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未来はDIYから始まる?醤油づくりのフロンティア

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『発酵文化人類学』の出版記念企画として、雑誌ソトコトの連載バックナンバーを無料公開!  なぜそんなことをするかというと、書籍版は過去の連載記事を全部無視した「完全書きおろしREMIX」だからなのだ!

▶未来はDIYから始まる?醤油づくりのフロンティア | ソトコト2015年10月号掲載 

どの家にも必ずある、発酵調味料の超定番といえばお醤油。この文化を紐解いていくと、和食の文化の置かれている現在地がよくわかります。
今回は醤油のアレコレを解説しながら「均質化と多様性」というシーソーゲームを考察していくぜ。押忍!

 そもそも醤油とは何か

小麦と大豆に麹(こうじ)菌をつけ、塩を入れ液状で発酵させたものが醤油の定義。
麹菌が原料のタンパク質等を分解して旨味をつくり、塩を入れることで液体が腐ることを防ぎます。発酵途中の味噌の表面や底にできる「たまり汁」がその起源の一つとされています。

製法が確立したのは江戸時代。味噌と違って甘味のない、旨味がギュッと凝縮した、お寿司にも蕎麦にも合う「江戸っ子LOVE!」な液体調味料として独自のカテゴリーになりました(対して関西の上方文化の味付けはダシや酢など透明色のものが活躍します)。

で。
僕たちが一般に「This is 醤油!」と認識するのは「濃口醤油」というカテゴリー。
ツヤッツヤの黒色で、ウマしょっぱいヤツね。全国で流通している8〜9割を占めます。他にも明るいブラウンで甘い風味の「淡口醤油」や塩麹みたいな味の「白醤油」、ルーツを色濃く残す「たまり醤油」などのカテゴリーもあります。

 規格によってマス・インダストリアル化

では本題に入るぞ。
色んな種類があるとはいえ、味噌と比べると醤油って味のバリエーションが少ないんだよね。普通の人には、Aの蔵とBの蔵の醤油の違いがほとんどわからない。

なんでかしら?と思っていたら、答えは「規格の有無」にありました。 「JAS規格」によって、原料の種類と成分比の厳密なルールが定められているわけです。

原料は必ず大豆・小麦・塩。濃口醤油なら塩分16%、窒素分1.5%といった感じ。
対して味噌はオールフリーなわけよ。だから沖縄の「原料は蘇鉄(そてつ)の実と豚肉です!」みたいなアナーキズムが許される。

戦後の経済成長期、粗悪なものが市場に出回らないように導入された仕組みが、結果として「均質化」を招いてしまった。
戦後、醤油製造は激変。組合で一括してつくったものを、最後に「火入れ」という品質管理作業だけして自社のラベルを貼るという、「醤油蔵なのに醤油をつくらない」というマス・インダストリアル化の極致が現れてしまったわけさ。

よかれと思ってつくったルールも、時代が変わると足かせになる。
おお、現代の日本社会を象徴するような話ではないか。

ニューウェーブの挑戦がつくる醤油の未来

さあ、そんな醤油文化の未来やいかに!
一つの答えは福岡県糸島市の「ミツル醸造」にあります。ここの若旦那の城慶典(じょう よしのり)君は、親父の代でやめてしまった「ゼロからの醤油づくり」を復活。

DIYで醤油づくりの設備を作り上げ、2年間木桶で熟成させるニューウェーブな醤油をリリース。 その味は、他のものとは一味違う「オシャレ感」に満ち溢れた個性的なもの。

彼のような新世代の挑戦を見るに、いつかJAS規格のルールも改変され、中国やメコン川流域の「東アジア発酵圏」が本来もっている「自由すぎる醤油の桃源郷」がここ日本にも実現するのではないか…と僕は夢想するのです。

醤油の未来に幸あれ!

 


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