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ワインツーリズム、今年で4年目だよ!【前編】

こんにちは、ヒラクです。東京は今朝からいよいよ「冬」にはいりました。吐く息真っ白、自転車を乗るときは手袋、そして靴下は二枚です。今年は例年にも増して冷えとりにいそしむ所存であります。

 

さて。金曜のブログに書いた通り、週末は山梨ワインツ?リズムへ。

今年でなんと4度目の参加となりました。例年は親友watoくんと男子二人旅でしたが(良すぎて他の人に教えたくなかった&すぐにほろ酔いになってグズグズするので、気をつかわずにすむ処置)、今年は夏の「越後妻有ツアー」と「甲州発酵物産展」でご一緒した酒好きメンバー(主に女子)を招待。土曜日曜と徹底的にワインを味わいまくりました。

発酵物産展に来てくれた人はもうご存知だと思うのですが、近年の甲州ワインはものすご?く進化しているのですね。一応背景を説明すると、甲州の中央部、勝沼地方を中心とする一帯は明治時代の初頭に日本で初めてワインの生産がはじまった土地です。なので、「創業100年以上」のワイナリーがそこら中にある、由緒ただしい生産地なわけです。で、この甲州ワイン。ここ10年の流れがとっても面白い。

かつての日本のワイン、「葡萄酒」といえば、甘口のイメージです(赤玉ポートワインとか、王様の涙とかね)。なので、位置づけとしてはフランス、スペインに対するドイツのワインのイメージで「素人向け」みたいな感じでした(最近はドイツワインもすごいレベルだけど)。赤でいえば「アジロンダック」や「ナイアガラ」、白でいえば「デラウェア」というぶどう品種で仕込んで、熟成する前に蔵から出す。ぶどうの中の糖分がまだ全部アルコールに変わっていないのでとうぜん甘口になる。

これが「一世代前」のイメージでした。

 

ところが。

忘れもしない4年前のワインツーリズム、海外ではお目にかからないドメスティック品種の「マスカットベリーA」やその名も「甲州」で仕込まれた、キリッと辛口、かつ香り高いワインを口にした時の衝撃。「日本でこんな美味しいワインつくってるんだ!」と思わず唸ってしまったわけですよ。

それもそのはず、最近ワイン作りの主役を張っているのは、海外で修行を積んできた30代?40代はじめの若手の醸造家。ワインの仕込みだけではなく、ぶどう畑の土壌づくりから手がける「ニュージェネレーション」が出てきているのですね。この人たちのワインが、センスいいのだな?。

というわけで備忘録も兼ねて、2日間で辿ったルートを記しておきます。

晩秋の甲州で、ワイン蔵を訪ねてテイスティングしまくる至福のツアー、スタート!

 

【1日目】
シャトレーゼ脇の勝沼メイン会場に集合。出店のつまみを食べつつ、シャトレーゼの新酒と、屋台を出していたぶどうばたけさんの美発砲ワインを飲む(ぶどうばたけさんは、ぶどう農家さんが集まってつくる、100年以上前のワイン作りを継承するワイナリー。僕も年に一度は、「ラベル無し」の一升瓶ワインをお願いして家に送ってもらっています。とても素朴でおいしいワインですよ)。

山梨ワインへ移動。ここは、勝沼で最も古くにワイン醸造をはじめた老舗中の老舗。建物も味わい深く、ワイン用に改造された日本酒の樽が蔵の横に転がっています。なかには、明治時代のワイン作りに使われた道具が展示されたミニ博物館も併設されていて、タイムスリップした気分になります。ここのワインは、ナイアガラやアジロンダックで作られた「古き良き葡萄酒」と、甲州やベリーAで仕込んだ「今どきのどっしりワイン」をバランス良く作っていて、その両方を試飲できます。

ダイアモンド酒造。山梨ワインから徒歩3分。蔵のガレージで試飲会をやっています。醸造家は長髪&ヒゲの山小屋風30代のお兄ちゃん。白も赤もめちゃくちゃクセのあるワインをつくっています(早口のマシンガントークも面白い)。僕はここのマスカットベリーAの赤ワインが大好きで、毎年おみやげにしています。今年おいしかったのは、「デラウェアの新酒(白)」。甘口の代名詞デラウェアですが、ここのは良い感じで辛口です。熟成が完了するまで辛抱して待つと、こういう面白い味になるのですね。ちょっとインドで育てるシュナン・ブランみたいな個性的な味でした。値段はどれも1000円~2000円のあいだ。東京では買うのが至難なワインですが、どこかで見かけたら即買いするのが良いかと。

ルバイヤート。ここは正統派の「おいしいワイナリー」。マスカットベリーAで仕込んだフルボディの高級ワインや、ソーテルヌみたいな甘口の食後酒ワインをつくっています(けっこう高いけど)。1000円代で変える甲州の白ワインもおいしい。普段飲むなら、こういうワインがいいな?。社長は現場感100%のご機嫌なおじちゃんです。ワイン蔵もアンティークで、なかなか味わいがあります。

アサヤワイナリー。ここの特徴はなんといっても「一升瓶ワイン」。明治時代、ヨーロッパ規格のワインボトルの変わりに、日本酒の瓶を転用したことでできた「庶民のマグナムボトル」。ここの一升瓶ワインは1500円~1800円ですが、なかなか美味しい。東京では谷保のコミュニティー武家屋敷、やぼろじ内の「やまもりカフェ」で飲めますよ。通販でも買えます。

グレイスワイン。勝沼のなかでは最も大手のワイナリーの1つ。東京でも比較的飲むことのできるワインではないでしょうか。ここのワインで有名なのは「キュヴェ三澤」という、30代の若い女性醸造家の三澤さんがつくったプレミアム・ワイン(赤、白両方あるけど、赤のほうが好み)。これ、超絶おいしいです。ふだん飲みするなら、1000円代で買える「serena」というシリーズが、なかなか。

甲斐ワイナリー。勝沼コースの外れにある、老舗ワイナリー。ここ、まず建物がカッコいいんですよ。古き良き、庄屋さんの蔵を改装した邸で、日本庭園のしつらえも風情があります。海外からお客さんがきたら痺れるんじゃないですかね。「王道の和テイストにして、ワインと来たか!」てな感じで。ちなみにワインもその雰囲気にふさわしい端正な味。カベルネとメルローをブレンドした樽熟成ワインは、ほのかに抹茶のようなスモーキーフレーバーでした。しぶいぜ。

キザン。1日目の締めくくりは、甲府の若旦那、五味のアニキ一押しのキザンのワイン。ツーリズムの勝沼コースの外にあるので、辿り着くのが難しいのですが今年は車を出したので(民ちゃん、ありがとう)、念願の訪問がかないました。ここのワインは、一言で言うと「やさしくて、やわらかい」。甲州の白は酸味がひたすらおだやか。これ飲みながら刺身か湯豆腐なんかをつつきたいです。赤ワインは、「ブラッククイーン」という珍しい国産種。ベリーAのようなアクのない、かつカベルネのような酸味も少ない、ひたすら「コク」が詰まったテイスト。南インドのスープカレーみたいです(ってわかりにくいな)。ヨーロッパでは作り得ないワインという意味では、普段飲みにもお土産にもピッタリです。そして、この商品ラインナップの少なさがいいね。「無駄なもの、作ってません」てな感じで、コンセプトの確かさを感じます。

なんと計8件を訪問。この時点で6時間飲み続け。その後甲府へ移動し、燈屋温泉へ(甲府は珍しく都市部なのに温泉が多い)。しばしリセットした後、ヒラク統計による「甲府で最もほうとうが美味しい店」である「金峰」へ移動し、馬刺やほうとう、おざらという「甲州郷土料理の王道」を肴に飲む。さらにその後、今年オープンしたばかりの自然食品点「Naturalia」二階の秘密基地でワインツーリズムの甲府運営チームと合流して、さらに飲む。春光堂書店の店長、シャトー酒折の醸造家さん、五味の若旦那ほか、みなさん相当に出来上がっていて、10代の女学生のように笑い転げてました。みなさま、どんだけ飲むのよ。そして宿泊地である五味醤油母屋(改装したて)に着くなり、全員撃沈。

後編に続きます。

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