BLOG, ▶はたらくこと、生きること, ▶旅した&考えた

カッコいい先輩は、時代が追いついてきたらもう一度抜き去る。

昨夜、このブログではおなじみの鳥井くん(WEBメディア『灯台もと暮し』プロデューサー)と深夜まで話し込んでいた時のこと。普段ソフトな鳥井くんが唐突に言い放ったのが、

「ヒラクさん達のポジションが邪魔なので、さっさと別のステージ行ってください」

という言葉で、思わずハッとしてしまったぜ。

ソーシャル界隈における鳥井くんの先輩世代は、たいがいみんな2011年以前の「ぜんぜん共感されない&食えない」という時期を過ごしている。だからここ数年の「地方自治体が若者や地場産業を支援する」とか「企業が事業で社会貢献する」とか「メディアが地域の面白い人達を注目する」というのがスタンダードになったこの状況は「かつての夢が叶った状態」と言える。

じゃあ「次の夢」が見れているかというと、さてどうだろう?
社会的に意味のあることをビジネスにして、ある程度ちゃんと食えていて、仲間同士でささやかながら仕事を回して、ニッチではあるが何千人かの熱のあるコミュニティがある。

追い風は吹いている。そして安定もしてきている。しかしその次のビジョンは不確か。
となると、先輩達は自分のポジションのキープと、既存の人的ネットワークの補強に走るのであるよ(昔の裏原系みたいな感じかしら)。

それはそれで先輩達は幸せではあるが、そこの「まあまあ」にとどまるということは、実は下の世代が目指すべきキャリアパスを築けてないということになる。しかも彼らのビジネスの余地も阻害していることになる(先輩と後輩が同じ土俵になるからね)。

つまり、ぜんぜん「カッコよくないっすよ、先輩」ということになる。
時代が追いついてきたら、もう一度抜き去らなければいけいない。それがカッコいい先輩の背中なのであるよ。

鳥井くんのように、先輩を突き上げてくれる後輩がいるのはラッキーなことだね。
先輩はちゃんと別のステージへ行くよ。ありがとう。

【追記】この「ニッチで熱心なコミュニティ」に留まる、というのはもしかしたら「メディア上におけるユートピアコミュニティ」のような状態なのかもしれない。いつの間にか新しい人に対してオープンになれず、自家中毒になっていく。規模を守って持続性をキープするはずが、むしろコミュニティの破壊を招く。ディカプリオが出てた「The Beach」みたいな末路を遂げるのであれば、そんなコミュニティなんてないほうがいいよね。

Pocket