだな。まっすぐに「自分とは何か?」という問いに向かう道とは別に、全く別の山に登りながら、ある瞬間に「これはもしかして自分のことなのではないか?」と思わせる景色が出現する、という間接的アプローチがあります。これが③であり、「数学する身体」です。

「数える」「図を書く」「証明する」という具体的な行為を掘り下げるとともに、「わたしの心」のアウトラインが浮かび上がっていく。入り口は「数学」という専門領域ですが、その先の道は全ての人に開かれています。その事を直感できるセンスの人たちに広く読まれていく本なのでしょう。

さらにスゴいのは、実はこの本は作者にとってはまだ「準備体操」であること。チューリングと岡潔を語ることは実は森田さんにとっての「自己紹介」で、近い未来必ず「自己紹介は済んだので、じゃあ次行きましょう」というマスターピースが来る予感しかない。いやあこれは宝物のような才能だなあ。

私小説の未来について

こないだ甲府で山梨在住の小説家の荻原さんと「私小説を書くこと」についての話をした時に考えたことのメモ。

自分の体験を通して内面を掘り下げていく私小説というフィクションの様式は、SNSやブログにおいて完成したのではないかと僕は思います。「自己の心の揺れ動きがコンテンツになる」という点においてWEBは最強。江戸時代の小説は南総里見八犬伝や雨月物語のようなファンタジーですが、近代になってから「著者自身の体験から人間の内面を探索する」という私小説が日本文学の主流になります。

そしてその帰結はtwitterやブログなのではないかしら?人間の心理に敏感な感性は小説ではなくWEBに向かう。だから現代における私小説(が目指したもの)の王道は、はあちゅうさんのような人なのではないでしょうか。自分が何かを体験して、そこで感じたものがそのままダイレクトにコンテンツになる。その意味で、小説よりもtwitterやブログのほうが「私小説なもの」としてインターフェイスが優れています。

さて。
私小説の必然が崩れた時に「フィクション=小説を書く」行為がどこに向かうかというと「社会構造の死角を照らす」とか「民族や歴史の業を描く」という個人の身の丈を超えた対象に向かうか、ケータイ小説のような「泣けるツボを強制的に押しまくる」みたいなものに二極化していくのかもしれません。

「民族や歴史の業を描く」という小説の役割で言うとミラン・クンデラやアゴタ・クリストフのような亡命作家がヒントになりそうです。
両者ともに「生き延びるために母国語を捨てる」という決断をした上で「現実を虚構の下に隠す」という戦略を取りました。小説は自己表現ではなく止むに止まれぬ選択でもある。

大国から侵略を受けたり独裁政権がはびこる小さな社会から奥深いフィクションが生まれることがあります。これはノンフィクションを語ることができない止むに止まれぬ事情から、現実をフィクションに託さざるを得なかったということです。

小説を書くということは「なにかを隠す」という行為でもある。

直感ですけど、新世代の小説家はこれまでの私小説とは違うやり方で「歴史や民族の業」に向き合うことになるのかもしれません。過去に私小説という形式で「自分の物語」を語りたいという欲求はWEB界に移行する。それでも小説というフィクションを選ぶ人は何か別の使命を負うことになる。

…と考えてみると丸谷才一さんの『裏声で歌へ君が代』『輝く日の宮』なんかは、ものすごくアナクロなことをやっているようにみえて、実は近代以降の私小説のトレンドが終わった後のフィクションの先取りをしていたのかもしれません。その延長線上に村上春樹さんの『1Q84』のような世界観が出てくるのではないでしょうか?
(とか偉そうに書いてみたけど、僕さいきん全然フィクション読まないんです。誰か面白い小説をオススメしておくれ)

 過去と未来のキャッチボールについて

『21世紀の民俗学』や『数学する身体』にあわせて、安田登さんの『あわいの時代の論語』をもっかい精読。論語という古典を通してシンギュラリティや身体拡張性という現代的なテーマを重ねてくる視点もまさに「温故知新」。

過去と未来のあいだでキャッチボールをしながら「いま」があぶり出されていく。
これが読書をする醍醐味の一つ。

「いま」という時代を精度高く見るためには自分の生きている時間だけでは足りない。だから何百年も時間を遡ったり、未来を想像してみたり、さらに遡った時間と予測した時間を同じ定規で測り直したりしながら「いま」を逆算していく。

「いま」は生身の眼だけでは見えない。
だから未来と過去のレンズを使う。その時に本は優れたガイドになってくれるんだな。

 

『夏休み!発酵菌ですぐできるおいしい自由研究』を持っている人へ呼びかけ。

ヒラクです。山梨の山の上な夏の盛りを過ぎてずいぶん過ごしやすくなりました。

今日はみんなに呼びかけのブログです。
今年の6月に出た『夏休み!発酵菌ですぐできる おいしい自由研究』について。これは去年末に図書館用に出した自由研究本が好評で、それを一般向けに出したものです。
おかげさまでこっちも好評でたくさんのご家庭で自由研究に使ってもらっているようです。どうもありがとう!

その中で、酵母液からパンをつくる実験をしていた親子から「ガラス瓶に材料を仕込んだら、数時間で破裂するほど発酵が進んだ」という問い合わせがありました。
レシピではずっと放ったらかしにしないで一日一回は瓶をあけて材料を混ぜるように書いておいたのですが、暑い夏の環境の場合ものすごく短時間で酵母の発酵が進むことがあります。
なので、30℃近い夏の環境で仕込む時は

・市販の丈夫なガラス瓶を使う(食材やジャムの瓶の使い回しをしない)
※それでも心配な場合は炭酸水用のペットボトルを使う
・フタをゆるめに締める
・泡の出具合を見ながら数時間ごとに瓶の様子を見てガスを逃がす
・発酵が進みすぎて心配になったら冷蔵庫に入れる

ように注意してください。
親子でやっても成功しやすいようなレシピにしてあるぶん、発酵が進みすぎた時には泡が吹きこぼれたり瓶が割れる可能性もあります。僕はIKEAで売っているジャムや酵母液を仕込むようのガラスジャーを使っていますが、これぐらい丈夫だとまず瓶自体が割れることはありません。とはいえ発酵菌は複雑な生き物で、人間の知識の及ばないところもたくさんあります。「単に料理をつくるのではなく、生き物を扱う」という心持ちで実験してもらえられば嬉しいです。

今回のようなケースが再発することを避けるために、出版社の編集部と相談して本を一度回収して訂正シールを貼って再度本屋さんに置き直すことにしました。既に本を持っている人は、このエントリーを参考に注意して実験をしてください。訂正シールをご希望の方は、下の住所まで送料着払いで本を送ってもらえれば、シールを貼って返送します。

【商品ご送付先・お問い合わせ先】
〒101-0065 東京都千代田区西神田3-2-1 株式会社あかね書房 お客様ご相談係
℡ 0120-03-0641 受付時間 月~金(除く祝日)9:30~12:00 及び 13:00~17:00
※本の返送は8/25以降を予定しています

親子で安全に自由研究を楽しんでもらえるように、今後より工夫を重ねていきたいと思います。

フィンテックは新世代のセーフティネットなのか? polcaやVALUについて考えてみた

お盆ですね。僕は連日の出版イベントから数日間だけ解放されて、お家でのんびりしてます(お盆はイベント集客できないからね)。

さて。最近僕のSNSのタイムライン上では、VALUやpolcaなど新しいお金の流通サービス(いわゆるフィンテック)の話題が盛り上がっています。表面上は資金調達や投機の新しいインターフェイスのように思えるんですけど、その下には世界観の地殻変動があるのではないか…?
こういう新しいカタチのサービスはいったい社会(&そこに生きる僕たち)にどんな意味があるんだろう?というギモンに対して連続ツイートしたので、ブログでも改めてまとめておきます。それではお暇な方はご一読どうぞ。

VALUは個人が自分の株を上場することで、資金調達ができるサービス
polcaは少額支援に特化したハードルの低いクラウドファンディングサービス

セーフティネットとしての貨幣交換システム

polcaみたいなサービスに若い人たちが関心を持って理由は「ラクして儲けたい」ではなくて「セーフティネットが欲しい」でしょう。20人に500円づつもらった1万円は、道で拾った1万円と違います。20人が自分を気にかけてくれた結果としての1万円が欲しいのです。

手軽な小額送金サービスを使うとお金の流動性がどんどん高くなります。すると「お金を自分で所有している」という感覚が薄くなり「誰かから流れてきたお金がたまたま自分のとこにある」という感覚になる。「どれだけお金を流せたか」という利害関係者を増やすことに価値が生まれる。

つまりみんなで恩を貸し合うわけです。

「成功すること」ではなく「生き延びること」という視点がフォーカスされてきています。
成功のためには誰かに勝たなければいけないけれど、生き延びるためには味方を増やさなければいけない。味方を増やすための具体策として「お金の単位を分割し、仲間内での流動性を高める」という方法論が登場する。
社会が安定していると「個体のパフォーマンスの強弱」が重視されます。ヘマしても死なないので「個として勝ちにいく」というチャレンジが普及する。
でも社会が不安定になって再分配が上手くいかなくなると「コレクティブなセーフティネット」を個が集まることでDIYしようとする。

大きな社会の大きなセーフティネットやインフラが機能しなくなっているので、感度の高い人はオフグリッドのエネルギー供給をDIYするし、同じような発想でWEBサービスを使って経済的なセーフティネットをDIYしようとする。分割してDIYすることがリスクヘッジになる。

その流れに新しいテクノロジーが合流する。そんなタイミングに僕たちはいるわけです。

大きな流れで言えば。「成功志向のマッチョな単独の個」から「コミュニティ志向のコレクティブな個」へとこれからを生きるお手本モデルがシフトしていっているのでしょう。
推奨される振る舞いが「威嚇して勝ち名乗りをあげる」から「気前よく他者に振る舞う」に変わっていく。お金を稼いだら寄付や支援に使う。

これから「お金を稼いだら他人のために使う」という振る舞いがどんどんトレンドになっていくはずですが、これは「情報強者はレバレッジをかけられるけど、そうじゃない人はギリギリの生活しかできない」という「再分配機能の崩壊」を個人の及ぶ範囲で是正するという「揺り戻し行為」なんだと思います。

ここ数十年間の「利己的に利益を追求する世界」が大きく変わって「コレクティブな個の世界」が世界が始まっていきます。

つまり違うOSで社会が動く。
大変だと思うか、ワクワクするか。僕は当然ワクワクだ!と言いたいとこだけど本音で言えば 大変3:ワクワク7くらいです。
まだ多くの人の実感が追いついていませんが、今起きているのは「新しいテクノロジーの登場」ではなくて「生存戦略の地殻変動」なのだと思います。

【追記1】新しいテクノロジーが社会全体をより良い方向に導いてくれるかといったら全然そんなことはないと思います。フィンテックがつくり出す互助的なコミュニティは、当面は「情報強者だけが乗れるノアの方舟」に留まるでしょう。この流れとはまた別に、行政単位や自治体単位で社会福祉や教育施策を地道に見直していく努力が「なるべくたくさんの人の生存を保証できるインフラ」のために必要だと思います。
というか、それぞれの立場の人がそれぞれの役割で「より良い未来」を考えるのが必要なんじゃないかしら(あまりにも当たり前のはなしだけどさ)。

【追記2】この「恩送り」の発想は、こないだ対談した文化人類学者の小川さやかさんの著書『その日暮らしの人類学』と小川さん個人のパンチありすぎる人生から着想を得ました。小川さん、ありがとう!

【追記3】ちなみに僕のVALUはこちらから 「なんとなく始めてみました」じゃなくて、このブログで書いたような仮説をもとにしばらく使ってみようかなと思っています。

 

物書きの筋肉痛。

困ったことになった。『発酵文化人類学』を書き上げてから、ぜんぜん文章が書けなくなった。相変わらずブログは更新しているのだけど、それは本や出版ツアーの告知であって、いつも書いているような考察がぜんぜん書けない。
寄稿とか連載もぜんぜん書き進められない。なんかもう全然書く気にもならないし、いざキーボードを前にしてもさっぱり考えがまとまらない。

こないだ母校早稲田大学の広報メディアからの依頼で、学生時代からファンだった冒険家の高野秀行さんとの対談の仕事があった。対談が終わったあとの雑談タイムで、

「どうして高野さんは毎回テーマの違う本を継続的に書けるんですか?」

と聞いてみたらば、

「ものを書く筋肉ってのがあるんだよ。最初は短い本一冊書き上げるだけでやっとだけど、そのうち長い内容のものをコンスタントに書ける筋肉がつく」

との答え。そう考えてみると、僕は今、猛烈な筋肉痛なのではないかしら?
デビュー作(絵本除く)でいきなり400ページの本を書いてしまい、しかも自分の持てるネタを120%出し尽くしてしまったので「もうこれ以上特に書くことないじゃん」という感じになってしまっている。

「書き終わったとたん、また新しいインスピレーションが湧いてくるんです」
「書けば書くほど、どんどん言葉が溢れてきて困惑しています」
「これが作家としての表現欲求ってものなんですかね…。困ったものです」

とかカッコいいこと言ってみたいところだけど、認めよう。僕の創造の源泉、干上がってる!そもそも乾季のサバンナの水たまり程度しかないところに、半径30km内の動物たちぜんぶが集まって総がかりで水をペロペロしてしまった状態なので、もうカラカラ。

実は色々気になったり調べたりしているネタはあるのだけど、『発酵文化人類学』で全力を振り絞ったアベレージラインが足かせになって、ぜんぜん筆が進まない。
筋肉痛というよりは肉離れレベルのダメージなのであるよ。

実はこんなにも一冊の本を書くのに全力投球してしまったのには理由があってだな。
リスペクトしている編集者の藤本智士さんと飲んでいたときに、ふと藤本センパイが言った

「ヒラクの代表作って、今のところ『手前みそのうた』だけど、お前それの一発屋で終わらんやろ?ヒラクの次の代表作、見てみたいわ〜

という一言を聞いて「よっしゃあ、じゃあ今までで一番の大ホームラン売ったろやないかい!」と超絶に気合を入れて『発酵文化人類学』を書き下ろしたわけです。

で。
幸運にもこの本はかつてない飛距離のヒットを叩き出して、これほんとにホームランいけるんちゃうか?というとこまできているわけですが。その結果全エネルギーつぎ込みすぎてもう空っぽになってる〜!もう次どうしていいかわからなくなってる自分〜!!そんなに器小さかったのか自分〜!!!

と途方に暮れています。そのうち復活して前みたいに無邪気に発酵話とかタラレバ話とかを書き散らすことができるのでしょうか。

できなかったら僕はいよいよ本格的に人間界を離脱して菌になります。
さようなら。

【追記】高野さんに『発酵文化人類学』のことめっちゃ褒めてもらって嬉しすぎて死にそうです。わーいわーい!

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5刷目の重版出来間近!発酵文化人類学出版ツアーの現在地

丸善京都本店で行われた能楽師安田登さんとのイベントでの集合写真。超満員御礼!

いよいよ佳境に入ってきた新著『発酵文化人類学』の出版ツアー。
最近の動向をノートしておきます。

売れかたが加速しています

4/28に出版してから三ヶ月経過して、さらに売れ方が加速しています。
スタートダッシュでドン!と売れてそのあと落ち着く感じになるかと思いきや、SNS上でのたくさんのコメントや新聞や雑誌、ラジオでの紹介、名だたる本屋さんや評論家の推薦を受けてスタートダッシュのピークからさらにじわりじわりと右肩上がりで売れているそうです。
(分析してくれた編集部ハヤノさんありがとう)

5月はじめに最初の重版出来、翌月の6月はじめに三刷目、そして今月7月の中旬に4刷目の増刷。来月8月の前半には5刷目の重版出来が決まりそうです。つまり四ヶ月連続の重版出来!なんかもうスゴすぎて著者も編集チームも呆然…!

そんでもって。
ありがたいことにこれからさらにメディアでの紹介が増えていきます。あわせてなるべく全国の本屋さんにも『発酵文化人類学』を置いてもらいたいです。ちょっとヘンテコな本なんですけど、置いたらちゃんと売れるのでどうぞよろしくお願いします。ペコリ。

新しいつながりが売れています

僕のツイッターを見てくれている人はもうご存知だと思いますが、『発酵文化人類学』をきっかけに新たなつながりが生まれています。その筆頭が、情報学者のドミニク・チェンさんの新著『謎床』と能楽師の安田登さんの新著『あわいの時代の論語』との謎の「発酵トライアングル」。各地で行われた三者のIT×能楽×発酵の異次元すぎるトークイベントが話題を呼び「これは絶対にまとめてコンテンツ化したい!」というオファーが届いたので、近日また三者が集まっての超絶トークイベントが開催されます。

そして仲良しのスーパー編集者、藤本さんの新著『魔法をかける編集』の出版ツアーとも合流して関西〜九州で藤本さんチームと濃密な時間を過ごしました。 キックオフイベントとなったスタンダードブックストア心斎橋でのイベントはジモコロ編集長の柿次郎さんも参戦してなんと100人超えの大盛況! (ちなみに今回の出版ツアー、100人超えがこれで4回目という快挙。みんなありがと〜!)

この面白すぎるつながりからさらに新たな企画を立てるべく、ただいまかもめブックスの柳下おじさんと仕込みをしています。8月前半にはこのブログで皆さまに詳細をお伝えするぜ。 ドミニクさん安田さん藤本さん、どの本もめちゃくちゃ面白いよ!

9月でツアー終了!

ということで日本全国の皆さまを巻き込んで謎の盛り上がりを見せている『発酵文化人類学』出版ツアーですが、三ヶ月目を迎えて正直体力の限界が見えてきました。汗

ということで、ツアーの終わりを決めました

ラストは9/16、島根県石見銀山の群言堂での人数限定ワークショップ。そのあと出雲に行ってヤマタノオロチのお参りしてツアー終了にすることに決めたぜ。
トークイベントのラストは、9/13の山梨県甲府、五味醤油のワークショップスペースで藤本さんとの合同出版トークで千秋楽とします。

ちなみにその前の9/9には寺田本家で大パーティも開催しますのでどうぞお楽しみに! ツアーが終わったら、今年はじめから温めてきた新プロジェクトをスタートする予定。

プロジェクトの仕込みと、涼しくなって発酵菌たちがおとなしくなってくる頃なので、菌の世話をしにまた山梨の山の中に篭もります。

9/16まで張り切って全国各地の皆さまに会いにいきますのでどうぞよろしく〜!

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「先生」禁止!

発酵の講座やワークショップをやり続けているうちに、いつしか受講してくれた人から

「ヒラク先生」

と呼ばれることが多くなった。僕は自分が「先生」と呼ばれるのが好きじゃない。事実としてはいちおう自分のメソッドをもって人に色々教えているわけなのだけど、なんとなく「自分が人に教える立場」であることに違和感を感じまくっている。

えーとね。
「人に何かを教える」こと自体は否定してない(だったら講座とかやらないし)。厳密にいうと「いつでも人に何かを教える立場」であることがイヤなんだね。
「先生」というと「いつも人に何かを教える立場」であることに自分を固定してしまう感じがあって、僕はどうしても違和感を感じてしまう。

だってさ、いい歳したオトナってある程度何かの業界でキャリア積んできたわけだから何かしら人に教えられることあるじゃん。そして同時に何かしら習い事とか別のキャリア身につけようとして「教えられる立場」にもなるわけで。だから「教える/教えられる」っていつでも立場が入れ替わる可変的なものだと思ってるんだよね。

・エレガントに、シンプルに。シューマッハカレッジの、学び合うコミュニティのつくりか

講座の受講者からすると僕が「先生」だけど、僕からすると農大の教授たちが「先生」なわけだ。デザインでも生物学でも文化人類学でもDIYでも、色んなジャンルに僕の先生がいて、僕の意識はいつでも「教えてもらう側」なんだよね。

僕主催の講座だって、実は参加してくれた色んなプロ(料理研究家とかパン屋さんとか)にたくさんのヒントをもらいながら改良を重ねていった。だから僕が一方的に教えるというより「学び合う」ことによってメソッドができあがっていった。

僕にとっては「一方的に教える」では面白いものが生まれないんだな。

でね。
最近一般向けの本(しかもわりと専門的なヤツ)を出して、それなりに読まれるようになってくると今度は出版業界とか本屋さんから「先生」と呼ばれることも増えてきた。これは講座における「先生」よりさらに違和感があって、呼ばれるたびに

「も、もうやめておくれ〜!!!!」

と悶絶しながら地面をのたうち回りそうになる。このシチュエーションにおける「先生」を分解してみると、

・凡人を絶する崇高な知恵を持つ啓蒙者→そんなワケないじゃん
・その知恵にふさわしい高い地位にいる人→ただの零細自営業者ですけど
・先生と呼んでおだてておけばなんかいいことあるかも→もはや嫌がらせですよね?

ということになる。3つそれぞれにタチが悪い。
今の時代「啓蒙する側とされる側」なんて区分は意味がなさすぎる。前にこのエントリーでまとめた通り新著『発酵文化人類学』はコミュニティとのコール&レスポンスでできている。

・【発酵文化人類学】一週間で重版出来!の舞台裏。マーケットではなくコミュニティに届ける。

そして同時にたくさんの先人や友だちの考えかたや実践に影響を受けて一冊の本ができるわけだ。
つまり「啓蒙」ではなく「相互作用」によって新しい知や表現が生まれていく。それが今の時代らしい方法論なのだと僕は思っているわけで。

で、2つめとか3つめを真に受けるとただの「木に登った豚」なわけじゃん。
こういう「センセイ(←もはや漢字の先生とは別物)」になることで得られる利益というものが世間には少なからずあるのかもしれないが、無自覚にこの「センセイポジション」に安住していると、やがてそのセンセイは「妖怪・話を聞いてもらえるおじさん」に变化してしまうのであるよ。
(話を聞いてもらえるおじさんについては今度またブログにまとめる予定)

もしこの時代に価値のあるものをつくろうと思うんだったら、高い場所に登って鳥瞰的な立場を取ることはやめたほうがいい。(オレは見通しているんだ!現代の価値観を総括できるんだ!的な)
そうではなくて、様々なものが渦巻く水面のなかにダイブしていく。上も下もないカオスのような場所のなかで気の合うヘンな人たちと相互に影響しあいながら何かをつくりあげていくほうが断然面白いと思う。

ということで、今後僕を呼ぶときは「先生」禁止!!!

【追記1】「先生」という職能はめっちゃリスペクトしています。単に僕の性格的に合わないよ!というおはなしです。

【追記2】先生禁止!というのは「人に何かを教える責任を放棄する」ということではなくて。責任はできるかぎり負うけれど、肩書は負わないよ!ということです。

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思想としての発酵。不確かさを醸す楽しみ <β版>

紀伊国屋梅田本店が書いてくれたPOP。そう、発酵は人間の文化そのもの。

「美味しい」「身体にいい」を超えた意味を僕たちは発酵に見出し始めている―

新著『発酵文化人類学』を刊行してから二ヶ月ちょっと。全国の発酵好きコミュニティはもちろん、もっと広く文化やテクノロジー一般に興味のある人たちからの感想をもらいました。

そこで気づいたのが「思想としての発酵」という可能性。単に「美味くて身体に良い食文化」ではなく、世界の見方、自分の生き方のヒントを発酵という現象に求めている人が多いことに驚きました。

『発酵文化人類学』という本を出してしまった以上、このアイデアをちゃんとまとめておかねばならぬ…!ということで、最初のベータ版として「思想としての発酵」を僕なりにまとめておきます。

必然性:不確実性と複雑性を愛でる

考えてみるに、現代はあまりにもモノの見方が方程式化してしまっているかもしれません。
「この仕事をしたら、こういう風にお金が儲かって、モテます」というノウハウは「A(仕事)×B(お金)=C(モテる)」と方程式のような構造になっている。これはこれでライフハックとして有用かもしれませんが、何でも「A=B」のように「イコール」でつなげてしまうことに少なからぬ違和感を感じている。

なぜなら僕たちの人生はもっと不確かなものに溢れていて、「A≠(ノットイコール)B」であることが当たり前だから。「モテるようになったけど、ずっと好きだったあの人には嫌われた」みたいなことがあるわけです。

だから「イコール」の方法論とは違う、「ノットイコール」の思想が欲しい。誰しもが人生で抱える複雑性を肯定してくれるモノの見方が欲しい。

で、それが発酵なんですよ、奥さん。

『発酵文化人類学』に出てくる醸造家たちの仕事は、複雑さや不確かさのなかから生み出す創造性を象徴している。
お味噌やお酒は「このボタンを押したらポップコーンが弾けて出てくる」みたいな単純な仕組みではつくれない(できないこともないけど美味しくない)。
食材の質はもちろん、醸す場所の気候や微生物の種類や働きなどの複雑な要素によって出来上がりが左右される。

発酵において、醸造家(人間)は本質的に「つくる」ことはできない。できるのは「仕込む」ということなんだね。食材や微生物や気候の相互作用によって何か未知の、でもイケてるサムシングが生成されてくる「環境」をしつらえる。自分とプロダクトのあいだに「何が出てくるかわからないブラックボックス」を置く。「A(自分)=B(プロダクト)」の方程式に「F(発酵)」を置くことによって「A(自分)×F(発酵)=X(未知のもの)」ということになり、「ノットイコール」が発生する。

大事なことは、発酵においては「イコール」より「ノットイコール」のほうがイケてるということなんですね。お味噌にしてもクラフトビールにしても「飲むたびに微妙に味が揺らぐ」ことが美味しくて楽しいわけです。

「世の中なんでも計算できるわけじゃねえんだよ、べらんめえ」

という八百屋のクマさんの主張は、発酵においては正しいということになる。
発酵という見立てを使うと「不確実なものこそ有用である」ということが具体的に証明されることになる。これが「思想としての発酵」の「必然性」なのだね。

方法論:サムシング・ニューからサムシング・スペシャルへ

じゃ、次いこう。
『発酵文化人類学』の手前みそムーブメントの章で述べたように、発酵食品の仕込みは「世界観のパラダイムチェンジ」を体験する入り口になる。
そのパラダイムチェンジとは、「サムシング・ニュー」からサムシング・スペシャルへの飛躍を意味している。

えーとね、要は「社会一般にとって新しいこと」を追い求めるのではなく「自分にとって特別なこと」を味わおうということ。「世間においてどんなNEWを提示すること」ではなく「自分においてしっくりくることを大事にすること」、「結果」ではなく「過程」に軸足を置いてみる。
例えば手前みそを仕込むことは何百年も前から続けられているフツーのことなんだけど、やってみるとその人だけのスペシャルな体験を味わえる。みんなで共有できるのに、一人ひとりが特別感を味わえて、しかも出来上がりもそれぞれ違う。誰がいちばん美味しいかという正解もない。
そこには「プロセスを味わう喜び」と「喜びを共有する楽しみ」がある。これが「サムシング・スペシャル」的な世界観。

これだけ世界中の情報がネットを介して同期されると「世界で誰もやっていない自分だけのNEW」の難易度が上がりすぎて、そこに価値を見出すことにほとんど意味はなくなる。
だから「人と比べてのNEW」ではなく「自分だけのSPECIAL」に評価の軸足を移してもいいんだと僕は思うんだよね。

発酵文化において奥深いのが、長く続く価値をもったプロダクトのほとんどが「競争」ではなく「共創」によって生み出されていくこと。「それぞれの人が自分の感性で試したこと」が共有知になって技術が洗練され、同時に味の多様性が生まれていく。「これはオレだけのNEWだ」と囲い込むことではなく「オレとオマエの味噌を交換しようぜ」と共有していくことで個性が生まれ文化が生まれていく。

「サムシング・スペシャル」は自分だけの世界に閉じこもることではなくて、それぞれのスペシャルを分かち合うことだ。新しさを追い求めすぎると、世界は貧しくなっていく。新しさを追い求めるのではなくて豊かさ、楽しさを醸し出していく。これが「思想としての発酵」の「方法論」なのであるよ。

創造性:情報未満のプクプクを醸す

急がないこと。機が熟すまで待つこと。「のんびリズム」こそが世界を豊かにする!(←藤本さんのキャッチコピーを借りました)。

発酵のキモといえば「時間をかける」こと。
おいしいお味噌ができるまで半年〜1年。ワインもウィスキーも熟成させることで味わい深く、格調高くなっていく。「時間を省略すること=急ぐこと」は発酵にとっては無粋だ。

懸命な発酵好きの皆さまがお気づきのとおり、この価値観は「限りなく時間をゼロに近づけていく情報社会」のカウンターになっている。なるべく大量の情報を超高速で処理することにより最適解を見つけだす、時間を「コスト」とみなす世界観がスタンダードとなるなかで、時間の経過を「リソース」として逆転させるのが発酵のダイナミズムなのであるよ(←我ながら良い事言うなあ、自分)。

なぜこのようなことが可能になるかというと、前述の「ノットイコール」の方法論のおかげ。事前に計算ができない、複雑な化学反応がモノの出来上がりを決めるということは「未知のことが起こることを待つ」というのんびりさが必要になる。

これを僕たち人間の行為に当てはめてみると「わからない状態のまま宙吊りにする」ということになる。すぐ解決しようとしない。ものごとを単純化してわかった気にならない。積極的にもやもやする。積極的にのんびりする(なんか矛盾した表現だけど)。

この「もやもや」には雑多なものが出入りする。例えば半年間もやもやした場合、半年前の自分と半年後の自分という「複数の自分」がコミットしている。あるいは「もやもや」の前で「なんかこのもやもや、面白いねえ」と立ち止まって世間話を始める友達がいるかもしれない。もやもやが宙吊りになっているあいだに人の変化、気持ちの変化、時代の変化が化学反応を起こしていく。
すると、良きタイミングで自分の当初の予想をはるかに超えるなにか最高に不可解でイケてるものが出来上がる。

目の前で起こっている現象や、自分の身体やココロで感じたことを、すぐ定義して分割できる「情報」にしないこと。情報未満の液体が好奇心のタンクのなかで「プクプク」発酵するのを楽しむ。

「急いでやり切らない」「中途半端な状態を面白がる」「変化に自分を委ねる」ということが豊かなクリエイションを生む。これが「思想としての発酵」の「創造性」だ。

生態系:「イキモノの視点」を取り入れたオルタナな世界観

「イコールではなくノットイコール」「サムシング・ニューからサムシング・スペシャルへ」「情報未満のプクプクを楽しむ」。複雑で、不確実で、その時限りにだけ起こりうる、なんだかもやもやしたものから生まれる創造性。

これはつまり、現代における「オルタナティブな世界観の提示」。であると同時に、微生物学をやっている僕からすると「微生物から見た社会のカタチ」であるように思える(←『発酵文化人類学』のサブタイトル)。

『発酵文化人類学』のギフトエコノミーの章で掘り下げたように、微生物は地球の生態系をかたちづくり、生物界の基本的なルールを定めたスゴい存在だ。なんだけど、その実態を見てみると捉えどころがなくて、自分勝手で気まぐれで、しかも放っておくとすぐに遺伝子を改変させて別のイキモノになっていく曖昧な存在でもある。しかし生態系全体で考えるとものすごく巧妙なやり方で地球の大気や水や土の物質循環をプロデュースしている。

「プロデュースしている」とか表現してみたけど、別に株式会社のCEOみたいなリーダーがいるわけではなく、めいめいが自分の生存条件に従って一生懸命生きていくうちに結果として生態系ができあがっていく。長い長い時間をかけて、個々のバラバラな生き方が関連しあい、超巨大な規模の生態系をつくりあげ、しかもその生態系は大企業病にかかることなくいつまでもしなやかにトランスフォームしながら持続していく。

僕の勝手な表現でいえば、これは「イキモノ的なシステムの生まれかた」だ。
複雑性やもやもや、宙吊りの時間を織り込んでの生態系のデザインなのであるよ。

僕たちは「発酵」というものを通して「イキモノ的でしなやかな世界」の可能性を見出そうとしている。今はまだ「仕込み」の段階なのだけれど、それは近い将来に具体的な社会論やテクノロジーとして「発酵」し、実践されていくのだと思う。

…とこんな感じで「思想としての発酵」のベータ版はおしまい。
続きは今月の7月21日、ドミニク・チェンさんと一緒に発酵思想家(←勝手に命名)になって「思想としての発酵」を醸していきたいと思います。ドミニクさん、どうぞよろしく。

・謎発酵〜手前みそからシンギュラリティまで、未来を菌と情報から読み解く謎トーク〜

 

【追記1】「思想としての発酵」が登場するまでには、坂口謹一郎博士から小泉武夫センセイにいたる日本の発酵学の偉大な伝統、寺田本家やタルマーリーたち醸造家の実践哲学がまずあってだな。そこから自分の活動でいえば2011年に五味醤油の若旦那とつくった『てまえみそのうた』から始まって、2014年のソトコト『発酵をめぐる冒険』、2015年の超ロングヒットを記録したwiredの記事、2016年のspectator『発酵のひみつ』、greenzで開催した『発酵デザイン講座』を経由して2017年の『発酵文化人類学』にまとまりました。
この「じわじわくる感じ」、発酵っぽくていいでしょ。

・発酵は「人間だけの世界観」を越えた新しい関係性をぼくたちに見せてくれる | wired

・SPECTATOR最新号『発酵のひみつ』は僕の本だ!(と言いたい)

・【発酵デザイン入門】暮らしに関わる微生物&バイオテクノロジーの初歩を楽しく学ぼう

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発酵と編集は似ている…!? 7月後半は『発酵文化人類学』出版ツアー天王山!

4月後半から始まった新著『発酵文化人類学』の出版ツアー、7月11日時点でなんと30回以上のイベントが開かれました。短期間でこんなにイベントが連発されたというのに、どの回も大盛況で、ほんと嬉しい限りです。ありがとう!

さて。そして来週 7/19〜22にかけて、出版ツアーの天王山4連戦がやってきます。
今旬の同年代の新鋭、そしてレジェンドな大先輩たちと超絶にぶっ飛んだトークが繰り広げられること必至!ふだんのユルい感じではとても場が成り立たないので、気合を入れて臨むぜ。
この四日間を走りきったら、新しい景色が見えるような気がするよ…!

ということで、四連戦のスケジュールはこちら!

201706230953227/19:大阪府梅田 with 藤本智士さん(Re:s) & 徳谷柿次郎さん(ジモコロ)
のんびりおじさん、ジモトをヒラク!@スタンダードブックストア心斎橋
→今大注目の編集者徳谷柿次郎さんが編集長を務める日本各地の地元情報をユニークに切り取る大人気WEBマガジン『ジモコロ』のフリーペーパー発刊と、メディア業界では知らない人はいない最強の編集者藤本智士さんの新著『魔法をかける編集』、そして『発酵文化人類学』の三者合同出版トークイベント。会場はこのブログではおなじみのスタンダードブックストア心斎橋。オーナーの中川おじさんが「100人で盛り上がるで〜!」と気合いを入れています。

柿次郎さんも藤本さんも関西ルーツ特有の「芸人か!?」と見まごうほどの話上手なので、120%抱腹絶倒のトークになると思われます。共演の二人いわく「つまらなかったら全額返金!」だそうです。関西人怖えーー!!!!

☆☆詳細はこちらから☆☆

19620526_846163442226042_2807071969004009745_o7/21:東京都渋谷 with ドミニク・チェンさん(情報学者)
謎発酵〜謎床×発酵文化人類学出版記念謎トーク〜 @ ロフトワーク
→今最も注目される情報学者でありながら発酵好きでもあるドミニクさんと対談。ドミニクさんが出版したばかりの松岡正剛さんとの対談本『謎床:思考が発酵する編集術』と僕の新著『発酵文化人類学』の合同出版記念イベントとなりました。わーい!

個人的にはドミニクさんは僕の世代でいま最もホリスティックな思想を持っている人だと思っていて、そして松岡正剛さんは20歳のころから影響を受けてきた知の巨人。そんな才人二人の書名に「発酵」というキーワードが入ってしまうこの驚きと喜びよ…!当日は誰も予想がつかない異次元ゾーンの話が超高速で展開されまくること必至。みんな今から『謎床』を読んで運命の日に備えるのだ…!ちなみに会場は仲良しのロフトワーク。久々に東京での一般公開トークイベント。みんな来てね!と言いたいところですが、予約告知した瞬間にソールドアウトとなりました…涙

☆☆詳細はこちらから☆☆

yasuda_hakko7/20:京都府京都市 with 安田登さん(能楽師)
発酵と論語で読み解くあわいの時代 @京都丸善本店
→異次元能楽師、安田登さんと京都丸善本店で対談。発酵と能楽の視点から論語を掘り下げ、古代アジア世界にダイブしたあとシンギュラリティに辿りつくという、本人ですら「えっ、どういうこと!?」と置き去りにされる超絶トークになること必至。
この安田登さん。ご存知の方も多いと思うのですが、ちょっと信じがたいほどの引き出しの多さと身体論・言語論の造詣の深さにぶっ飛ばされること間違いなし。安田さんの話を聞きにくるためだけに京都に小旅行しにきてもソンはない!

…と言いつつも、僕もこの日しか聞けないスペシャルなネタを持っていきます。いつもと趣向を変えて、発酵や微生物学の古代まで遡る白川静的マイクロバイオロジーを皆さまにプレゼンしつつ、古代中国と古代日本の民族のルーツを発酵文化人類学的に紐解いてみたいと思います。さていったいどんな話になるのでしょうか?定員そんなに多くないので、気になる人は神速で申し込むことを強くオススメします。

☆☆詳細はこちらから☆☆

19402137_1837733232919939_4145964425576136428_o7/22:熊本県熊本市 with 藤本智士さん(Re:S)
編集発酵!!! 〜魔法をかける編集&発酵文化人類学出版記念 @ 長崎書店→異次元→最終日はふたたび藤本さんと。熊本を代表する素敵な本屋さんの長崎書店で開催するということで、この日は「ローカル文化の本質とは何か」「マスマーケティングでない本だからこそできること」をテーマに藤本さんと二人でじっくり話し込みたいと思います。

後輩が生意気なこと言って恐縮なんですけど、僕と藤本さんが共通点は「仕組みからコンテンツを考える」というところ。藤本さんが手がけてきた雑誌『Re:S』や秋田の『のんびり』などの数々のプロジェクト、そして僕が手がけてきたアニメ『てまえみそのうた』や『発酵文化人類学』の背景には「既存の仕組みではない新しい発明をする!」という発想から生まれていたりします。「ローカルであること」「新しい仕組みをつくること」という2つのテーマがどのように「編集」されながら「発酵」していくのか。乞うご期待!

☆☆詳細はこちらから☆☆

それでは各地の皆さまとお会いできることを楽しみにしています。
柿次郎さん、ドミニクさん、安田さん、藤本さん、よろしくね〜!

発酵以外のおすすめエントリーまとめ。

こんにちは、小倉ヒラクです。
最近新著『発酵文化人類学』が大好評のこともあり、すっかりこのブログが発酵祭りになっています。なんだけど、実は僕ブログもう8年続けているんですね。

8年前といえば、まだデザイナーとして独立したばかりの自分がまだ何者でもない時代。その頃から色んなテーマで記事を書いてきました。
最近「発酵」のキーワードで僕を知った人向けに「発酵以外の人気エントリー」をご紹介します。ちなみに2017年7月現在で700以上の記事があります。過去アーカイブを読み出すと夏の夜があっという間に過ぎていくから注意!

発酵以外の人気エントリーを12記事選んでみたよ!

・愛は理解することではないーぐるりのこと  2010年2月23日
→ブログ最初期に書いた映画レビュー。5年かけて一万人以上にじわじわ読まれるブログらしいロングテール記事になりました。

 アートディレクターは、経営するひとの心象風景に立ち会う。2014年3月18
→普通のデザイナー時代に書いたデザインの仕事の本質について。これ読むと僕は底意地が悪い人間だなあといつも思います。

・ドラゴンボールの本質は「学びの継承」にあった!〜亀仙人の卓越した教育法〜 2014年5月5日
→「教育」という観点から亀仙人のトレーニングメソッドを考察したエントリー。僕のブログで初めてSNS上でバズった記事になりました。今読み返しても面白い(←手前みそ)。

・資本主義は、全力かつ高速で終わり始めている。 2014年7月21日
→人間による労働を破壊することが最高のビジネスモデルになり、やがて自分自身の手によって資本主義が終わるのでは…と「ワケわかんない妄想」として書いたのですが、三年経って読むと全然フツーのこと言っているような感じになってます。時の流れは恐ろしい。

・タクシーに乗って考えたこと。日本の社会の変質について  2014年12月14日
→日本は格差社会を通り越して階層社会に突入している…!とまた色々妄想して書いたのですが、三年経つとやっぱり当たり前のような感じで読めてしまう。なんかヤダなあ…

・僕がオワコン化する理由。報酬は今でも未来でもなく、過去に支払われる。 2015年10月7日
→発酵デザイナーとしてメディアに取り上げられるようになった時に書いた記事。僕は引き出しがあんまりないので、調子乗って色んなとこに顔出すとすぐに底の浅さがバレる!なので自重しなきゃ!という内容。公開当初は大して読まれなかったのに、ずーーーっとロングテールし続けている不思議なエントリー。

・地域におけるゲストハウス経営の罠。向かい合うな、前を見ろ。  2015年10月8日
→ゲストハウスはソーシャルビジネスではなく、ガチの経営である!という割りと当たり前の現実を書いたエントリー。ゲストハウス業界では必読のエントリーとなっているらしく、地方のゲストハウス行くと「あ、あの記事書いた人だ!」と言われます。

・なぜKEYくんは「隣り合って」座るのか?『東京タラレバ娘』の倫子さんが不憫すぎる件  2015年12月11日
→記念すべき「こじらせ女子エントリー」の第一弾。この記事を書いてから全国の妙齢女子たちからたくさんのメッセージや来訪を受け、めでたく「少女マンガウォッチャー」の称号を送られることになりました。キャリア狂ってる〜!

・文学としてのビジネス。シュリンクする時代の新しいモノサシ 2016年1月30日
→縮小する社会に必要そうな曖昧な成功基準について。意識高い系学生は実は「ブンガクセイネン」なのです。

・ドラッカーに見る全体主義の効用と、自由な社会の意味 2016年7月8日
→ファシズムは独裁者の暴走ではなく、社会福祉施策であるというドラッカーの思考を辿りました。かなり硬派な記事。

・エレガントに、シンプルに。シューマッハカレッジの、学び合うコミュニティのつくりかた 2016年7月15日
→イギリス・デヴォン州の森の中にある不思議なカレッジで過ごした二週間のはなし。静かに口コミが広がっていった記事になりました。

・女子をこじらせて。パズルのピースを増やさない人生について 2016年11月30日
→今年、急逝してしまった作家、雨宮まみさんの書評。いつまでたっても少女期が終わらない問題は現代の闇の一つだと僕は思う…!

出版ツアーの折り返し地点の振り返り。発酵でつながるコミュニティ

ヨーロッパの学会出席&フィールドワークから帰ってきたと思ったら、すぐ『発酵文化人類学』出版ツアーの後半戦が始まってしまった。

毎日色んなところに移動して、色んな人に会うのでインプット過剰でもうアタマが全然まとまらない!ということで備忘録も兼ねて雑記的なブログをまとめておくよ。

ヨーロッパでフィールドワークしてきました

ブダペストでの国際学会出席のついでに、ハンガリー→オーストリア→チェコ→トルコと東ヨーロッパを回ってきました。主な目的は、もちろん発酵文化のリサーチ。

ハンガリー・トカイ地方の在来ブドウ「フルミント」の秘密をワインやお酢の醸造家にインタビューしたり、ずっと行きたかったオーストリア・ウィーンの「自然史博物館」の凄まじさに衝撃を受けたり、チェコで近代ビール発祥の地「ピルスナー・ウルケル」の地下洞窟で木樽からできたてのビール飲んだり、プラハのマイクロブリューワリーを回ったりと、めちゃくちゃ情報量の多い旅でした。

発酵って、本を読んだり動画を見たりして情報自体はマニアックに知ることもできるんだけど、やっぱり醸造現場や畑に足を運んで、土地の人と対話をしないと本当に意味で「知識が身についた」ということにはならない。そんなことを改めて強く思ったナイスな旅でした。真夏にダラダラ汗かきながらいっぱい歩いたところで、ピルスナー・ウルケルの地下のひんやりした洞窟でビール飲んだら「なぜラガービールが生まれたのか?」ということが身体120%で納得できるよ。

それぞれレポートをブログにまとめたいところだけど、アタマが追いつかねえ〜!

本の出版の反響

こちらも色んなことがあって全然アタマが追いついてねえ…!
発売前後のフィーバー期に「本が出たよ〜!みんなよろしく〜!」としつこく告知しすぎていたことに気づき「ヤバい!これではただの粘着宣伝野郎だ」と気づき、いつもの平常運転に戻そう…と思ったのが本が出てから一月半後の6月はじめのこと。で、仕上げのまとめをしようと思って書いたブログエントリーが大きな反響を呼びました。

・【発酵文化人類学】一週間で重版出来!の舞台裏。マーケットではなくコミュニティに届ける。

このエントリーの影響もあって、各メディアで怒涛の取材記事と書評の掲載が始まります。取材記事は今週末くらいから本格的にリリースされ始めます。書評記事については僕も編集部も把握しきれず、全国の新聞や雑誌などでたくさんの書評が出ているそうです。

で。記事が出始めるのと同時に発売直後に本を買ってくれた人たちの感想がこれまた怒涛のように届きました。「発酵のことがよくわかりました!」という話から「発酵の話かと思って読んだら本格的な人類学の話でビックリしました!」「『生きるとは何か』という本質的な問いを突き詰められました」「碁石茶やすんきを買いました!」「醸造家の生き方カッコいい!」などなど、人それぞれ「刺さるポイント」が全然違っていて面白かった。

「これは歴史的名著!」「新しい時代の古典になり得る」などなど、専門家や出版人からの嬉しい太鼓判もありました。

流通に埋もれないようにとにかくスタートダッシュを頑張ったわけなんだけど、どうやら最初のタイミングでの淘汰を免れたようなので、これから息が長く売れる「スローかつロングなベストセラー本」になっていくといいなと思っています(発酵っぽくていいでしょ)。

7月からは東京以外の本屋さんでフェアが始まっていきます。
梅田のジュンク堂で超でっかい本棚ができているようなので、次関西行くときに見るのを楽しみにしています。各地の本屋のみなさま、どうぞよろしくね。

ツアーで地方を回って感じたこと

4月半ばから始まって、7/4時点で30以上の出版イベントが開催されました(冗談っぽいけどほんとだよ)。今回の出版ツアーのポイントは「地方ファースト」ということで、なるべく東京でのイベントよりも地方でのイベントを優先して回りました。

でね。地方がとんでもなく盛り上がってるんだよ。
愛知県日進りんねしゃ主催の醸造家トーク、福岡県博多Rethink Booksでの家入一真さんとの対談イベントでは50名以上、大阪心斎橋スタンダードブックストア、北海道札幌ヒシガタ文庫のイベントでは60名超、鳥取県智頭タルマーリーでのトーク&ワークショップはのべ70名超、秋田市民市場での新政杜氏とのイベントは80名超、沖縄宜野湾カフェユニゾンのイベントに至っては100名超えと、「地方だし、30名いったら大したもんだよね」という常識が今回に至っては完璧に覆り、毎回主催者も出演者も仰天の満員大入り。

いったいなぜこんなに盛り上がるのだろうか?と考えてみるに、「どうやらこの本は、地域の異なるジャンルのキーパーソンを一同に集める力があるらしい」ということに気づいてきました。まず「発酵」というキーワードが、醸造家はもちろん農業や伝統工芸に携わる人、食に関わる人全般を横つなぎする力がある。さらに「文化人類学」というキーワードでまちづくりや郷土史研究に関わる人、地域でローカルビジネスを起こしている若い起業家や大学の研究者をソワソワさせ、しかも僕デザイナーだから当然クリエイターやアーティストも親近感を持ってくれる。

地域に根付いた生業+食に携わる人+ローカルイノベーター+研究者+クリエイターということは「地域のキーパーソンだいたいぜんぶ」ということになります。
実際にイベントの場にいるとわかるんだけど、意外に小さな地域のなかでも違うジャンルのコミュニティ同士の接点がなかったりするんだよね。

なので、僕のイベントの会場で「◯◯さん!前から噂は聞いていたんですけど、今日ようやく会えました〜!」みたいな光景が連発するわけさ。
要するに「ヒラク君をダシにして、地域のコミュニティの全体像を見える化しよっか」みたいなことが起こっているんだね。だから二次会では著者の僕、置いてけぼりくらってはじっこでポツンとしていることがよくあるよ。みんなもっとかまって〜!!

ということで、まだまだ旅は続きます。各地の皆さま、どうぞよろしくね。

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子どもたちよ、DIY発酵テクをマスターせよ!『夏休み!発酵菌ですぐできる おいしい自由研究』が出ました

プラハよりこんにちは。ヒラクです。
『発酵文化人類学』が絶好調のさなかですが、もう一個宣伝させてください。

去年末に図書館向けに出版した、子供向け発酵自由研究本『発酵菌ですぐできる おいしい自由研究』、好評につき一般向けバージョンが出ました。わーい!去年末に図書館版が出てから

「どこで買えるんだ?」
「amazonでも在庫切れなんだけどどうしたらいいのかしら?」

と問い合わせが相次いでいましたが(なにせ図書館用だからね)、今度は安心してゲットすることができますよ。わーい!

この自由研究本には、夏休みの1ヶ月半でトライできる色んな発酵レシピが掲載。
全ページカラーでめちゃくちゃわかりやすい解説イラストがいっぱいです。

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この自由研究帖には、小学生でもできる

・ヨーグルト
・納豆
・甘酒
・パン
・味噌汁

のつくりかたが載っているのですが、もちろん単なるレシピじゃないよ!
納豆なら藁苞(わらづと)から、パンなら野生酵母から、味噌汁なら大豆と麹から。微生物を呼び込んで本格的な発酵食を醸せる発酵デザイナー取っておきのDIYメソッドも載ってます(もちろんお手軽レシピも載ってるよ)。

全国の小学生よ、料理上手のママ&パパも唸らせるDIY発酵テクを身につけるのだ…!
半年かけて我が家の発酵ラボで実験しまくった結果がいい感じでまとまっています。
一時期キッチン中が発酵食品まみれになって若干ノイローゼ気味になった苦労が報われてよかった…。

夏休み!発酵菌ですぐできる おいしい自由研究
絵&文:小倉ヒラク  版元:あかね書房
編集:岩井真木、榎一憲  デザイン:アンシークデザイン
写真:土屋誠(BEEK)、小倉ヒラク

☆☆全国の書店&ネット書店で発売中!☆☆

それでは、今年の夏休みは発酵DIYにトライ!

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ブダペストの国際学会で手前みそ!IPC2017でワークショップをしてきた

去年に引き続き、ブダペストで毎年開催される『国際プロバイオティクス学会』でワークショップ&プレゼンテーションをしてきました。
※正式名称は International Probiotics & Prebiotics Conference

今年のプログラムは手前みそ&甘酒づくりワークショップと、和食発酵調味料の発酵原理をガイドするプレゼンテーション。

当日の様子はこんな感じ

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去年より豪華になったスポンサー。メインスポンサーには日本企業の名も。

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今年は五味醤油の「かんたん手前味噌キット」を使いました。
(二十人ぶん手荷物でブダペストまで持っていきました。重かった。。。)

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会場はこんな感じ。今年も満員御礼でした(ちなみに参加者は各国の第一線の微生物学者)。

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去年よりパワーアップしたプレゼンテーション。

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もちろん今年も「こうじダンス」をみんなで踊りました。

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甘酒づくり。写真の女性はロバのミルクの研究をしているイタリアのマリアさん。

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甘酒は飲むスキンケアだ!

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麹の酵素作用のアウトラインを説明したうえで、IPC2017_presentation_en.031

手前みそワークショップ。

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「ええ〜、麹はじめて触ったけどこんな感じなんだ!」
みんなめっちゃ笑顔。

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いい感じで仕込めました。
キットはみんなに持ち帰ってもらったので、夏の終わりには各地に手前みそが誕生するはず。

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ちなみに翌日、仕込んだ甘酒をみんなでテイスティングしました。
麹いっぱい入れたのでめちゃくちゃ甘くなった!

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「けっこう美味しいじゃない!」
それはよかった。

 

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オーガナイザーのペーターさん、今年もお世話になりました。
また近々お会いしましょう!

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【発酵文化人類学】池袋ジュンク堂本店でフェア開催中!あと7階理工書コーナーが面白すぎる件について

こんにちは、小倉ヒラクです。
しつこくて申し訳ないんですけど、新著『発酵文化人類学』の勢いがとどまるところを知らない快進撃になっているそうです(僕は出版イベントツアー前半戦を終えてちょっと一息中)。

光栄なことに、5月末から本好きの聖地である、池袋ジュンク堂本店で『発酵文化人類学フェア』をやってもらっています。

でね。
このフェアをやっている7階の理工書フロアがサイコーすぎるんだ。絶対だったら1フロアにまとまらないであろう多種多様なカテゴリーが混じり合った最高にカオスかつエキサイティングな場所なので、みんなに「ぜひ行ってみて〜!!」とオススメしたいと思います

『発酵文化人類学フェア』の本棚はこんな感じ

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手描きで看板をつくりました。

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レジすぐ近くの目立つ場所にドドーン!と本棚をつくってもらいました。

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『発酵文化人類学』のネタばらしコーナーで紹介した本がズラリ。
食から微生物学、文化人類学、デザインやアートまで横断する楽しい本棚です。

そして7階理工書コーナーはこんな感じ

農業から数学、建築、物理学、恐竜まで「理工書」と呼ばれるカテゴリーをまとめてみると、すさまじいカオスが生まれます。以下本棚の写真をどんどん貼っていきます(ジュンク堂さんに撮影了承済み)。

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分子生物学。

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数学。

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化学。

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建築・ランドスケープ。

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工学。

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物理学。

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脳科学。

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ニッチな生物学。

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農業と、どれだけ幅広いラインナップなのだ汗
そしてマニアックな関連グッズも大充実。

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チェーンソーアートの熊。

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各種テトラポット揃ってます。

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一家にひとつ、元素周期表。

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本屋さんだけど種売ってるよ。

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物理学・数学界の同人誌。円周率1億桁まで網羅したリストが圧巻(お値段31,415円)!

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担当の二川目(ふたかわめ)さんに聞いてみました。

ヒラク「どうしてこんな凄まじいフロアができたんですか?」

二川目さん「理工書って、つまり現実に起きている現象を扱う本ですよね。つまり理工書はこの世界のすべてを扱うんですね。」

ヒラク「なるほど…!つまりこのフロアにはこの世界のすべての現象を取り扱う本が網羅されているということですか?」

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二川目さん「そうですねぇ。なんというかこのフロアにはマニアックな愛が詰まっているんですよねえ。例えばテトラポットとか、けっこう売れるんですよ。」

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ヒラク「あとこの本、かき氷をつくるプロセスを実践的に解き明かしていくという内容がスゴいし…」

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ヒラク「ポップつくるのに手間かけすぎじゃないですか?立体になってるし!」

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ヒラク「この謎の生物ポストカードとか、ランキングつけられるほど売れてるわけでしょ?」

これは愛…!しかも普遍の愛でなく…偏愛!

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ということで、みんな池袋ジュンク堂本店の7階理工書コーナーにカモン!
なんなら僕の本買わなくてもいいから!種とか元素周期表とかテトラポットとか買って〜!

二川目さん、ありがとうございました。引き続きお世話になりまーす。

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最近の発酵デザイナー&発酵文化人類学のメディア掲載まとめ

6/10に秋田市民市場で開催された『トージ・コージ』のスタッフ集合写真。楽しかった〜!

たたた、旅が長すぎて、レポートしたいことが溜まりすぎている…。
実はここ一ヶ月、色んなメディア上で発酵デザイナーの取り組みと新著『発酵文化人類学』のことが紹介されていたのでした。普段はWEBの寄稿やインタビューが多いのですが、今回は新聞や雑誌など紙媒体がメイン(実はこれ以外にもラジオやテレビでの露出もありました)。

▶本格焼酎&泡盛プレス 2017.MarchDSC04131

友だちのみどりさんが関わっている焼酎&泡盛の業界プレスにインタビューを掲載してもらいました。ていうかこの号の2/3ぐらい僕のはなし!新著『発酵文化人類学』に出てくる「読モ理論」について説明しています。実はこのプレス全国で40,000部も出ているんだよ。毎号僕も熟読しています。こういうの、お洒落なカルチャー誌に載るより嬉しいねえ。

本格泡盛&焼酎プレスについて詳しくはこちらから→★

▶毎日新聞(全国版)2017 5/19DSC04489

毎日新聞の特集記事「裾野広がる発酵文化」のなかで僕の活動と本の内容を取り上げてもらいました。「ヒラク君新聞載っているの見たよ!」と知人から連絡がちらほら。全国紙は影響力あるねえ。

▶山梨日々新聞 2017 5/19DSC04493

僕のホーム山梨の日々新聞ではかなり本格的なインタビューと書評を掲載してもらいました。これをきっかけに山梨の本屋さんで『発酵文化人類学』が売れた!と思いたい…
ちなみにこれに前後してYBSのラジオとテレビにちょっとだけ出演しました。

▶週間朝日 2017 6/16
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週刊朝日でも書評コーナーで著者紹介のインタビューを1Pぶんしてもらいました。カメラマンに撮ってもらった著者写真がカッコよすぎて恥ずかしいデス。汗

▶IN/SECTS Vol.8DSC04488

大阪のカルチャー好きはみんな知ってる雑誌IN/SECTSの最新号に寄稿しています。
「FOOD CULTURE」のコーナーで、新たな世代にとっての「食」の意味を考えてみました。家入さんや小山田圭吾さんのインタビュー、金氏徹平さんや大原大次郎さんのアートワーク、イサリビの堀田くんなどなど、盛りだくさんの内容でした。いい雑誌!

これからまた色んな媒体で発酵デザイナーの活動や新著の書評が掲載されると思います。僕のこと見かけたら「いちおう生きてるんだな」と温かい目で見守ってくださいね。

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【オマケ】秋田の鵜養(うやしない)で田んぼ仕事に精を出す新政酒造の古関杜氏。めちゃくちゃ素敵な場所でした。

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今年もブダペストの国際学会に出席。今回は手前みそ&発酵調味料のプレゼンするよ!

今年もブダペストに行ってくるよ!

2016年に『発酵デザイナーのこうじづくり講座』を開催した国際プロバイオティクス学会に、今年も読んでもらえました。しかも今回はちゃんと正式ゲストとしてプロフィールも掲載してもらえます。やっほー!

・こうじづくり講座@ブダペスト、大成功!ワークショップの様子はこんな感じ

今年はみそづくり&和食発酵調味料のプレゼンテーション

今年のプログラムは、おなじみ「歌って踊る味噌づくりワークショップ」を各国の研究者の皆さまとやりたいと思います。ついでに甘酒飲みながら和食発酵調味料の真髄をプレゼンテーションしたいと思います。

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ちなみにこの国際学会(International Probiotics & Prebiotics Conference)は、世界80カ国からトップクラスの微生物学者が集まる発酵食品&サプリメントの祭典。参加者のプレゼンテーションもめちゃくちゃ面白く、微生物&発酵の研究者ならば興奮すること間違いなしのイベントです。

・Probioticsという新たなトレンド。ブダペストで発酵しまくってきた

実は僕の新著『発酵文化人類学』にも、この学会で知った最新の論文や研究が反映されています。腸内細菌や発酵成分、免疫システムや人間の常在菌など、バイオテクノロジーの最先端にオンタイムで触れられる貴重な機会に、今から興奮して眠れねえ(眠るけど)。

僕の出番は6/19の夕方18:00、学会本番のプレイベントで。
このブログ読んでる日本の研究者の方、ヒラクのこと見かけたら仲良くしてくださいね。
あと学会オーガナイザーのpeterさん、マイさんまたお会いできること楽しみにしています!

 

【追記】ちなみに新著『発酵文化人類学』が10,000冊達成したので、約束どおり海外編にチャレンジすることになります。なので、今回はハンガリーとチェコで発酵文化人類学のフィールドワークをしてきます。その模様も帰国後にブログで公開予定。お楽しみに!

・【発酵文化人類学】発売7日目で重版決定!10,000冊売れたら海外編が出るよ!

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【発酵文化人類学】一週間で重版出来!の舞台裏。マーケットではなくコミュニティに届ける。

読みたい人がいるからつくって、読みたい人にまっすぐ届く。

本づくりをシンプルな関係性に戻すには、知恵と工夫が必要です。発売一週間で重版出来というミラクルを起こした新著『発酵文化人類学』の本づくりと売りかたの背景は、僕なりの「愉快&シンプル大作戦」があったのでした。

ということで、発売一ヶ月経って「作戦大成功!」と言ってよさそうな状態になったので、その舞台裏を公開します。長いけど興味ある人はご一読あれ。

本づくりのコンセプトと課題整理

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からお世話になっているD&Departmentにて。今までの縁がつながって本ができました

マーケティングで売るのではなく、コミュニティに届ける。

これが今回僕が本をつくるにあたってのおおもとの考えかたです。
「えっ、いったい何のこと?」と思うかもしれないのですが、これから説明する具体的な方法論を支えるコンセプトになるので、まず最初に「キーワードはコミュニティなのだ」ということだけ覚えておいてね。

▶本屋さんで感じたギモン
本屋さんに行くと、名前が広く知られている著者の、色んな出版社から出たちょっとずつ内容が違う本が棚一面に置いてある場面に出くわします。
これって普通に考えたら異常な光景だと思いませんか?自分の好奇心を刺激してくれるような本のラインナップを求めて本屋さんに行くと、悲しくなるほど多様性のない本棚が待っている。「これならネット通販でいいや」と思ってしまいます。

でね。
なんでこんなことが起こるのかしら?とかもめブックスのオーナー柳下おじさんに聞いてみたらば、

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柳下おじさん問題は本の流通にあるんだよ!

ということがわかりました。

▶初版部数が少ないと本が埋没する
本をつくる出版社と本を売る本屋さんのあいだには「取次」という仕組みが仲介に入って本を全国に流通させています。この「取次」の役割は大きく分けると3つ。

【A】出版社の本を預かって全国の書店に配送する「倉庫」の役割
【B】本の売上を預かった部数だけ出版社に前払いする「銀行」の役割
【C】取次の各社が持っている販売網に本を流通させる「流通」の役割

この3つが出版社と本屋さんの仲介に入ることにより、

・本が全国の書店に同じ値段でフェアに流通する

という状況をつくり出すことができます。本は基本値引きやプレミアム価格で売ることができない、普通の商品とは違う「知的資源」。だからこそ都会に住むお金持ちじゃなくても手に入るようにしようじゃないか!という志があるわけなんですね。「取次」という特殊な仕組みには本特有のコンセプトがベースにあるわけです。ここまではOKだよね?

さてここからが問題の核心。
取次の【C:流通】の機能は、僕のような無名かつニッチな著者にとってヒジョーに厳しい仕組みなんだね。僕の本の初版部数4000冊は、一般書を書店に流通させる取次に通すには「少なすぎる」。もし取次の会社の人が「おお、これは面白い本だ。じゃあ全国の本屋さんに流通させよう」と決めたら、各書店に1冊とか大手チェーンで数冊とかがまんべんなく配本されて終わりになる。
「ヒラクさんの本面白いっす!ウチでめっちゃ売ります!」と気合いれてくれる本屋さんがあったとしても「一冊じゃ何もできません〜!」となっちゃうでしょ。

もし取次システムの「大きな流通」に乗せてしまうと、僕の本は120%埋没してしまうわけだ。「有名な著者の本ばっかりが本屋さんで目立つ」というのは、僕の本の何倍も初版部数の多い=全国の書店に流通させても埋没しない本だけが、本屋さんの目立つ場所に置かれるという状況だったんだね。

なるほど!そりゃ新しい才能生まれないし本棚の多様性は失われるし、業界詰むわ!

▶小さな流通をつくろう!
ということで。大きな流通の仕組みは「部数の多い本に有利なゲーム」なのでそこには乗らないぞと。そうなると「小さな流通プリーズ!」ということになるのだが、残念ながらそれはDIYしないといけないのだね(ここらへんが本の業界の大問題だねえ)。

「じゃあ小さな流通つくるぞ!」という時に一つハードルがあります。
さっき説明した取次の【B:銀行】の仕組みを覚えてますか?出版社は取次に本を預かってもらうと、本が売上を「前払い」してもらえる。だからなるべくたくさん本を取次の流通に乗せたほうが「はやく本を現金化できる」ということになる(本が売れなかったら後で返金しなければいけないんだけどね)。

だからね。
僕が「小さな流通つくるぞ!」という事を言い出すと、出版社がリスクを取らなければいけないわけさ。取次店の流通を通すと、本がすぐ現金化できる。このメリットを凌駕できる代案を提案できないかぎり、僕は120%敗北必至の無理ゲーの舞台にのらざるをえないことになる。

なんてことだー!たとえ本が面白くても絶対に勝てないゲームなんて不条理すぎる…!

この不条理を克服するために、僕が辿り着いた結論は

・発売開始時点ですでに「祭り」が始まっている
・僕自身が小さな取次になる

・コミュニティと対話しながら本をつくる

という方法論でした。

コミュニティに届ける小さな取次

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んな本が読みたい!というリクエストの返事としての本なのですニャン

前提を整理したところで、次に「どのような作戦を立てたか」について説明していこうじゃないか。「いかに面白い本をつくるか?」の前段に「どうしたら面白さが届く土俵を作れるのか?」というのが基本的な発想です。

▶発売開始時点ですでに「祭り」が始まっている
まず気づいたのが、本が発売されてから何かをやっても遅すぎる、ということです。
ものごとが広まるにはリードタイムが必要です。「ヒラク君が本出したらしいぞ」「けっこう面白いらしいぞ」「なんかみんな読みたくてそわそわしてるらしいぞ」というステップを経るまでに少なくとも2〜3ヶ月くらいかかる。
そうするとだな、ようやくアクセルがかかってきた頃に本屋さんが「この本売れないな」と返本するタイミングが来てしまうかもしれない。するとせっかくの努力が水の泡だ。

そこで、本が発売される2〜3ヶ月前に本が出ているようかのような状態、つまり「本が出るよ!祭りだよー!」という状態をつくろうと考えたわけです。我ながら小賢しいアイデア!

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こんな感じで、祭りが事前に始まっていれば盛り上がり曲線をナイスな感じでつくれて、返本される前に本を売り切る=重版出来がイケるんじゃないか?と思ったんですね。

ということで、僕のブログで発売二ヶ月以上前から「発酵文化人類学出版祭り」をスタートしてみたわけさ。

・ソトコト連載『発酵文化人類学』事前予約のお願い&お祭りやります!

▶僕自身が小さな取次になる
出版社のリスクを減らし、マスではなくコミュニティに届けるには、僕自身が小さな取次になるのが一番。ただ、家で何千冊も本を預かる(倉庫になる)のはさすがに無理なので【B:銀行】【C:流通】を一部僕のほうで引き受けられないかと考えました。で、流通はつまり「本の注文を取る」ということなので、これは僕のブログをプラットフォームにすればできるぞと。
そして銀行も「本を直接読みたい人に売る」ことができれば、お金の流れがシンプルになる(僕がお金をプールしなくていい)ということに気づいたわけです。

この2つの課題を解決する方法が事前予約システムだったわけなのですね。
僕自身が呼びかけて、僕自身に本を注文してもらえれば出版社的の懸念するリスクを払拭できるわけです。本を送り出す→速攻で現金化なので、取次の委託システムに通すよりもビジネスモデル的にナイスなわけです(返本の心配もないし)。
僕が言い出しっぺで「今まで違う流通をつくる!」と宣言してしまったわけなので、まず自分がリスク取らないと始まらないわけだ。

ということでスタートした事前予約、当初「100人くらい来てくれら嬉しいな…」ぐらいに思っていたら一日で150人、一週間で300人、最終〆切の4月中旬までになんと約800人が予約してくれました(これには本人も出版社も超ビックリ)。

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800枚のイラスト入りサインをひたすら描き続けることまる2日。軽く腱鞘炎になりました

さらに。ダイレクトに本を届けるために、出版ツアーで行商することにしました。
頑張って全国回って自分の手で1,000冊売ることができれば初版の4,000部のうち半分の2,000冊は従来の取次の仕組みを介さず読者に届けることができる。農家が自分の野菜をかごに背負って売り歩くのと似た究極に根源的な売り方を考えたんですね。

ここまでやれば「僕自身が小さな流通になっている」と言えるんじゃないかしら?

▶コミュニティと対話しながら本をつくる
流通を変えるための事前予約システムには予想していなかった副産物がありました。予約をくれた人の多くがアツい応援メッセージを予約メールに添えてくれたのです。全国津々浦々、自分で発酵食品をDIYしている人や醸造家、食に関わる仕事をしているたくさんの人から「ヒラクさんの新著にこんなこと期待してまっす!」というコメントをもらったんですね。

今だから明かしてしまいますが、ブログで事前予約を始めた2月前半は本の1/3くらいしかできていなかったんですね。そんな絶賛書き途中な時期に読者のみなさまから期待のリクエストが届くわけじゃないですか。

そりゃあ、みんなの要望が内容に反映されるよね。

いま考えれば、今回の企画の最大のホームランはこの「みんなからのコメント」だったかもしれません。だって、800人分の「こんな本を読みたい!」っていう要望をもとに本を書けるんだよ?「おっけーおっけー、じゃあリクエストにお応えちゃうぜー!」ってなるじゃん。

でね。みんなのコメントを読んでいるうちに「わかりやすい入門書じゃなくて、とことんディープな本にしていいんだ」ということもわかってきた。
「ヒラクさんにしか書けないマニアックなことを期待してます!」「私、めちゃくちゃマニアックな発酵食品仕込んでます!」みたいな人がすごく多くて、通り一遍の入門書だとみんなの知的好奇心を全然満たせねえ…!そこで、自分の持っている引き出しを全部開けて、奥の奥まで全部のネタを引っ張り出してこようと思ったんですね(その結果400ページの大著になって編集のハシモトさんが泣いた)。

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ハシモトさん「ヒラクさん…!当初の予定よりボリュームありすぎじゃないですか?あとこの専門用語と菌の名前の連打、どうやって注釈をつければいいのかと絶望しました涙」

この顛末は、事前予約してくれた皆さまに同封したフリーペーパーに詳細を書きました。
ハシモトさん、ごめんね。

ということで。
実はこの本には、みんながくれたメッセージへの返事がいっぱい反映されている。だから読者のみんなといっしょに本を書いたと言っても過言ではない。

この「コミュニティで本をつくる」という方法論の応用編は、デザインの投票。仲良しのデザインファームBAUMが提案してくれたナイスすぎる装丁デザイン2案をSNSを使った投票で決定案を絞るという企画に結実しました。

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・『発酵文化人類学』装丁デザインへの投票をお願いします!

この投票も200以上のコメントが寄せられ、めちゃくちゃな盛り上がりを見せました。僕自身どちらのデザインも好きだったので、だったらみんなで決めてしまおうじゃないか!と思ったんですね。結果的に西海岸っぽいA案になったんですけど、B案もカバーを外した本の本体デザインに活かされるという理想的なかたちになりました。

・【発酵文化人類学】表紙デザイン決定!の舞台裏は悩み120%だった件

こうやって、一つ一つのプロセスをコミュニティで作り上げていくうちに確信が湧いてきました。この本を期待しているコミュニティは何千人も、もしかしたら何万人もいるのかもしれない…!

欲しい人に楽しく届ける仕組みを考えよう!

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最初に「フェアやります!」と手を挙げてくれた中目黒蔦屋書店の北見さん

本の原稿執筆があらかた終わった3月後半から、僕のなかで謎の自信が芽生えていきました。もしかしたら、この本は意外とたくさんの人に届くかもしれないぞ…!当初は僕のブログで呼びかけ+イベントという、農家の直売みたいな超シンプルな流通に限定して本を売ろうと思っていたのですが、僕の直接知らない、でもこの本を読みたい人に届く方法もあったほうがいい。

それってつまり、本屋さんだよね。

▶本屋さんに直接注文を呼びかける
数はそんなに多くないかもしれないけど、僕の本を「面白い!これウチのお客さんにオススメしよう」と思ってくれる本屋さんがいるはず!じゃあどうやってその本屋さんに呼びかける?答えはもちろん、個人への呼びかけと同じ。このブログを使って直接呼びかければいい。

・『発酵文化人類学』を盛り上げてくれる本屋さん、この指とまれ!

要は「僕の本に興味がある人は、平積みできるくらいの冊数を直接出版社に注文してください」という呼びかけをしたんですね。
事前予約のケースでは【B:銀行】【C:流通】の2つを僕のほうで受け持っていたわけですが、本屋さんに何十冊も本を買い切ってもらうわけにはいかないので、【B:銀行】の機能は取次の委託販売制度を使い、【C:流通】だけを僕と出版社が直接受け持つような仕組みにしました。

さて。いざ呼びかけをスタートしてみると、思いがけずたくさんの本屋さんが「その祭り、乗った!」と手を挙げてくれました。青山ブックセンター本店や中目黒蔦屋書店、池袋ジュンク堂本店といった大手の名だたる本屋さんから、神楽坂のかもめブックスや大阪のスタンダードブックストア、京都の恵文社さんなどなど(全部書きたいけど書ききれない…!)素敵な街の本屋さんまで、本の目利きたちが面白がって本を注文してくれました。

えーとね。ちょっと訂正。
「たくさん」とか書いてみたけど、実際は大手取次を通したほうがより多くの本屋さんに配れたと思うんだよね。ただ、僕のブログを見て「売ります!」と言ってくれた本屋さんは注文してくれる冊数がハンパなかった。10冊20冊はもちろん、50冊以上注文してくれた本屋さんもあったんだよ!無名の著者が書いた、ニッチすぎる本をそんなに注文して大丈夫なのかーい!と心配になるぐらいの強気の注文がどんどん来ました。ビックリ!

▶オビも著名人の推薦文もつけないぞ!
発売一ヶ月前の時点で、予約注文とイベント販売ぶん、さらに興味を持ってくれた本屋さんの注文を合わせると、初版4,000部の大半が売れていく目処がつきました。

これはよく考えてみると、マスマーケティング全無視でも本は売れる!ということになるのではないか。どのカテゴリーにも当てはまらないようなニッチかつマニアックな本を、著者が自分で呼びかけて個人と本屋さんから直接注文を取る。それでもちゃんと欲しい人がいて、ちゃんと本が届く。コミュニティベースでも、本は売れる!

それを証明するために、編集チームで相談して、

・本にオビ(本の概要が書いてある巻紙)をつける
・新人作家の本によくある「著名人からの推薦文」をつける
・大手メディア媒体に献本して取材してもらう

という、出版流通における定石をあえて無視することにしました。

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ていうかそもそもこの装丁デザインにどのようにオビをつけろと?

まずオビをつけないと何の本だかさっぱりわからないので「本屋さんがキュレーションする」ことが必須になります。つまり「面白い!売りたい!」と思う本屋さん以外はどうしようもない、という状況をあえてつくりたかった。

次に著名人かの推薦文は、いわゆるマスマーケティングが手法なので、コミュニティベースで売ることを前提とするとただのノイズでしかない。著名人ではなく、事前予約してくれた人や本屋さん一人ひとりが推薦人になってくれることが大事だと思ったんですね。

そしてメディア露出。初版に関してはあえて外部メディアに取り上げてもらうことを重視しませんでした。むしろ自前のメディアだけで重版出来にたどり着くことが大事だと思ったんですね。顔の見えるシンプルな関係性で4,000冊を売り切る。それは絶対可能だ!と信じていました(よって献本はほぼ無し。関係者にプレゼントしておしまい)。

「この本を読みたいと思う人がいるはず」と確信しているならば、読んだ人たちの口コミで本が広がっていくはず。そしてそのための準備は抜かりなくやっている。ならば「わかりやすくない」「マニアックである」ことはハードルにはならない。コミュニティベースで広めるならば、ヘンテコさやディープさが武器になる、はず…!

発売開始からのミラクルの連打!

マーケティングしない、わかりやすくしない、限られた場所でしか買えないというフツーに考えると三重苦のような状態で一般発売をスタートした『発酵文化人類学』、フタを開けてみるとビックリするような事態が待っていました。

▶趣味すぎるアヴァンギャルド本棚が出現!

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中目黒蔦屋書店での発酵食品大集結フェア。『発酵文化人類学』の周りに本に登場する発酵食品が並ぶという、本屋さんなのに自然食品店もビックリのすごい棚が出現。一番人気はなんと新島のくさやでした。確かに、手に取る人からするとこの本は発酵食品と一緒に買えると嬉しいよね。

・中目黒蔦屋書店にて、本と発酵食品がセットになった個性派フェアが盛り上がっている件について

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青山ブックセンター本店でも大規模なフェアをやってもらいました。『発酵文化人類学』についているブックガイドの2/3を網羅する「食文化・バイオテクノロジー・文化人類学・デザイン」を横断するあんまり見たことのないアヴァンギャルドな本棚が登場しました。

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カテゴリー無視のごった煮の本棚。担当のひとが遊びまくっている感じが伝わってくるぜ。

▶地方でのイベントが毎回満員御礼!

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写真は愛知で開催されたイベントの集合写真。愛知の若手醸造家たちと発酵話に花が咲きました。4月下旬から全国を回る出版ツアーを始めたのですが、これがどこへ行っても超満員御礼。事前予約で応援メッセージをくれた人たちもたくさん駆けつけてくれました。

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圧巻は沖縄。仲良しのアイデアにんべん黒川夫妻&カフェユニゾン三枝さんの企画が大当たりして、なんと100人以上の人が平日の夜に集まってくれて、スゴい熱気だった…!
(ちなみに5月末時点でなんと25以上のイベントを開催しました。汗)

▶友達に本をオススメしてくれる人が続出!
さらに驚きだったのがコレ。事前予約してくれた人のうち、知り合いに本をオススメしたり配ったりしてくれる人が続出しました。
5冊買って友達のサークルに配る人、10冊買って欲しい人に売るという「プチ本屋さん」になる人、SNSやブログで丁寧なレビューをあげてくれる人など、ヒラクの予想はるか斜め上の事態に。

こんな感じで、純粋に「好き」でつながっていくつながりによって『発酵文化人類学』が広がっていきました。みんなー!ありがとうー!!!!

▶発売後わずか一週間で重版出来! 18426194_1191626480947799_558166817_o

最大のミラクルはこれ。4 月末の発売開始からGWを挟んでなんと一週間で重版出来。 DIYの流通と、DIYのメディアと、コミュニティの力でちゃんと本が欲しい人に届いた!そして本屋さんも読んでくれた人もめっちゃ楽しんでくれている。(ちなみにこのくす玉もソトコト編集部のDIYでした)。

そうそう。僕はこういう「みんなが愉快な関係性」をつくりたかったんだぜ。

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どこの本屋さんでも買えないかわりに、目立つように売ってくれた本屋さんではめちゃくちゃ売れまくっています。青山ブックセンター本店では村上春樹さん×川上未映子さんの本に次いで総合2位、中目黒蔦屋書店でも総合2位で、又吉直樹さんの新作より売れているらしい。

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池袋ジュンク堂本店の名物理工書コーナーではゴジラと並んで超絶ポップな生物学フェアが開催。サイン本買えますよ。

こんな素敵に紹介してくれている本屋さんも。嬉しいなあ。

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インスタグラムで「#発酵文化人類学」と入れると、ものすごくたくさんの装丁デザインに出会えます。ちょっとサイケデリック過ぎたかしら?という不安をよそに、ハイセンス女子の皆さまにも大変好評なデザインです。

これからの展開は?

以上、駆け足で『発酵文化人類学』の祭りのこれまでを振り返ってみました。

で。実は間もなく二度目の重版出来を迎えます。つまり10,000部の大台を超えることがほぼ確実となりました。ここから先はたぶんまた違った展開を迎えていくことになるのでしょう。

つまり、最初無理ゲーだと思っていた「全国に流通しても埋没しない状態」が見えてきたわけでなので、読む人の層の裾野が広がっていくのだと思われます。

重版が決まったあたりからメディアの取材も多くなってきたので、これからいよいよ外部メディウアでも『発酵文化人類学』の情報が発信されていくことになります。正直その先に何が待っているのかよくわからん!

なんだけど、とりあえず言いたいのは僕のワークショップに参加してくれたみんな、事前予約やイベントで応援メッセージをくれたみんな、口コミで本を読んでくれたみんなの力でブレイクスルーできたよ!という感謝のことばです。

『発酵文化人類学』は僕が「こんなの書きたい!」と思った好奇心と、みんなが「こんなの読みたい!」と思った期待感が見事に合体したすごくラッキーな本だと思います。
この本がきっかけになって、日本中の色んな土地の発酵ムーブメントが盛り上がっていくといいなと思っているし、僕自身もなるべくたくさんの地方に足を運んでみんなの声を聞きたいと思っています。

一つ一つのまちの、一人ひとりの声が文化をつくっていく。それが発酵だと思っています。そしてその小さな声の集まりがもうすぐ一万人ぶん集まります。この一万人ぶん、たぶん、めちゃくちゃ重くてチカラあるよ。いったいどこまで遠くまで届くのかしら。

みんなほんとにありがとう。僕も引き続きがんばるよー!
編集チームのハシモトさん&ハヤノさん、これからさらにブレイクだ!

 

【追記1】出版イベントに関して。「こんなにたくさんのイベントの企画、出版社さん大変ですね」と業界の人によく聞かれますが、イベント企画は僕が友達の縁で勝手に企画しているのがほとんど。ちなみに地方のイベントでは交通費も持ち出しでやってます(だって、発酵こそ地域の文化の宝物だからね)。

【追記2】本を書く経費について。「軽い語り口のわりにバックボーンがしっかりしている」という嬉しいコメントをたくさんもらいました。これは数百の文献と全国各地へのフィールドワークに裏付けされてのもの。そして今回僕がこんなにも「本を売るぞ!」と一生懸命になったのは文献購入と出張にかかった半端ない額の経費赤字(たぶん100万円近い)のモトを取るためなのでした。次の増刷で赤字解消!やっほー!

【追記3】本の流通在庫に関して。取次が全国の書店に本を配るシステム(自動配本)を使わないと、どこにどれくらい本の在庫があるのかがものすごい精度でわかります。重版のタイミングがやたら速いのはこのあたりに理由があったりするのでした。僕ほど自分の本の在庫を把握している著者も珍しいと思われます(営業担当のハヤノさん、ありがとう)。

【追記4】もちろん今回の企画は僕ひとりのスタンドプレーではなく、ソトコト編集部のバックアップがあってのもの。ていうか、業界の常識を無視した作戦に編集チームが「面白いですね!やりましょう!」と楽しんでくれたのが最強の成功原因かも。

【追記5】7月中旬に4刷目の重版出来を迎えることになりました。一万部をさらに超えてリアルベストセラーへのチャレンジになります。大手新聞社や週刊誌などにもたくさんの書評が掲載され、コミュニティのさらにその外側に波及していっているようです。みんなありがとう!
※7/17追記

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中目黒蔦屋書店にて、本と発酵食品がセットになった個性派フェアが盛り上がっている件について

5/6に盟友アサダワタル君と対談した出版イベントも大盛況!

今回の『発酵文化人類学』出版記念祭りで一番最初に「フェアやります!」と手を挙げてくれた中目黒蔦屋書店の北見さん。めっちゃ元気な女の子だなぁ…と思っていたら、いつの間にかとんでもない企画が始まってしまいました。

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北見さん「ヒラクさん!書籍といっしょに本に出てくる発酵食品を置きたいんですけど!」

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ヒラク「ああ、それいいですね〜。どれ置きますか?」

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北見さん「可能な限り全部!

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ヒラク「えっ…マジで?」

そして本の発売から10日後…

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どひゃー!ほんとに本棚が発酵食品まみれだ〜!
写真に見えるのは、マルサン葡萄酒の甲州ワイン、ミツル醤油の本格醤油、五味醤油のお味噌、さらに高知嶺北の幻の碁石茶や、新島のくさやまで!

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さらに冷蔵コーナーには寺田本家の発酵調味料やお酒、ミツル醤油の甘酒などもスタンバイ。
左側にチラッと見えるのはクラフトビール。これは、クラフトビールを飲むような感じで甘酒とか日本酒飲みながら本読んでね!ってことなのかしら?

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北見さん「ふだんビールを注文する方でも飲みやすいように、ハーフボトルの日本酒を用意しました!」

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ヒラク「芸が細かい…!ちなみに一番売れてる発酵食品はなんですか?」

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北見さん「くさやですね!入荷して即売り切れになりました!」

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ヒラク「なにーッ!このオシャレなお店でそんなにくさやが売れるとは…!」

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店内を観察してみたらば、たしかに発酵食品を手に取る人がいっぱい…。
(写真の女性は、ミツル醤油の本格醤油をレジに持っていっていました)

本がきっかけで発酵食品が売れる!?

これは考えてみればけっこうスゴいことかもしれない。
だって、僕の本がきっかけになって発酵食品が売れてるわけでしょ?しかも本屋さんで。

主客転倒な感じもしなくもないけれど、僕の大好きな発酵プロダクトが普段と全然違うきっかけで色んな人に知ってもらえるわけだから、ある意味本望だわ…!

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北見さん「私、本屋さんですけど、本を買う側に立って想像してみるとヒラクさんの本って発酵食品と一緒に買いたいと思うんですよね。だからこういう本棚にしてみたんだけど、皆さん発酵食品も買ってくれて嬉しいです!」

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ヒラク「それは僕も嬉しい!ところでなんですが、僕の本は売れてます…?」

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北見さん「超売れてます。発売一ヶ月で60冊以上売れて、また在庫切れになりました。4〜5月の売上げランキングでは総合二位です。又吉直樹さんの新作より売れてます。」

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ヒラク「ななな、なんてこった!こんなニッチな本がメジャーな文芸書より売れるとは。北見さんの企画力スゴすぎ〜!」

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北見さん「あと『発酵文化人類学Tシャツ』も販売スタートしています。6月に入ってもしばらくフェア続行しますので、皆さまぜひ遊びにきてくださいね」

・【大重版記念】発酵文化人類学Tシャツ、販売スタート!

ということで。みんな、僕の本を買うついでに発酵食品を買いに行こう。
ていうかナイスな発酵食品を買うついでに良ければ僕の本を買っておくれ。

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本にも登場するマルサン葡萄酒のワインも買えるよ〜!みんな中目黒にカモン!

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【大重版記念】発酵文化人類学Tシャツ、販売スタート!

どうやら巷で大きな話題になっているらしい新著『発酵文化人類学』。重版を記念して…

オフィシャルTシャツを販売スタートします!

僕が出版イベントの時に着ているあの黄色いTシャツです。本の装丁を流用した、60年代の西海岸っぽいレトロかつお洒落なデザイン。「ワタシも欲しい!」という声が続出したため、今までは試験的にイベントで売っていたのを、本屋さんで売ることにしました。

中目黒蔦屋書店
池袋ジュンク堂本店
青山ブックセンター本店

心斎橋スタンダードブックストア

価格は2,500円+税!サイズはS(女子)・M(男子細め)・L(男子デカめ)の三種類。

愉快な仲間たちにモデルになってもらいました

ということで。みんながTシャツを欲しくっちゃうように僕の友人たちにモデルになってもらいました。撮影場所はこないだ愛知で開催された『森、道、市場』と山梨。撮影はBEEKの土屋誠くんです。

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チーム糸島のちはるちゃん&こーいちくん。夫婦でお似合い!

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千葉県神崎の酒蔵、寺田本家の寺田優さん。前掛けとセットでクールだぜ。

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小豆島の醤油プリンセス、最近愛知のみやもと糀店に嫁いだケリーちゃん。キュートだぜ。

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このブログではおなじみ、ジモコロ編集長の柿次郎さん。力抜けてていい感じ。

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愛知県碧南の三河みりん(角谷文治郎商店)の若旦那、三角さん。ROCK!

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みんな大好きな頼れる姉御、りんねしゃの大島さん。女子のフェスにぴったり!

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下諏訪リビルディングセンターの東野夫妻。もはやリビセンTシャツと言ってもいいほど自然。

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なじみ山梨県甲府五味醤油の発酵兄妹。山梨の人はオリジナルTシャツ作るの大好き。

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本にも登場するマルサン葡萄酒の若尾くん。今のところこのTシャツが似合う男 no.1!

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最後にソトコト担当編集ハシモトさん、あと著者のヒラク。

本屋さんかイベント会場でゲットしよう!

ネット通販全盛のこのご時世ですが、通販はしません。
本屋さんに行ってほしいから、本屋さんで買ってね。あとはイベント会場でも置いてある時があります(在庫があるとき)。予想外に大人気&ヒラクが受発注の管理をしているので欲しい時にすぐ買える!というものではないのですが、見かけたらぜひゲットしてね。

中目黒蔦屋書店
池袋ジュンク堂本店
青山ブックセンター本店

心斎橋スタンダードブックストア

で買えます。価格は2,500円+税!サイズはS・M・Lの三種類。
街でこのTシャツ着ている人とすれちがったら、レッツ握手!

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【発酵文化人類学】ベストセラーへの道が見えた!もうすぐワンモア重版出来するよ

新著『発酵文化人類学』、10,000冊売れたら海外へ行くぞ!と宣言しましたが、どうやら実現しそうです。しかも予想よりも全然はやく。

・【発酵文化人類学】発売7日目で重版決定!10,000冊売れたら海外編が出るよ!

昨日5/26に増刷ぶん(3,000冊)が届いたのですが、初日で1,000冊以上が倉庫からすっ飛んでいったらしく、あと数日で二度目の重版出来を判断しないとまたもや在庫切れになってしまいそうな事態に。どひゃー!

本屋さんで順調に売れれば、重版出来!

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ヒラク「これは速攻でまた増刷しないと!みんな『なかなか本がゲットできないんだけど』と困っているみたいですよ」

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営業担当ハヤノさん「いやあ、もう今日にでも増刷を決めたいところなんですけど、まだ本屋さんが注文してくれている段階で、本当に本屋さんで売れるかどうかはわからないので…」

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ヒラク「心配無用ですよ!だって今まででも本屋さんでいっぱい売れたし、本屋さんも楽しんで本を紹介してくれたじゃないですか」

・『発酵文化人類学』は本当に売れているのか?本屋さんに会いにいってきました。

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営業担当ハヤノさん「そうですよね。要はこのブログを読んでいる皆さまが本を買ってくれれば問題ないんです。つまり、買ってください。よろしくおねがいします!」

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ヒラク「ハヤノさん、アイデアがあります。次の重版出来決まったら、ハヤノさんと編集ハシモトさんでお祝いのライブパフォーマンスをするというのはどうでしょう?」
※ハヤノさんはベース、ハシモトさんはトランペットのJAZZミュージシャン

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ハヤノ&ハシモトさん「えっ…?」

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ヒラク「頑張って本を売って重版出来いけるぞ!となったら、二人の演奏をWEB上で公開するというのはどうですか?曲はやっぱり…『手前みそのうた』かなあ…」

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ハヤノ&ハシモトさん(出たよ…ヒラクさんの無茶ぶり…)

 

『発酵文化人類学』をベストセラーにするよ!

今回、僕には謎の自信がありました。
『発酵文化人類学』を楽しんで読んでくれる人がいることを、本を書いているなかで確信していたのですね。だって、10年近く数千人もの人たちとワークショップをやり続けた経験からこの本を書いたのだもの。僕が直接会ったのは数千人ですが、きっとその何倍かは「こういう本を読みたい!」と思っている人がいるはず。時代のトレンドがどうとか、マーケティングがどうとかではなく、自分の身体感覚で「きっとこういう本を待っている人がいる!」と強く感じていたのでした。

でね。
事前予約の段階から日本各地から500通以上の「めっちゃ期待しています!」というアツいメッセージが届き、本をリリースするのとほぼ同時に「こういう本を読みたかった!」というコメントが届きました(なんと本に挟まれている読者カードもけっこう来た)。

間違ってなかった…!僕の信じていたことは、間違ってなかったーーー!!!!

ということで、宣言するよ。
僕(&ソトコト編集チーム)は『発酵文化人類学』をベストセラーにする!

まだきっと、この本を読みたい、発酵のひみつを知りたい!文化人類学の世界を旅したい!という人たちがまだまだいるはず。その人たちにきちんと届くまで、祭りは終わらないぞ!

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ハシモトさん「重版出来一回だけじゃ終わらないですよ〜!微生物のようにモコモコ増やしていきましょう!」

hayano
ハヤノさん(やべえ…ハードルめっちゃ上がってる…)

みんな引き続き応援よろしくね!

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・【発酵文化人類学】みんなの言霊で、世を発酵させておくれー!

最近読んだ本リスト:2017年春

新著が出て以来、出版ツアーであちこち旅を続けている。
各地の友人たちに会ったり美味しいものを食べたり飲んだりする以外にも、移動中に本をたくさん読めるのも旅の楽しみの一つ。

本の執筆中には読めなかった知り合いの本や、専門書以外の本を片っ端から読みまくって久々に「楽しみとしての読書」を満喫しました。
備忘録代わりにツイッターでメモしておいた短い感想文をブログ記事にまとめておきます。
(僕の本のコメントよろしく!とかみんなに言いふらしているわけだし、まず僕からGiveしないとねえ)

最近読んだ本はこんな感じ

ということで最近読んだ本。だいたい知り合いの関わった本です。

▶バウルの歌を探しに:川内有緒
一言で言えば「才能によって書かれた本」。
ノンフィクションの旅行記のようなエッセイのような小説のような不思議な本。バングラディシュに巡礼の歌を聴きに行く、という内容なのだけど、読んでいるうちになにか異界に入っていくような感覚がある。これ何かに似ているな…と思ったら杉浦日向子さんの漫画だった!

よくある旅行記なのかな…と思って読み進めると修行者たちや詩人タゴールの奥深い歌が差し挟まれ、その歌に導かれるように旅がディープに深まっていく。

川内さんのような「絶対的に突出した感性」を目の当たりにすると、やっぱり才能ってあるよね!という気持ちになる。周りに「いい感性もってるひと」はいっぱいいるけど、ちょっと次元が違う感じあるわ。これが作家ってもんだねぇ。 めっちゃ面白いよ。

▶小商いで自由に暮らす:磯木 淳寛
千葉県いすみに住む友人、磯木さんの『小商いで自由に暮らす』も、タイトルからは予想していなかった読み応えのあるナイスな本。移住とか働き方系の本は、インタビューをまとめるだけのものが多いけど、ここにはちゃんと著者の仮説と確かな経験則がある。そして編集に構造がある。

インタビュー本にありがちの「素敵なライフスタイル拝見させていただきます☆」的な視点よちも「小商い的な経済はいかにして形成されるのか?」という問いをぶらさずに具体的なケーススタディとしてインタビューを集めているので「自分がこの本を読む理由」が明確になっている。写真や図版もいっぱいで編集も凝っている。これは読む価値あるで。

ちなみに僕が東京に住んでいた頃、磯木さんがいすみから上京する時の定宿は必ず我が家だった。夜遅くまで一緒に語り合ったことが、こんな素晴らしいかたちで結実するなんてほんとに嬉しいことだなあ。

▶日本のシビックエコノミー
友人の江口晋太朗くんが共著者として関わっている企画本。「課題解決」を命題とするソーシャルデザインからさらに一歩踏み込んで、市民による自治の方法論で持続可能な経済をつくる「シビックエコノミー」のケーススタディと考察がぎっしり詰まっている。これも磯木さんの本と同じく情報と編集が素晴らしい濃密で、各ページごとに発見がいっぱいある。都市計画とか政策提言の教科書として大学で使われると良さそうな本。僕もいっぱいヒントをもらいました。

▶不便益という発想:川上浩司
ミシマ社の星野さんから献本してもらいました。デザイナーにとってはめちゃくちゃ面白い本。便利さを重視しすぎてなんでもかんでも機能を詰め込むとユーザビリティがなくなるので「適度な不便さ」を設計するとコミュニケーションが滑らかになる、という主旨の本。
商品とかサービスの企画開発をするビジネスマンを対象に書かれた本だと思うんだけど、それ以外にも普遍的な気づきがある本。軽いボリュームなので中央線の特急に乗って山梨→東京に行く一時間ちょいでサクッと読めます。軽いけど薄くはない。

▶るろうにほん 熊本へ:佐藤健
仲良しの藤本智士さん編集の熊本の震災復興へのチャリティとして企画された本。俳優の佐藤健さんのファンブックを遥かに超えて熊本のルーツとそこに住む人達の暮らしぶりが伝わってくる。藤本さんはローカルのことをやりながらもマスのアイコンを扱う手つきが素晴らしいなとリスペクト。佐藤健さんの誠実なキャラも伝わってきて、おじさんが読んでも心が暖かくなりました。

▶移住女子:伊佐知美
友人の旅ガール、伊佐知美さんの『移住女子』。地方に移住した女性たちへのインタビュー本で、著者独特の文章のセンスが他の本と違いを生んでいる。知り合いが何人も登場するので、友達からの手紙のように微笑ましく読みました。
ただ、この本自体は企画先行でできた内容なので、伊佐さんの作家としての個性が全面に出た本が読みたいなとも思いました。次はもっと伊佐さんの潤いのある文才が見たいデス。

▶まちのゲストハウス考:真野 洋介&片岡 八重子
学芸出版の岩切さんから献本してもらみました。これも単なるゲストハウスのガイドブックではなく、まちづくりの文脈の延長線上にゲストハウスを置くことによって、宿というビジネスモデルにコミュニティや観光、若者の雇用問題など現代的なトピックスが重ね合わされていく重層的な編集。「ゲストハウスに行こう!」というだけの内容にならなかったぶん、本の奥行きは出たけど、編集の真意を汲み取れる人の母数が限られてしまいそう(まちづくり系の人以外にはややムズカしい)のが惜しい!

▶ぼくらは地方で幸せを見つける:指出一正
出版ツアーキックオフで対談したソトコト編集長の指出さんのナイスな本。編集者のキャリアのなかでの気付きと仮説の言語化、インタビューの人選、パンチライン多すぎな文体など、時代の空気が明確に切り取られた内容で、この世代のマイルストーンになりそう。
ソトコトのふんわりした雰囲気の裏にある確かな実感と方法論に納得。指出さんスゴい編集者だわ。

▶蚕〜絹糸を吐く虫と日本人:畑中章宏
こないだフジテレビの番組でご一緒した民俗学者の畑中章宏さんの素晴らしい民族誌。養蚕の文化を立体的に掘り下げていくことで、日本の中世〜近代の歴史が浮かび上がってくる。ワンテーマを切り取って普遍へと向かう才能と経験を兼ね備えた人にしかできない仕事が味わえます。いやこれスゴいわ。

▶日本人の身体:安田登
同じくフジテレビでご一緒した能楽師の安田登さんの絶対必読のクラシック。古代の言葉のルーツや能の謡曲を紐解きながら、日本人にとっての空間と時間の感覚を掘り下げまくってある。「身体=自分のからだ」という前提自体が近代以降の幻想であり、日本人にとって身体とは世界そのものであるというこに気づきます。
安田さんと出会ったことで「発酵と能の世界はめちゃ似ている」という恐ろしいことに気づいてしまいました。発酵好きの皆さまもぜひご一読あれ。
(そのうち安田さんと一緒に能×発酵の企画をやるかもしれません)

▶その日暮らしの人類学:小川さやかさん
大阪スタンダードブックストアで対談した文化人類学者、小川さやかさんの新書本。アフリカのストリート商人『マチンガ』の文化をフィールドとした驚きの世界観が明かされる、地獄のように面白い本です。僕この本読んで興奮しすぎて、しばらく脳みそがアフリカに行ってしまった。

ちなみに小川さんがマチンガの世界で発見した贈与理論は、僕の発酵文化人類学に書かれた世界観とかなり共通点があるそう。「普通の発酵本だと思って読んだら本格的な人類学の内容でビックリした。ヒラクさんはある意味人類学の最先端の流れに無意識に近接しているのかも」とコメントもらいました。超一流の文化人類学者にそんなこと言ってもらえるとすげー嬉しいデス。

 

他にもいっぱい読んでいるので、また時間がある時にブログでまとめることにしよう。
最近色んな人から献本があるのですが、全部読んでいるよ。

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【発酵文化人類学】期間限定!売れすぎ在庫切れフェアをやります

5/16博多Rehink Booksで家入一真さんとのトークイベントの記念写真。家入さんビール飲みすぎ…笑

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全国出版ツアーの旅先からこんにちは。ヒラクです。

連日あれこれお知らせしている通り、新著『発酵文化人類学』が信じられないほど大好評です。4月末の発売開始から一週間で増刷が決まり、2週間経過する頃にはSNSでも「何だこれ!めちゃ面白いぞ!」と話題沸騰、amazonの書籍売上げランキング「文化人類学・民俗学」「生物学」の2つのランキングで1位を獲得し、街の本屋さんでも売れまくり、フェアをやってくれている青山ブックセンターにいたっては村上春樹&川上未映子さんの本について売上げランキング2位につけるほどのミラクルが起きています。

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全国各地で開催されている出版イベントも、どの会場でも満員御礼。
醸造家や料理家はもちろん、デザイナーやアーティスト、IT起業家、文化人類学者など超豪華なゲスト達と盛り上がりまくっています。

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編集チームも著者も予想だにしていなかったお祭り騒ぎ、めちゃ嬉しいんだけど問題が起こりました。

在庫がねぇ…!

もう倉庫がすっからかんです。速攻で増刷かけたんですけど、それでも本が足りなーい!というスゴい事態に。本屋さんやソトコト編集部にどんどん注文が来ているんですが、来週増刷分が刷り上がるまでどうしようもない事態に。

こういうのって、出版業界的には「読み間違えたー!やっちまったー!」という状況らしいんですけど、ヒラク的には「在庫切れとかちょっとカッコ良くない…?」とか思うわけです。

売れすぎ在庫切れフェアやるよ!

そこで、慌てる編集部をさらに慌てさせる企画をやりたいなと。
名付けて売れすぎ在庫切れフェア

在庫切れを記念して、在庫切れ期間中(5/20〜5/26)に出版元の木楽舎のWEBサイトから本を注文をしてくれた方に、

・著者直筆イラスト入りサイン
・大好評!ただいま発酵中ステッカー
・オリジナルフリーペーパー

を付けて編集部から皆さまに増刷分の本をいの一番に直送したいと思います。

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三種類のキャラクターのうちどれかが届きます。

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容器やPCに貼るとたちまち発酵が始まるステッカー

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本の制作秘話や発酵DIYレシピがついた手作りフリーペーパー

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一冊一冊全部手描きなので、たくさんの注文をもらえるとヒラクが腱鞘炎になるという特典がついてきます。ちなみに初回事前予約では800冊ぶんサインしました。のべ7時間くらいかかりました。

「速攻で本をゲットしたい!」
「サイン&特典が欲しい!」
「編集部が嬉しい悲鳴をあげる&ヒラクが腱鞘炎になるところを見たーい!」

という人は、↓のURLから「#在庫切れフェア」と備考欄に記入のうえ本を注文ください。
☆☆発酵文化人類学の増刷予約注文はこちらから☆☆
※4/26に増刷分が届くので、そこから速攻で配送します。

待ちきれない人は本屋さんへGO!

出版社の倉庫はすっからかんですが、本屋さんにはもちろん本が置いてあります。
特に在庫が多く残っているところをリストアップしたので、「待てねえ!今すぐ読みてえ!」という方は、最寄りの本屋さんに行きましょう。ついでに他の面白そうな本もゲットすると人生豊かになるよ。

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▶『発酵文化人類学』がすぐに買える本屋さんリスト
※5/20現在の在庫状況で比較的冊数がありそうなところ。売り切れてたらごめんね。

東京:青山ブックセンター本店
東京:ジュンク堂書店池袋本店
東京:中目黒蔦屋書店
東京:HMVブックス渋谷店
東京:東京農業大学生協書店
東京:早稲田大学生協書店
東京:吉祥寺ブックスルーエ
東京:西荻窪Title
北海道:札幌ヒシガタ文庫
宮城:東北大学本部&農学部生協書店
神奈川:ジュンク堂書店藤沢店
愛知:ジュンク堂書店名古屋本店&ロフト店
大阪:スタンダードブックストア心斎橋
大阪:紀伊国屋梅田本店
京都:恵文社
奈良;啓林堂書店奈良店
熊本:長崎書店
新潟:ジュンク堂書店新潟店
福岡:ジュンク堂書店福岡店
沖縄:カフェユニゾン宜野湾
沖縄:ジュンク堂書店那覇店

☆他にも「ウチいっぱい置いてあるよー!」というところはご一報をば。

それではみんな、『発酵文化人類学』を楽しく読んで下さいね〜!
あとイベントも遊びにきてね。

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34歳は、見えないものを見る年だ!

34歳になりました。
メールや電話やSNSでお祝いしてくれた皆さま、どうもありがとう。

33歳の一年間は、これまでやってきたことをぐっと深めて結果に結びつける年でした。ブダペストで学会デビューし(いきなり海外)、シューマッハカレッジで思索を深め、発酵のDIY研究の総決算を子供向け自由研究本にまとめ、greenzの学校で発酵をさらに拡張するバイオテクノロジー講座を開催し、こうじづくり講座の参加者1,000人を達成し、ブログのアクセス数が過去最高を記録し、発酵デザイナーの現時点でのすべての引き出しを余さず出し切った『発酵文化人類学』を出版しました。

・Probioticsという新たなトレンド。ブダペストで発酵しまくってきた

・エレガントに、シンプルに。シューマッハカレッジの、学び合うコミュニティのつくりかた

・【発酵デザイン入門】暮らしに関わる微生物&バイオテクノロジーの初歩を楽しく学ぼう

・1000人達成!発酵デザイナーのこうじづくり講座

・手前みそからシンギュラリティまで。『発酵文化人類学』の詳細はこちら!

ひたすら微生物と発酵の研究に打ち込んで、同時に色んなところを旅した一年でした。社交やメディア出演を控え、人間の世界から微生物の世界へ移行する年だったんだけど…

まだまだ足りねえ。もっともっと微生物界に入り浸りたい…!

ということで。34歳のテーマは
見えないものを見る
です。

もちろんスピリチュアルな話じゃないよ。
ミクロの世界がもっと解像度高く見れるように訓練する一年にするのだ。

具体的に言うとだな。
夏に出版ツアーが一段落ついたら、家の空き地に本格的な微生物研究のラボを建て始めます(例によってDIYで)。同時に、現状の初歩レベルの研究からさらに高度な微生物の解析や培養ができるようにスキルも設備もアップデートします。そして僕の住む山梨の山の上の微生物たちの生態系を調べ始めるのさ。

・夢は新種のカビの発見!ピュアな動機で次のステージへ。発酵デザイナー 小倉ヒラク×「北欧、暮らしの道具店」代表 青木耕平 対談【後編】

誕生日の抱負だし、なんかもうちょっと普遍的で深イイ感じの話しようと思ったんだけど、もう本当に微生物が好きで好きで好きで好きで好きな気持ちが最近抑えきれないので、34歳はさらにさらに離脱して微生物界に深入りする一年にしたいと思います。

歳を重ねれば重ねるほどヘンテコなことになっていく人生ですが、不思議なほど不安はないのです。目に見えないこのミクロの生命たちの導いてくれる道の先に、愉快でエキサイティングな世界が待っている。その道をご機嫌な感じで歩んでいれば仕事もお金も人間関係もなんとかなるような確信があります。

人間だけの世界から、多様な生命で満ち溢れた世界へ。
少しづつ僕の生きたいと願う世界のドアが開いてきているような気がします。

みなさま今年もよろしくね。

【追記】ちなみに写真は鹿児島市役所の広場にて撮影。西郷どんに見守られながら日向ぼっこしていました。

同時代を生きる。文化はコレクティブに織り合わされる。

出版ツアーの合間に、愛知県蒲郡で開催されている野外フェス『森、道、市場』に参加してきた。

愛知のみやもと糀店や澤田酒造、三河みりんやりんねしゃをはじめ、千葉の寺田本家や滋賀の富田酒造、発酵研究家のなかじさんなど全国の醸造家が乗り合いで出店している『発酵居酒屋』のお手伝い(普通に遊びにいく感じでいたら店が繁盛しすぎで普通にバイトしてました汗)。

合間に会場を散歩していたら、100メートル歩かないうちに全国の知り合い達に遭遇。
去年末に博多で一緒にイベントをやった畠山千春&makumoの糸島チームや、取材に来ていたジモコロチーム、奈良に引っ越した植物研究家の塩津くんや京都の似顔絵描きの笑達くん、鶴岡のプロジェクトでお世話になったつむぎやのマツーラさん、香川の仏生山で本のキュレーションやっている川上さんや諏訪のリビルディングセンターチーム、飛騨の白石くんやものすごい鯖の堀田くん、大阪のgrafチームやfoodscape!の堀田さん、萩のゲストハウスrucoの塩満くん、僕のラジオ番組にもゲストで出てくれた八百屋のミコト屋さん、やまくにのいりこのおじちゃん等など、日本半周したくらいの友人たちと挨拶してだいぶハッピーになったぜ。

「何なの?オレって顔広いぜ自慢?」

いやいやそうじゃなくて。
この森道というイベントは、全国で頑張っている「同じ時代を共有している仲間たち」が集まる場になっているんだね。

イベントの合間に千春ちゃんやリビセンのカナコちゃん、塩津くんのブースに寄って「狩猟とかリノベーションとか植物とか微生物とか、やっているジャンルはバラバラだけど、同じ時代の、同じような世界を見ているような感じがするよね」としみじみ話していました。

この「同時代を生きている感」は、僕にとってかつてなかった感覚だなぁ。
誰かがつくったトレンドに乗っかるつながりではなく、それぞれの地域やジャンルで地道に活動しながら、でも同じような方向を見て、同じような空気感や価値観を共有している。

うまく言えないんだけど、みんなで超デカいパズルのピースを一枚一枚埋めている感じ(通じる人はたぶんこれで通じる)。それぞれのピースのカタチや色が全然違うんだけど、そのピースが集まってくるとグランドピクチャーが見えてくる。

誰もその全体像を事前に把握してはいないんだけど、しかしそれぞれの活動を頑張っていればいずれその全体像が見えてくることだけは確信している。

この感覚がコレクティブな文化のつくりかたなんだろうね。

こないだドミニク・チェンさん企画のテレビ番組に出演した時に、共演の能楽師安田登さんがつぶやいたコメント。それぞれが「個」として自分の世界を突き詰めながら、同時代を生きる「群」として創発的に新しい世界をつくりだそうとしている。

「ホリスティック」という状態は、自分の脳みその中に無理やり全世界を押し込むことではない。その「窮屈な全世界」はアタマにもカラダにも良くない。
そうはなくて、自分の「個」を全うしてニッチに突き抜けまくった個性が糸となり、その糸が織り合わされて世界というホリスティックな織物ができあがる。織物の全体の柄をデザインするのは人ではなく時代だ。これが「同時代を生きる」ということ、「個人が集まって時代のムーブメントをつくる」ということの生態系なのだと思う。

『森、道、市場』はまさに個性という糸が織り合わされるナイスな場でした。また来年もみんなに会いに遊びに行きます。主催者の皆さま、ありがとう!
あと、発酵チームには大変お世話になりました。またすぐ会いましょう。

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【発酵文化人類学】発売7日目で重版決定!10,000冊売れたら海外編が出るよ!

みなさまにお知らせです。

僕の新著『発酵文化人類学』の重版出来が決定しました。
しかも発売開始7日目で決定という快挙!

GW中には重版が確実になっていたのですが、なぜ報告が遅れたのかというと、増刷する部数を相談していたのさ。結論としては初版4,000部に対して増刷は3,000部。
ヒラクのように無名の著者の本としてはめちゃくちゃ強気の増刷です。これもひとえに

事前予約してくれたみなさま
発売と同時に速攻で本をゲットしてくれたみなさま
出版イベントに遊びにきてくれたみなさま
「この本面白そう!」と注文してくれた本屋のみなさま
周りの友達や地元の本屋さんに口コミしてくれたみなさま

のおかげです。どうもありがとう〜!

次の目標は、10,000冊だ!

めでたく最初の目標だった重版出来をクリアーし、ヒラクの赤字は解消されることになりました(よかった〜!)。しかしまだまだ祭りは終わらせねえ。

次の目標は、10,000冊
つまりワンモア重版出来です。

HASHIMOTO
編集ハシモトさん「ヒラクさん、発売即重版やりましたね〜!さらに重版目指しましょう」

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ヒラク「次なる目標を設定したからには、読者のみなさまが盛り上がる企画が必要ですよね」

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営業ハヤノさん「それじゃあ、10,000冊行ったら続編つくるってのはどうですかね?」

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ヒラク「それいい!じゃあ次は………海外編だ!」

ということで。
もう一度重版して10,000冊の本が出たら、発酵文化人類学の海外編をつくります。
これはテキトーな口約束ではありません。例えば…

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今回ページ数の問題で取り上げられなかったみりんの文化。
海外編の制作が実現したら、みりん屋の若旦那と一緒に中国へみりんのルーツを辿りに行きます(M角さん、巻き込んでスイマセン)。

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こんな感じのワンダーランドに出かけます。あるいは…

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20代のはじめに住んでいたヨーロッパへもう一度カムバック。
フランスやイタリアのワイン文化や、チェコやベルギーのビール文化や、

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ヨーグルトやチーズ、ザワークラウトなどの乳酸菌事情を掘り下げに行くよ。

もう一度繰り返しますが、次の目標は10,000部ワンモア重版出来です。
そしたら次は発酵文化人類学をワールドワイドに拡げるために、次なる冒険にでるぞ〜!

それでは引き続き『発酵文化人類学』をどうぞよろしくお願い致します。
本がバッチリ売れるように、どうぞ応援をお願いします。応援方法については下記↓

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・【発酵文化人類学】みんなの言霊で、世を発酵させておくれー!

まだまだ祭りは続くぞ〜!わっしょーい!!

【追記】ちなみに増刷記念企画として、大好評の『発酵文化人類学Tシャツ』を正式に本屋さんで販売することになりました。それも数日内にみなさまにご報告しますのでどうぞよろしく。

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みんなー!ほんとうにありがとう!!!

【追記の追記】ちなみに次の本をつくる=また赤字を出しまくるということは内緒な。

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『発酵文化人類学』は本当に売れているのか?本屋さんに会いにいってきました。

結論から言えば、4/28に発売された『発酵文化人類学』は売れている…!

事前予約をいっぱいもらったり、たくさん感想やコメントをシェアしてもらったり、名だたる書店でフェアをやってもらったり。無名の著者ヒラクの本をここまで応援してもらって「全然売れないですー!涙」となったらかなり気まずい…!

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ということで、ソトコト営業担当の早野さんと一緒に都内の本屋さんに様子を見に行ってみることにしました。果たして『発酵文化人類学』は売れているのか…?

(ちなみ早野さんとヒラクは早稲田大学文学部の同年代)

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編集担当ハシモトさん「実はワタシも早稲田文学部出身でーす!ヒラクさん早野さん営業がんばってくださいね!」

イケてる本屋さんでめっちゃ売れてる!

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最初に「フェアやりまーす!」と手を上げてくれた中目黒蔦屋書店。お店の入り口すぐでめっちゃプッシュしてくれてるー!ちなみに本のジャンル的には「デザイン本」です。

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遠目からチラチラ観察していると、5分間のあいだに3人くらい本を手にとってパラパラページをめくる人が…!そのうちの一人の好青年のお兄さんが本を買っていってくれました。
すげェ…、ほんとに本って本屋さんで売れるんだ!(←当たり前だろ)感動のあまりその場でつかまえて北見さんと記念写真を撮りました。

ちなみに買ったのは枻出版で働いている飯田さんだそうです。Discover Japan読んでますよー!

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北見さん「数日中に、本に登場する醸造メーカー(寺田さんや五味さん、マルサンぶ葡萄酒とか)の調味料やお酒、発酵珍味(碁石茶とかくさやとか)もミックスした発酵コーナーをつくります。どうぞお楽しみに〜!そしてすでに本かなり売れてますよー!」

あと宣伝!5/6の夕方には盟友のアサダワタルくんと対談イベントしまーす。
詳細はこちら→★

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装丁を気に入ってくれて本を注文してくれたSHIBUYA PUBLISHING & BOOKSELLERSさんも訪問。渋谷から歩いて15分くらいの商店街のなかにある、めちゃカッコいい本屋さんです。

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ヒラク「あれ、本置いてないなあ?まだ届いてないのかしら?」

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店長粕川さん「あの、売り切れちゃいました…!

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早野さん「じゃ、今本持ってるんで、追加しますね」

kasukawa
店長粕川さん「じゃ、その棚に置いてください」

(えっ、本ってこんな超アナログな感じで卸されるんだ…!)

ということで、SHIBUYA PUBLISHING & BOOKSELLERSさんでは二回目の追加注文です。
すげー!売れてるー!!!!

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HMVブックスでも大々的に本を置いてもらっています(食の本のコーナー)。すぐとなりには食品や調理器具が置かれていていい感じです。ちなみにすぐそばには山梨の友達の料理家、真藤舞衣子さんの新刊も。ちょっと嬉しい…!

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担当者さんがお休みだったので、売れ行きは確認できなかったのですが、きっと売れている、はず…!もっと売れろ〜!と念を込めて、手描きのPOPを納品してきたぜ。

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高校時代からのヒラクの憧れ、青山ブックセンター本店ではなんと!入り口入ってすぐ右の棚をまるごと使って『発酵文化人類学フェア』を展開してくれていました。
すげー!まさか人生でこんな日が来るとは…。

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平積みはもちろん、本のなかで紹介したディープな微生物本や文化人類学本もあわせて紹介。
『発酵文化人類学』のすぐ下に『バイオパンク』と『大学生物学の教科書』が並び、さらにその下には小泉先生の『発酵』、さらにその下にはモースの『贈与論』やレヴィ=ストロースの『野生の思考』が並び、その横にはブルーノ・ムナーリの『ファンタジア』や西村佳哲さんの『自分の仕事をつくる』が並ぶという、ジャンル横断しすぎな斬新すぎる本棚が爆誕しています。このあたりの本を読んでREMIXすると僕の『発酵文化人類学』ができるのさ。

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ヒラク「ほんとにこんな素晴らしいフェアをやってくれて感激です。で、売れてます?」

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スタッフ山下さん「あの…めっちゃ売れてます。あっという間に10冊以上が売れました。正直ウチとしてもビックリしています」

と、仕掛けた当人が苦笑するほどの売れ行きだそうです。マジですか?
ちなみに5/11の夕方には装丁を手掛けたBAUMの宇田川さんとイベントやるよ。
詳細はこちら→★

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『てまえみそのうた』をつくった頃からお世話になっているD&Departmentでも『発酵文化人類学』の取り扱いが始まります!挨拶に行ったら「せっかくなんでヒカリエでも発酵イベントやりたいですね〜!」と盛り上がりました。わーいわーい。ヒカリエに寄った際には本も見ていってね〜。

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最後はおなじみ、神楽坂のかもめブックスへ。
実はかもめブックスは初回注文から3日で完売。いち早く追加注文してくれた「ごひいき書店」なのでした(柳下さんスタッフのみなさん、ありがとう…!)。
『発酵文化人類学』は新刊本のいちばんいい場所に置いてもらってます。

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かもめブックスではふだんPOPは置かないそうなのですが、特別に手描きのPOPを置かせてもらいました。目指せ神楽坂のベストセラー!

初版の在庫、もうすぐ無くなりそう!

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ヒラク「早野さん、めっちゃ売れてませんか?」

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早野さん「いや〜、普通こんなにありえないですよ。しかも毎日注文書がどんどん来てます」

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ヒラク「初版4000冊の在庫、残ってます?」

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早野さん「このままいくとGW明けにはアヤしい感じになるかもしれません」

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ヒラク「えっ…それってつまり…?」

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早野さん「速攻で増刷の相談してみないと、ヤバいかもしれませんね」

ななな、なんてことだー!発売数日後でこの状況、スゴくないですか?

全国の本屋さん、『発酵文化人類学』はちゃんと売れる本ですぞー!ぜひ注文してね!
と胸を張って言えるようになりました。よかったよかった。

でもね。この本はなんとなく置いても売れないと思うんだな。
なんでかというと、本の内容がわかるオビも、著名人からの推薦文もない。しかもカテゴリーが「食」「人文思想」「生物学」「デザイン」の4つにまたがり、さらに著者は無名の発酵デザイナー!

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これはつまり何を意味するかというとだな。
本屋さんが楽しんで売り場をつくってくれないと成立しないのです。
裏を返せば、楽しんでくれればちゃんと売れます。他の本屋さんとは一味違う、個性的な本をアピールしたい!という本屋さんは、注文しといて損はないですぜ。

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平積みしてくれる本屋さんには、「ただいま発酵中ステッカー」と「発酵レシピ付きフリーペーパー」も販促物としてつけまーす。全国の愉快な本屋のみなさま、連絡待ってるよ〜!

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『発酵文化人類学』、速攻で注文するニャ!