BLOG, ▶発酵文化人類学

発酵は人間と微生物による新時代の「ミクロ経済」だ!

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『発酵文化人類学』の出版記念企画として、雑誌ソトコトの連載バックナンバーを無料公開!  なぜそんなことをするかというと、書籍版は過去の連載記事を全部無視した「完全書きおろしREMIX」だからなのだ!

▶発酵は、人間と微生物による新時代の「ミクロ経済」だ! | ソトコト2015年11月号掲載 

ここ最近ムーブメント化している「発酵」。健康に良い、日本ならではのユニークな文化だと、様々な視点から注目されています。
今回は特定の発酵食品ではなく、発酵テクノロジーの本質に迫っていくことで「なぜ僕たちは今、発酵にワクワクしているのか」を考察していきたいと思います。よろしく!

「微生物界」という見えない世界

例えば僕が今ここで死んだとします(死にたくないけど)。
すると、僕の体はだんだん溶けていって、やがて大気や土に還元されて消えてしまいます。一体これは誰の仕業なのでしょうか?

答えはもちろん微生物。目に見えない菌たちが僕の体を構成している有機物を細かく分解していく。この地球上では毎日膨大な数の動物や植物が生まれています。それを「生みっぱなし」にしていくと、世界は生き物の死骸で埋まってしまう。そうならないのは微生物たちの働きのおかげ。

「そんな壮大な話されてもよくわかんないし」

例えば、台所の水回りがヌルッとすることがあります。この「ヌルッ」は、微生物が料理した後の有機物を分解することで起こるもの。

・細かな物質が集まって目に見える生命となる
 ↓
・生命を細かく分解して、土や水や大気に還元する

というダイナミズムがこの惑星の生命循環の鍵なのです。
微生物の力、恐るべし。

人間に役立つ微生物の働き=発酵

そんな微生物界のことわりのなかで「発酵」はどんな意味を持っているのかというとだな。
数多いる微生物のなかで、ごくたまーに僕たち人間になついて、良いことをしてくれるヤツらの分解作用を「発酵」というのです。

牛乳を分解して爽やかなヨーグルトを、麦を分解してシュワっと美味しいビールをつくってくれる。この「爽やか」、「シュワっ」が発酵の本質。

「本質とか言われてもよくわかんないし」

じゃあこう言い換えよう。発酵とは「人間と微生物の経済活動」なのだ!

発酵=人間と菌による経済活動

ヨーグルトの発酵を分解してみましょう。
乳酸菌というバクテリアが牛乳に含まれるグルコースという糖分を食べて、乳酸という爽やかな味の酸と、ATPと呼ばれるエネルギー物質に分解します。
ここで乳酸菌は何をしたいかというと、元気に活動するためのエネルギー=ATPが欲しい。僕たち人間がエネルギーを得るためにご飯を食べると、トイレで排泄します。それと同じように、乳酸菌は乳酸を排泄するわけです。

さあここからがポイント!乳酸菌にとって排泄物でも、人間にとって乳酸は「美味しいもの」なのです。

地球における生命活動の要諦として「誰かが出したゴミが、誰かにとっての宝物になる」という「鍵と鍵穴」のような補完関係がある。
これって、人間社会でいうところの「経済活動」だと思うんですよね。人間は牛乳のプールを用意し、乳酸菌はそこでATPを得て、かわりに乳酸をあげる。どちらにとっても有利な条件で関係を結ぶわけです。ビジネスで言うところの「win-winな契約」。

「免疫力を上げたい」とか「酔っ払っていい気持ちになりたい」というニーズを満たすために、微生物と取引をする。これぞ新世代の「ミクロ経済」。そして発酵菌たちとの関係性から社会を構築する方法論としての「菌本位制」。

発酵は、人間社会のアップデートの鍵を握っているのだ…!
(今回もダジャレですいません)

 

 


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