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大阪で発酵イベント2DAYSやってきました。

週末は大阪で発酵イベント2デイズ。

土曜は、店舗のデザインで関わった味噌ラーメン屋さん『みつか坊主 醸』。
「味噌ラーメン屋で味噌をつくる」というナイスなイベントでした。で、イベント終了後オーナーの斉藤兄さんと、みんなのダンボールマン小仙くんとローカル銭湯いって、HOSTEL 64のラウンジで深夜までおしゃべり。

日曜は、心斎橋の名物本屋スタンダードブックストアで(一応)出版イベント。面子は五味の若旦那と、パン屋タルマーリーの格さん、そしてアサダワタルくんと司会は僕。(しかしなんというか、東京ではぜったいあり得ない組み合わせ)

発酵の話をメインに、それとなく経済や文化の話題を織り込むつもりが、思いがけず「これからの社会でどうサバイブするか」という展開に。

僕、普段司会する時はある程度「このへんが落とし所じゃろな」という着地点を目指して議論の舵取りをしていくのだけれど、この日は「おおお、龍が暴れている」という感じで話をコントロールできなかった。
格さんのパワフルな「豪族2.0」話、アサダくんの斜め上に鋭すぎるツッコミ、すきあらば踊る五味さんのフリーキーさに司会ヒラクはどうすることもできなかったのであるよ。

さすがに発酵や微生物関係の話をしなければマズいだろということで、長めに質問コーナーを取ったのだけど、なぜか自分のライフトーリーを語りだす質問者。関西のお客さんは本当にキャラが濃くて、人の懐に入るスピードと勢いがスゴい。
「イベントの空気はお客さんがつくる」とよく言うけれど、この日のお客さんは「濃くて深い話し聞きたいぞ!」というオーラをびしばし放っていました。

イベントでは色んなことを話しましたが、僕的に印象深かったのは「都会じゃないところで事業始めるときに、DIY力が高いと開業資金がめちゃ安い by タルマーリー格さん」という話で、スタートアップ資金がかからなくて、かつライフコストが安い(←都会じゃないから)とあらば、「非合理的なビジネスモデルに挑戦することができる」ということなのね。

均質化したサービスや、手軽すぎる便利さにうんざりした後に僕たちが求めるのは「アートとしてのビジネスモデル」であり、それはつまりタルマーリーや五味さんとこのようなモデルだ。

発酵醸造は微生物の働きに依存した商売なので、合理的にやろうとすればするほど「のっぺりしたもの」になる。そうなると、安定した品質で大量に供給する、という発想になるが、そのやり方は利益率が低くて大手ですら疲弊しきっているのであるよ。

だから未来は「非合理のジャンプ」をすることで、利益率の高い「アートとしてのプロダクト」を生み出せるかどうかにかかっている。

お昼のイベントだったので延長戦は叶わず、次回はぜひ夜にやりましょう>中川さん
出演者のお三方、来てくれた皆さま、本買ってくれた皆さま、どうもありがとー。

 

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