▷はたらくことを考える, ▷デザインを考える, ▷日々のこと, ▷殿堂入り記事

ノマドな生き方のノート

こんにちは。ヒラクです。
皆様ご存知の通り、僕はあちらこちらと旅が多い人とのイメージが強いよう(メールや電話の第一声が『いま東京にいるの?』だったりする)。

仕事をしだしてからは、ヨーロッパみたいに遠いところには中々いけなくなりましたが、国内・アジアと移動はけっこう多い。
しかーし!僕としてはまだまだ移動し足りない。もっともっとあちこちフラフラしたい!という想いがつのる最近、「ノマドな生き方」というものを実践する時が来たのかもしれません。

…ではどのようにやるか?という事を考える前に、どうしてそうする必要があるのか?という事をノートします。

大きなきっかけは、北海道での山ごもり体験。
4年ほど前に、一週間ほど山でのキャンプ生活をすることになった時に、最低限の「家」というものを考えました。夏ということで服は最小限、最低限の日常品やカンテラ、情報端末…そして寝袋とテント。
取捨選択を繰り返して辿り着いた重量が全部で8kg弱。テントと寝袋に限るとなんと5kg弱。
一週間のうちの大半が雨だったキャンプですが、テントはまったく浸水せず快適に過ごし、気づいたのが「割り切れば、家は8kgでいい」ということでした。

そうして日常生活はいかにものに縛られている。重しをつけられているのか、ということを実感したわけです。
その一件がヒントになって、「自分がどうして移動を繰り返すのか?」ということも見えてきたのです。

会社で働いている時ですら、社長から「浮き草暮らし」、「サボり魔」と呼ばれるほど外で油を売りまくっていたヒラク、それはなぜだったかと考えてみると、「移動すると感覚が開かれる」感じを求めていたからなのでしょう。
重量を減らすというのは、モノだけでなく思考においてもそうで、固定した空間やレギュレーションになるべく束縛されない、自分の環境をDJのように差し替えて行く、ミックスしていくという感覚が大事だと思ったのです。

最近提唱されている、「ノマド・ワークスタイル」によると、あえてカフェなどの多目的空間で仕事をする人がいるそうで、そっちのほうが「アイデアが出る」のだそう。

それって、僕の感覚を見事に言い当ててくれていて、何かをイメージするためには、常に「ずらす」、「変える」、無目的な環境をあえて選ぶ、ということが大事だという事なのでしょう。

人間の思考を考えてみると、最も密度の高い思考ができるのは何か思いがけない出会いや問題に立ち会った時。空間なりレギュレーションを固定するということは、そういう予想できない何かに対するリスクヘッジとも考えられます。これは考えようによっても大変もったいない。
自分の思考を動かすためには、リスクを取ることが(結果的には)大事なのですから。

俯瞰して考えてみると、ノマドな考え方は一つのパラダイムシフトを示しています。

☆見えるモノ、固定したルールは極力持たない
☆見えない情報、考えを相対化する方法論は極力増やす

ということになり、そうなると『場所』を所有しない、という答えになります。

これって、箱と制度を作る事で繁栄した、高度経済成長以降の日本とは逆だと言えます。
小泉八雲の「こころ」というエッセイ集の中に、日本人と旅の関わりを書いた一文があります。
何でも明治以前の日本人は、とにかくモノが少ない、質素な食事でも元気、器用な手先を生かした手工芸の職人が多く、一生を通してあちこちを旅する人が多かったそうです。

着物とお箸と最低限の商売道具を風呂敷に包んで、どこでもてくてく歩いて行く。
「同じぐらいの所得の英国人と比べると、日本人はとても自由である」と小泉八雲は驚いています。
百人一首しかり、東海道53次しかり、僕の祖先は結構ノマドな側面があったみたいです。
てなわけで、ノマドな生き方にはそれなりの必然性とメリットがある。

となれば、後はいかにそれを実践すべきか。

ITベンチャーの人達は、iPhoneとネットブック一台あればどこにでも行けますが、僕の場合職業柄、絵を描かいて、デザイン作業をしなければいけません。となると、ちゃんとしたスペックを持ったPC、場所を選ばない通信環境、スキャナー、ある程度のクオリティを持ったカメラなども欲しい。

長時間の作業に耐えられるバッテリー環境も欲しい、あと画材も欲しい…となって、ノマド・デザイン環境は結構ハードルが高い。
一瞬i-padにも期待したのですが、USBポートがついていない、アドビのソフトが動かない、という仕様は微妙です。…となると、明日発表されると噂される新型macbook airが僕の夢を実現するのか???
ノマド・デザインスタイルを実現してくれるのか!?と、今から期待に胸が膨らみます。
何となく想定しているバッグの中身は、macbook air(1kg)、マイクロ一眼カメラ(500g)、モバイルスキャナー(1kg)、画材・文房具(500g)、それにe-mobileを導入してもわずか3kgでオフィスを持ち運べる!テントと寝袋を足しても8kgです(笑)。ノマドな生き方、今こそ実現できるのではないか??

最低限のモノと、専門職で浮き草暮らし。クラシックなようでいて最先端な生き方、ちょっと真面目に考えてみようかな?。

Pocket


【CONTACT】お問合せはこちらからお願いします。

お名前 (必須)

メールアドレス (必須)

お問合せ内容 (任意)

メッセージ(任意)