▶発酵文化人類学, ▷調味料を極める

日本食は業が深い。

昨日のご飯のお話しの続き。
日本人は自分たちが飼う家畜を屠殺することもせず、またこれを食べもしない。
彼らはときどき魚を食膳に供し、ほとんど米麦飯のみを食べるが、これも意外に少量である。ただし彼らが食べる野菜は豊富にあり、またわずかではあるが果物もある。
それでいて日本人は不思議なほど達者であり、高齢に達する者も多い。
したがって、たとえ口腹が満足しなくても、人間の体質は僅少な食物によって十分な健康を保てるものであることは、日本の場合によっても明らかである。

これ、宣教師のフランシスコ・ザビエルがポルトガルのイエズス会に送った手紙の一節(『日本型食生活の歴史』から引用)。
玄米麦飯に雑穀、野菜や海藻を食べ、ほんの少しの魚を食べる。ヨーロッパの人から見ると「こんなんじゃ栄養失調になるのでは(汗)」と心配になるような食生活を、日本の庶民は送っていたようです(江戸時代?明治初期に日本に来た宣教師や外交官で栄養失調になった人もけっこういるそうな)。
まあ、カロリーをベースにした栄養学ではそうですわな。
しかしね。曲がりなりにも千数百年そんな食事でサバイバルしていただけあって、そこには秘密があるのです。
例えば玄米。
「うちの旦那の健康を考えて玄米にしたんだけど、お腹下しちゃうのよね」
大丈夫です。旦那さんのお腹が取り立てて弱いというわけではなく、玄米って消化に悪いんですね。
なので、どうするか。
ご飯のうえに、納豆とかオクラとかトロロとかめかぶとか「ネバネバ系」のものをかけてあげると良さそうです(こういうの一気にかき込むの、上品じゃないけど快感ですよね)。
煮干しやワカメがたくさん入っているお味噌汁なども飲むと、さらにいい感じ。ネバネバ系の中にある酵素が固い玄米や雑穀の消化吸収を滑らかにして、しかも煮干しとか海藻に入っている繊維質が腸までいくと、そのザラザラが腸の襞(ひだ)を刺激して腸をガンガンにロックするそうです(リンゴも良いらしい)。
こうやって、一見消化に悪い玄米・雑穀を食べるとタンパク質の他にいっぱいミネラルを取って丈夫になる。そして、お味噌や納豆、漬け物の発酵食品を食べると、お米や大豆のたんぱく質やでんぷん質が菌によって分解されて「必須アミノ酸のカタマリ」になり、無駄なく栄養が吸収されていく。
確かに粗食なんですけど、実は快楽的だし、無駄がない。
グルーヴィーで、タイトなんです。
ヒラクの想像ですけど、江戸?明治に来日にた欧米人で栄養失調になるかならないかの境は「ネバネバ&臭いものを食べられるか」にあったんでしょうね。
「なんか…気持ち悪っ!」と思って玄米おにぎりとかだけもモソモソ食べてると、お腹こわして栄養失調。
「気持ち悪いし、臭いけど………やっぱ気持ち良いかも!」と覚醒したら健康で長生き。
ああ、日本食って業が深いぜ。

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