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誰がメンテナンスすんのよ?

街を歩いていると、商業施設かなんかの高層建築とか、高架になっている大きな通路(例えば新宿駅新南口と高島屋をつなぐアプローチとか)が建設中になっている所をよく見ます。いずれもコンクリートの大きな塊です。

こういうのを見て思うのは、「メンテナンスどうするの?」ってこと。

コンクリートって意外に脆くて、雨ざらしで20?30年するとメンテナンスする必要性が出てきます。その時に、A:誰かお金を出して、B:誰が作業するのって話なんですね。

そんで、Aについてなんですが、都市圏の某Mグループなんかの商業施設を除いて、とりわけ地方のものについては行政の持ち物or第三セクター的だったりするので、財布の少なからぬ割合は地方自治体のものになる可能性が高い。そして、Bについては、地元の建設会社とか工務店だったりするんじゃないかなと思います。

一応この仮定を是として、僕のささやかな経験則で考えるのは『AもBもヤバいんじゃないの?』ってことです。
まずAについては最近あちこちで聞くことですが「地方自治体にはカネがない」ということです。収入の大きな割合を占める法人税が壊滅的で、個人の所得税も高齢化で厳しい。しかも国政から来る地方交付税もどんどん減る。つまり、公共事業の財源はどんどん少なくなる、と断言して間違いないと。

そしてBについてはあんまり言われていないことですが、地域の建設会社・工務店もいまや結構なピンチなんですね(シンクタンクとか大学が真面目に取り上げない領域なのかもしれません)。不動産価値がどんどん下がっているので、新築の家の需要がどんどん減る。自治体にお金が無いから公共事業の発注も減る。しかも少子高齢化で労働人口がどんどん減るから職人や大工の絶対数も減る。こんな状態になったら、経営が大変になってきます。というか、倒産や廃業が相次ぐ状態になってきます。
さて、そんな僕の予測が本当ならどうなるか。

答えは単純で「作りっぱなし」です。これからコンクリート製のものはメンテナンスされない。
都庁とか首都高とか、お金がつぎ込まれそうなものを除いて、みんな朽ちていくのを待つのみで、総じて軍艦島みたいにならざるを得ない、というのが僕の大まかな予測です。

例えば木とか土でできたものならば、そこに住んでいる住人が頑張ればインフラを作り直すことが可能です。けれども、コンクリートは個人がなんとかできるものではない。そのうえお金もなければ直す人もいない状況では、廃墟化していく可能性が高いのです。新しくできるコンクリートの塊は、十中八九廃墟と化します。それのメンテナンスは、作った人の世代で責任を取れるのでしょうか?
(「大丈夫です、ウチにお任せを!」という建設関係の会社さんは、2?30年後も存続している見通しはあるのでしょうか。)

追記:友人のYさんから、以下のような指摘がありましたので追記します。
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コンクリートの構造物は、メンテナンスできないので、十中八九廃墟と化す。だから自分たちでメンテナンスできる木や土を使ったインフラに変えようという主張。
言いたいことはわかるのですが、根本的に間違っている部分があります。地方自治体の収入の大きな割合を占めるのが「法人税」と「所得税」と書いていますが、この2つは国税。地方自治体の収入の大部分を占めているのは「市民税」と「固定資産税」、そして「消費税(5%のうち1%は地方に入る)」。
なので、地域内でお金が動いて、人口が減らなければいいというわけです。無駄な公共事業と言われようと工事をやって仕事を作ればいいんです。小額でも地域内でお金が回ればいいんです。自分たちでメンテナンスするのも大事ですが、メンテナンスするという仕事が地域にあることも大事なんですよね…
それに、土建業者はコンクリートの構造物だけでなく、道路とか治山治水の仕事もあるわけだし、災害時のことを考えれば、土建屋の存在を地域に担保しておくことが大事なんですよね。
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そうでした。法人税と所得税は国税に回るんですよね。なんとバカな思い違いを…(というわけで、自分の無知を戒めるべく、本文は直しません。恥ずかしいけど)
ちなみに、土木関係の防災・治水関係の仕事に関してはこれはやはり恒常的に必要だと思います。
僕としては「土建屋は無くなればいいんだ!」的なお話ではなくて、「2?30年後にも、今のように地域にたくさんの建設業者が存在しているのだろうか?」というお話でした。
これから、そういう地域に根付いた建設業の未来は、住民たちが主体的に考える必要が出てくるかもしれません(大事な雇用先だしね)。Yさん、ご指摘どうもありがとう。

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